観光も帰省もお預け……長期休暇は自宅で過ごす時代
どこにも行けない休日! 子どもと親が互いにイライラせず過ごす方法
親子の長期休暇が被ると……イライラが増える!?
新型コロナウイルス感染拡大を受けて、東京都や愛知県など、複数の地域で移動自粛制限要請が出されている。今年のお盆期間や夏休み期間は、自宅などで過ごしたという人は多いのではないか。出かけずに在宅勤務を続けたという人も多そうだ。
子どもたちも夏休み期間だったので、必然的に家族で長期間一緒に過ごすことになるが、それによって家族間のトラブルやストレスが増えることが考えられる。親がイライラすることの代表格が、「子どもがスマホやゲームばかりで勉強しない」ということだ。こうした親子共に長期休暇に突入した際、イライラせずによい距離感で過ごすには、どうすればいいのだろうか。
モバイル社会研究所の「モバイル社会白書Web版」2018年版によると、学年が上がるほどスマホ・ケータイでインターネットを利用する時間は長くなり、中学2年生では「毎日4時間以上」利用する割合が16%に上る。インターネットの利用終了時間も学年が上がるほど遅くなり、中学3年生では「午前0時より遅い時間まで」が13%いる。
また、同研究所の調査(2019年6月)によると、毎日オンラインゲームをする割合は男子が多く、男子中学生では5割に達している。利用時間も学年が上がるほど長くなり、男子中学生では、毎日4時間より長く利用する生徒も4%いる状態だ。
一般的に、長期休暇中はスマホやゲームの時間は長くなる傾向にある。スマホでSNSや、オンラインゲームなどは、友達とのコミュニケーションにも使われるため、制限が難しい面もある。保護者は一体どうすればいいのだろうか。
子ども自身にルールと時間を決めさせてみよう
普段は子どものスマホやゲームの時間を短く制限している家庭でも、長期休暇中、しかも出かける予定がない場合の扱いは悩む人も多いのではないか。
長期休暇と言えども、完全に自由に使わせてしまうと学校が始まったときに元の生活に戻りづらくなることが考えられる。スマホやゲームの利用時間は、ルールを設け、ある程度制限したほうがよさそうだ。長期休暇ならではのやり方として、たとえば次のようなやり方はどうだろうか。
長期休暇は普段よりも自由に扱える時間が増えるだろう。そのため、スマホやゲームの利用時間は長くなる傾向にある。まず長期休暇中に宿題や勉強、部活動や習い事、お手伝いなど、やらなければならないこと/やりたいことを挙げさせよう。目標を決めて練習に励んだり、具体的な点数や、読みたい本などを挙げるのもよさそうだ。
その上で、子どもと話し合ってルールや利用時間などを決めさせてはどうだろうか。一方的に保護者が禁止したり、取り上げるのではなく、子ども自身に決めさせてみるのだ。その際、生活リズムを崩さず早寝早起きをすることと、やることややりたいことができるよう、計画的に過ごすことを守らせるといいだろう。この点はしっかりと見守り、保護者から声かけをしてあげてほしい。
子どもが利用のルールや時間を守って使うのであれば、イライラせず、お互いよい距離感で付き合えるのではないだろうか。長期休暇ならではの特別感として、親子で同じゲームをプレイしたり、子どもの使っているSNSを自分でも始めてみたりすると、親子の仲も深まりそうだ。子どもにとって該当学年の夏休みや冬休みは一度しかない。悔いがない長期休暇が過ごせるよう、しっかりと見守ってあげてほしい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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