株式会社ログラス 取締役CTO 坂本龍太氏
非効率な経営管理業務をGitHubのような形で改善できるSaaSができるまで
「データモデルファースト」の開発カルチャー
もうひとつ、ログラスの強みとしては、科目と部署のツリー構造を簡単に設定可能で、Excelやスプレッドシートで対応することが困難だった組織の変更や勘定科目の階層構造の変更もスムーズに行なうことができます。
例えば、月次、部署別、実績と予算の対比表など数十万のデータを一瞬で集計でき、会計ソフトの元データにさかのぼることもワンクリックで可能です。
Loglassの機能設計は、常にデータモデルの設計から始まります。それは、システムのデータモデル設計は将来のあらゆる機能開発の足を引っ張る技術的負債になりやすく、解消することが非常に困難なものだから。スピードが命であるスタートアップにとっては、非常に大きなリスクになりえます。
そのリスクを回避するために、ログラスでは必ずCFO・経営企画のドメインに詳しい弊社の代表(布川)や外部のスペシャリストを巻き込んで、DDD(Domain-driven design, ドメイン駆動開発)の手法を用いて、仕様と実装の一致を常に追求しています。
DDDを通じての設計で布川もデータモデルの知識を深め、「Loglassのデータモデル的にはこの機能は難しいですよね?」「こうすれば実現できると思うけどどうですか?」という会話から、エンジニアを巻き込んでホワイトボードでモデリングが始まる、というシーンもオフィスの日常風景です。
SaaSスタートアップだからこそ、大切にしたいカルチャーのひとつです。
*社内から創業エンジニアへのひとこと
スタートアップは技術だけで乗り切れるほど甘くない
非エンジニアの創業社長にとって、パートナーとなるエンジニアを見つけることは、創業期における最も困難な仕事のひとつです。
私は坂本に出会うまで50人以上のエンジニアと出会い、製品構想について説明してきました。しかし、Loglassを0から設計できる、共に改善していける、そして人間として強く信頼できるエンジニアにはなかなか出会うことができませんでした。
そうしたなかで、BtoB SaaSの経験が豊富で、人生における自己実現像を強く持ったエンジニアである坂本との出会いは、私の人生においては奇跡のような、素晴らしいものであることは言うまでもありません。
技術力だけを切り取れば、世の中には素晴らしいエンジニアが星の数ほどいることでしょう。しかし、スタートアップは技術だけで乗り切れるほど甘くはありません。坂本はどれだけ苦しい場面でも経営者として会社を支え、事業成長に寄与する採用や文化作りにも積極的に参加する優れた人物です。
彼と私が出会えたからこそ、今のログラスがあり、圧倒的に世界を変革する未来のログラスを創り出すことができます。
(株式会社ログラス 代表取締役CEO 布川 友也)
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