傑作シリーズ新作がリーズナブルに遊びやすく
Steamおすすめゲーム「XCOM: Chimera Squad」ダイバーシティーを舞台にしたターン制ストラテジータイトル
海外ではX-COMシリーズという、20年近く続くゲームシリーズがある。初代「X-COM: UFO Defense」は宇宙人の侵攻から地球を守るというターンストラテジーと基地経営がセットになった高難易度で骨太なシミュレーションゲームタイトルだ。2012年その初代をリメイクした「XCOM: Enemy Unknown」が大ヒットし、4年前にはその続編となる「XCOM 2」も大ヒットとなった。筆者も共に200時間以上プレイしているタイトルで、XCOM 2に関しては発売前にテストプレイさせていただいた経緯もあるほど思い入れがあるシリーズでもある。
今回第114回で紹介する「XCOM: Chimera Squad」は、「XCOM 2」の続編となるスピンオフタイトルとなっている。骨太な難易度はそのままに、ダイバーシティーを舞台にした本作品を紹介しよう。
本作品は、ゲームコントローラーにも対応しているが、マウスだけで操作できる。過去シリーズではコントローラーの方がプレイしやすい点もあったが本作品ではマウスの方がプレイしやすい。
また、起動時に立ち上がるランチャーの右上の設定から字幕を日本語に変えることで日本語環境でプレイが可能だ。
禍根が色濃く残るダイバーシティーへようこそ
本作品は「XCOM 2」の5年後を舞台としている(上記画像はXCOM 2のもの)。20年近く人類を支配し続けたエイリアンに対して人類の解放を掲げたレジスタンス部隊でもあったXCOMは敵対エイリアンの指導者であるアヴァターを退けた。だが地球上に点在していた兵士や元人間であったエイリアンたちは地球に置き去りにされてしまう。なんとか人類は地球に残ったエイリアン達と和解することに成功し、人類とエイリアンの共同都市圏である“シティー31”を樹立するに至った。
だが、エイリアンと人類の禍根は目に見える形で残っており、人種を問わず都市を混乱に巻き起こそうとする陰謀は存在している。警察にも手に負えない事件に対して治安維持を行う地球再生局という形でXCOMのメンバーを基板としたエイリアンと人間の混在部隊、通称“キメラスカッド’をシティー31に派遣するに至ったが、最初の任務の際に救助したシティー31の市長は何者かに爆殺されてしまう。というのが導入の流れにはなっている。
プレイヤーはキメラスカッドに指示を出し、都市の治安を守る影の司令官として尽力することになる。上司に当たるケリー局長からの指示を受けてはいるが、基地運営に部隊運営や戦闘指揮に至るまで全てプレイヤーが管理することになる。といっても指示自体は難しいものではないので流れを追って説明していこう。
ゲームを始めると難易度を選ぶことになる。過去作をプレイしたユーザーであればエキスパート以上で問題は無いと思うが、初プレイであればノーマル以下を選ぶことを強くオススメする。
本作品の目的は地元の犯罪組織を調査し、前述の爆殺された市長の殺害の動機と、誰が行ったかの調査である。操作先は必ず決める必要があり、捜査中は変更できないので慎重に選びたいところだ。
そして、基本的に部隊は一日単位で動いており金曜日に資金などの収入が(あれば)発生する。基地では各種装備の研究、部隊の装備管理、資金を使用しアイテムの購入などを行える。基地運営パートでは案件を行わない限りは時間が進むことは無いのでじっくり考えて次の運用を積極的に行うと良いだろう。
シティーマップを選ぶことで案件の選択となる。シティ31は9区画に分かれており、それぞれ治安も違う。これはXCOMシリーズ伝統の流れを継いだものとなっており、キメラスカッドが受けられる案件は基本1つである。Aという区画で案件を行った場合にBで案件があった場合はBの治安が悪化するという取捨選択になっている。更に加えてシティー全体の社会不安も別で計算されており、社会不安がマックスになったとき、無政府状態となり管理不能となってゲームオーバーとなる。
案件は事件とミッションに分かれており、1日毎に発生する。事件は部隊の出動を必要としないが、ミッションは部隊を出撃させて実際に戦闘指示を出さなくてはならない。部隊員は必ず最後まで4人固定となっており、所属しているエージェントを適時入れ替えて運用する必要がある。開始をクリックしない限り時間は進まないので時間はいくらでもかけられるのでじっくり時間をかけて準備しよう。
過去シリーズと違い、エージェントは自分のタイミングで補充できない。ゲーム開始は任意の4人(チュートリアルを行った場合固定)とランダムで選ばれた中から1人を選択できる。そのため、エージェントの能力の組み合わせは非常に重要な点になるため慎重に選びたいところだ。最終的には8人まで所属することになる。
ミッションに向かう4人を決めた後は実際の戦闘パートに移るのだが、ミッションは突入と戦闘パートに更に分かれており、必ず突入パートから開始し、案件によっては複数回繰り返す場合もある。更に突入する順番を指定しなければならないのだが、突入箇所によってはデメリットな効果を負う場合もあるため慎重にエージェントを突入させよう。
突入した直後はプレイヤー側が一方的に攻撃を行える。この際敵の状態には攻勢・警戒・驚愕という三段階に分かれている。攻勢の敵はエージェント全員の攻撃の後こちらに反撃を行なってくる。優先的に処理しよう。
その後、ランダム生成のマップに合わせて敵味方が配置され、右上のタイムラインに沿って1ターンずつ行動を行っていく。エージェントには固有のスキルと通常攻撃、近接攻撃が全員にあり、原則として攻撃を行うと次のターンへ移行する。ターン中はマウスでクリックした位置へ移動するが、上記画像の水色の線を超えて移動した場合は攻撃ができず次のターンへ移行する。そのため余程のことが無い限りは移動の際はできる限り水色の線の範囲で動くのが良い。
シリーズを象徴しているのが攻撃の命中率である。100%以外は一切信用できず、98%でも外すのがXCOMである。遮蔽物のカバーのほか、高所からの攻撃など敵もプレイヤーも双方にメリットデメリットがあるため無謀な行動を行うと手痛い攻撃を受けることになってしまう。有利なポジションをできうる限り取ることを心がけよう。
敵の攻撃を受けたりしてエージェントが倒れてしまった場合、死亡とはならず必ず一旦失血状態となる。過去作品と違い死亡することはないが、失血状態になると現在ミッションでは戦闘に参加できず、基地に戻った際に“スカー”という治療するまで永続的なデバフを負うことになってしまう。更には失血状態のまま治療せず放置して戦闘を進めると死亡した時点でゲームオーバーとなってしまう。
リーズナブルな価格だが、中身は過去作にも負けない中毒性
文字数の関係上説明をかなり省いた部分もあるが、スピンオフ作品でありながら過去作品にも劣らないリプレイ性を持っている。自動生成されるマップのほか、エージェントの組み合わせ、捜査対象・・・と要素を挙げていくだけでもキリが無い。難易度にもよるがクリアには最低でも数十時間はかかる。
しかしながら、過去作に比べると値段が非常に安く手軽に手を出しやすいのも大きなポイントだ。
更に本作品はMODにも対応しており既にワークショップでは様々なMODが登録されている。バランス調整であったり更に難易度を上げるものであったりとバニラ状態で楽しむだけ以上に様々な遊び方も模索できる。
現在世界中で猛威を振るうコロナには対抗するためにも、STAY HOMEで本作品をプレイしよう。人類にも、ゲームでもダイバーシティーには輝かしい未来が待っているはずだ。
「XCOM: Chimera Squad」の推奨動作環境は?
最低環境でもグラフィックの要件がGeForce 650相当、推奨ではGTX 980以上とCPU内蔵GPUではかなり厳しい。ミドルクラスのゲーミングPCは欲しいところだ。
「XCOM: Chimera Squad」
●Firaxis Games
●2200円(2020年4月24日リリース) ※価格は記事掲載時点のものです
対応OS Windows
ジャンル ストラテジー、ターン性戦略、ターン性ストラテジー、エイリアン、シングルプレイヤー
© 1994-2020 Take-Two Interactive Software, Inc. XCOM, Firaxis, 2K and their respective logos are trademarks of Take-Two Interactive Software, Inc. All rights reserved.
■著者:rate-dat
・Steamのプロフィールページ:Steam コミュニティ :: ratedat
・Twitter:@rate_dat
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります