GREEN-FUNDING限定、利便性はもちろん、音質の改善にも注目!
無くしても安心な、世界初の完全ワイヤレス「Indy Fuel」──紛失防止タグTile付き
ケースを省サイズ化し、音質・機能も格段に強化された
そんなスカルキャンディの新イヤホンの中から、この記事で紹介するのは「Indy Fuel」という製品だ。Tile搭載の完全ワイヤレス機としては、ほかに「Indy Evo」「Sesh Evo」「Push Ultra」といったものがある。Indy Fuelは、Indy Evoをベースにワイヤレス充電機能を追加したものと考えればいい。
Indy Fuelは現在、クラウドファンディングサイト「GREEN-FUNDING」で限定予約販売を受付中。国内では、量販店などでは入手できず、ここだけで手に入るレアものとなっている。価格は税抜で1万円程度からなので、著名ブランドの完全ワイヤレスイヤホンとしては安価な部類に入るはずだ。
Indy Fuelの特徴について、簡単にまとめよう。
まず、昨年国内投入された「Indy」の機能強化モデルで、価格はそれほど変えず、多機能化と高音質化に取り組んでいる。Tileへの対応だけでなく、機能・音質についても大きく改良しており、まったく新しい機種と考えてもいいほどだ。連続再生時間は本体のみで6時間(充電ケース併用で合計30時間)に延長。一方でケースは20%スリム化。急速充電に加え、ケースはQi規格による非接触充電にも対応しており、充電もワイヤレスとなっている。
本体はIP55相当の防水防塵性能となっており、汗やアウトドアでの利用にも強い仕様。マルチイコライザー、アンビエントモード(外音取り込み)機能なども新たに追加された。EQはPodcastや映画用のモードを用意している。BluetoothコーデックもSBCに加え、iOS機との連携で有利なAACに対応する。
価格を考えると、機能面での充実ぶりが感じられる内容になっている。また、これから書くように音質についても、かなり完成度が高い。ストリートなテイストやドクロマークにひかれてスカルキャンディに興味を持った人はもちろん、音がよくて高機能な完全ワイヤレスを探しているが、予算は抑えたい人にも魅力的な選択肢になっている。
ボーカルの聴こえがいい! 低域もズーンと沈み込む
さて、Indy Fuelの国内出荷は9月から順次始まるそうなのだが、サンプル機を先に試す機会があったので、音質や使い勝手について触れておこう。
まずは質感。ケースや本体は樹脂製で、最近の高級機種と比べると質感は少し譲る面があるのだが、中央に指がかりがあってホールドしやすい形状になっていたり、多少大きめのイヤーチップを入れても入りそうな余裕のあるケースになっていたりと、なかなか考えられている印象だ。
SkullCandyの米国本社グローバル営業責任者・ブライアン氏によると、Fuelの名称は置くだけ充電や急速充電、バッテリー駆動時間の延長など、電源関係の改善をアピールするためにつけられたのだという。
スポーツなどでの利用に配慮しており、イヤーチップとは別に、スタビリティーシェルというフィンの装着もできる(取り外しもできる)。このシェルは耳にピッタリとはまる効果に加え、ケースから取り出す際に便利というメリットもある。サイズが2種類あるのもいい点だ。
例えば左手にケースを持って、親指でふたを空け、右手でフィンをつまんで取り出すといった一連の動作がスムーズ。他社の製品では、左手で持って、右手でふたを空け、右手で取り出すといった動作になる場合が多いと思うが、個人的には持ち替えがないぶんこのほうがラクな印象を持った。
次に音質だが、これが想像以上に良かった。
ボーカルがクリアで、よく聴こえる一方で、低域はしっかりとしていて安定感がある。下にアンテナ部分が出っ張るタイプだが、邪魔な感じがしないし、イヤーチップとフィンの組み合わせで安定感も上々だ。
Indy Fuel自体はアクティブ・ノイズ・キャンセル機能は持たない(1月のCESではIndy ANCという機種も参考展示されていた)が、自分に合ったサイズのチップを選べば、装着感・密閉感ともに良く、結果、ドライバーの持つ情報量の豊富さをしっかりと伝えてくれる印象を持った。
ブライアン氏に話を聞いたが、バランス感を重視しつつも低域の沈み込みを意識したチューニングになっているそうだ。ドライバーは直径6mmで従来機種と異なるものを使用している。
スカルキャンディというと、ガツンとした低域が魅力で、リズム感を重視した楽曲に合うドンシャリ目のサウンドを思い浮かべる人も多いと思う。もちろん低域の量感などはあり、ロックやEDMといった曲とよく合う。
一方で、ジャンルを問わず使える面もある。大貫妙子の「a life」のようなピアノ伴奏と一緒に歌う女性ボーカルなどは息遣いも含めて細かなニュアンスを伝えてくれるし、ストラビンスキーの「火の鳥」のようなスケールの大きなオーケストラ曲などの分離も上々。音色的には、全体にウォームな傾向だが、シンバルや鉄琴のような金属質な音の高域もピンと張って明瞭だし、音の広がりやスケール感なども申し分ない。
上に挙げたようなアコースティックな方向の曲もそつなく再生する点は、ブランドイメージをくつがえすものと言える。特に低域の重量感は保ちつつ、中高域の抜けの良さを損なわないという点は注目したいところだ。いろんなジャンルの音楽を高音質かつリーズナブルに楽しみたいという人に対して、偏見なくそのサウンドに触れてほしいとアドバイスできる仕上がりになっていると思う。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります