週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

キヤノンが本気でソニーαを追撃するフルサイズ・ミラーレスカメラ

キヤノンが8K動画ミラーレスカメラ「EOS R5」正式発表 = 手振れ補正もAF速度も世界最高 

2020年07月09日 21時00分更新



 キヤノンは7月9日、フルサイズ・ミラーレス一眼「EOS R」シリーズの新製品「R5」、「R6」とレンズ、アクセサリーを発表した。

 両機種ともキヤノン初のボディ内手振れ補正を内蔵し、世界最高の約8段の手振れ補正を実現。

 上位モデルのR5は、初の8K動画撮影機能を搭載しているのが大きな特徴で、予想価格は税込で50万6000円、7月下旬発売予定である。

EOS R5
キヤノンの「5」にふさわしい
「最高解像性能」ミラーレスで
8192×5464=4476万ドット

 キヤノンのEOSシリーズの最高峰は常に「EOS-1」であり、「5」はそのひとつ下のミドルクラスのハイエンドである。フルサイズミラーレスのRでも同様で、今回のR5/6は、初号機の「EOS R」と「RP」の上位モデルとなる。フルサイズ・ミラーレス一眼のジャンルで、ソニーαを追撃するための、キヤノン渾身の最新カメラなのだ。

 まず、R5だが、撮像素子は新開発の35ミリフルサイズCMOSで、4500万画素ながら、映像エンジンとレンズ性能を加味すると、EOS 5Dsの5060万画素を凌ぐ、「最高解像性能」を実現している。

 最大は縦横が3対2で8192×5464ドットの、合計4476万ドットである。

 センサーは、おなじみの「デュアルピクセルCMOS」で、位相差AFが可能で、常用感度は静止画で最高ISO5万1200、動画で2万5600、拡張ISOは各10万2400と5万1200。

 CMOSの読み出し速度の高速化とDIGIC Xの高速処理により、電子シャッターでAF/AE追従で、最高毎秒20コマの連続撮影を実現している。メカシャッターも新開発で、AF/AE追従で毎秒12コマの連写ができる。

 動画ではフルサイズレンズ交換式カメラとして世界初の8K動画(30P)の内部記録を実現している。8K動画はノンクロップで3540万画素(8192×4320ドット)あるので、毎秒30コマの高速連写機能としても有効だ。

 記録はCanonLog(10bit/HEVC/H.265)、HDR(10bit/HEVC/H.265)、RAW(12bit/CRM)(12bit/CRM)での記録が可能。MP4ではIPBのほか、切り出し適したALL-Iも可能。NTSCでは、29.97、24.00、23.98fpsで記録できる。8Kタイムラプス動画撮影機能も搭載している。

 8K動画のサイズはDCIではRAWで毎分18668MB、ALL-Iで9309MB、IPBで3373MBとなるので、容量256GBのカードではそれぞれ、13分、26分、72分の記録ができる。IPB以外ではCFexpressカードでの記録が必要となる。

 4K記録では、8.2Kのベイヤー情報から生成されるので、モアレや偽色、ジャギー、ノイズの少ない繊細な映像を得ることができる。

画像処理機能も進化
撮った後から
「顔ライティング補正」
「ポートレート・リ・ライティング」

 静止画では、EOD-1D X MarkIIIと同様に、HDR PQ記録が可能で、10bitのHDRにより、JPEGの最大4倍の階調でHEIFに記録することができる。

 デジタルレンズオプチマイザにより、EFとRFの両マウントレンズの光学補正が強化され、補正の「強め」指定が可能となった(毎秒12コマまで)。

 オートライティングオプチマイザでは、新たに「顔ライティング補正」を搭載し、顔のコントラストを補正することができる。

 撮像素子からのデュアルピクセル情報が付加された「DPRAW」データを用いて、撮影後に背景の明瞭度を変更可能。主被写体への影響を最小限にしたまま、背景のカスミを取ることが、5段階で指定できる。

 また、DPRAWの「ポートレート・リ・ライティング」機能によって、選択した人物の照明の照射方向や強さ、照射範囲を、撮影後に変更することもできる。

AFスピードは世界最速
ヒトの後ろ姿に
犬猫鳥も認識
 

 焦点を合わせる技術も新しくなり「デュアルピクセルCMOS AF II」という名称となった。測距エリアは縦横ともに最大100%となり、ディープラーニングによって、被写体認識能力も向上した。

 AF速度は世界最高の約0.05秒を達成し、また、開放F22でのAF撮影も可能。静止画測距輝度範囲は-6EV~20EVと広がった。

 EOS Rでは143分割だった自動選択時の測距エリアが、最大1053分割へと大幅に細密化。EOD-1D X MarkIIIに搭載しているAFアルゴリズムをさらに改善してR5に搭載し、被写体追従能力も向上している。

 被写体の顔・瞳検出では、ディープラーニングによって、後ろ姿の人の認識のほか、犬・猫・鳥の、全身、顔、瞳も検出しAFが可能となっている。

 手振れ補正機構は「協調制御IS」で、カメラボディとレンズそれぞれのジャイロセンサー・加速度センサーと、カメラのライブビュー映像からブレ情報を検知し、処理もカメラ側のDIGIC Xとレンズ側CPUが協調して、補正割合を計算する。

 手振れ補正機構を内蔵したRFレンズを装着した場合、世界最高の8段分の効果を発揮するという。

背面サブ電子ダイヤルで
EOSらしい操作性
CFexpress+SDのデュアルスロット
 

 ボディはマグネシウム合金で軽量化を図り、シャッターは新開発で、耐久性は50万回。起動時間もEOS Rの0.9秒から、0.4秒に高速化している。

 ボディサイズはRのW135.8×H98.3×D84.4ミリから、138.5×97.5×88ミリと、高さが0.8ミリ低くなり、奥行きは3.6ミリ大きくなっている。

 重さはバッテリー+カード装着時で660から738へと、78グラム重くなっている。バッテリーは同寸で1865mAhから2130mAhへと高容量化している。

 背面液晶は3.2型3:2比率で210万ドットとRと変わらないが、EVFは新しくなり、0.5型のOLEDで画面比率が4対3から3対2になり、解像度は369万から576万ドットと1.56倍に、表示速度も120Pと2倍のフレームレートになっている。アイポイントは23ミリ、倍率は0.76倍と変わらない。

 操作性は5DシリーズとRを融合したもので、背面液晶右にはサブ電子ダイヤルを装備した。ファインダー横にはマルチコントローラーを設置。レンズのコントロールリングも併用できるので、4つのダイヤルに機能を割り当ててカスタマイズが可能となる。

 記録媒体はCFexpress+SDのデュアルスロット、通信機能はWi-Fiが11ac/a/nを内蔵し、5GHzにも対応。image.canonをハブとして、全画像をクラウドに自動転送することが可能となっている。

 バッテリーは新型で、LP-E6Nと同サイズながら、容量は1865から2130mAhへ増強。縦位置マルチコントローラーを搭載した新型のバッテリーグリップも用意される。

EOS R6
2000万画素で4K動画撮影
センサー感度はR5に勝る
 

 R6が搭載しているのは、EOS-1D X MarkIIIのセンサーを改良した2000万画素センサーで、高感度のため静止画の常用が最高10万2400、動画はISO2万6500、拡張ISOはともに20万4800まで上がっている。最大画素数は5472×3648の1924万ドットとなる。

 低輝度の合焦限界はR5のEV-6よりさらに低い-6.5まで可能。ファインダー上クイックシュー右が、R5では液晶だが、R6ではモードダイヤルとなるほか、EVFの解像度が369万ドットの120P表示である。記録媒体はSDカード×2で、動画撮影は4K60P、無線LANは11n/g/bの2.4GHzのみ。

 サイズは138.4×97.5×88.4ミリとR5と微妙に異なり、重さは680グラムでR5より58グラム軽い。

 8月下旬発売予定で、参考価格は33万5500円。24-105mm F4-7.1とのキット参考価格は37万9500円。

同時発表のR用レンズは6本
超望遠があたらしい

 

RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM
9月下旬発売予定、参考価格36万8500円 最短撮影距離0.9m(100mm時)~1.2m(500mm時)と短いことと、1370グラムと軽量化を実現。

RF600mm F11 IS STM
RF800mm F11 IS STM
7月下旬発売予定、参考価格9万6800円、12万4300円。

 開放F値を11に抑え、小型、軽量を実現。600mmは930グラム、800mmは1260グラムで、沈胴型で持ち歩き時は約20センチと28センチにちじみ、撮影時には約27センチと35センチに伸ばして使う。DOレンズを採用して小型軽量化を実現している。手振れ補正は5段と4段を内蔵。

RF85mm F2 MACRO IS STM
10月下旬発売予定、参考価格8万3600円。 最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ撮影が可能。手振れ補正5段内蔵で、R5/6では8段となる。

EXTENDER RF1.4X/RF2X
今回発表の100-500mm、600mm、800mmで利用可能。7月下旬発売で、参考価格は6万9300円・8万2500円。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります