Wi-Fiのメッシュ化がもてはやされている理由
昨年あたりから注目されているメッシュWi-Fiとは、網の目(メッシュ)のようにWi-Fiを張り巡らせることで、どこからでも安定して通信ができる環境を目指したもの。以前にも電波の範囲を拡張させる「中継機」があったが、その発展型と考えてもよい。
中継機は、たとえばスマホを持ったまま部屋を移動したとき、親機から遠くに離れてもつながっている電波をつなぎ続けようとするため、ほかに電波強度の強い子機(中継機)があってもつなぎ直してくれない。このため、近くにあるWi-Fi機器へ自分で接続変更する必要もあった。
これが、メッシュWi-Fiだと、電波が弱くなると自動的に強い電波へ切り替わるので、室内を移動しながらでも途切れにくい。たとえば、スマホを使いながら部屋を移動したとしても、弱い電波をずっと引きずって利用するのではなく、すぐに強い電波、より速い接続へと切り替えてくれる。複数台のWi-Fi機器を設置してもSSIDは1つなので、接続を変更する必要はまったくない。
今回紹介する「WN-DX1167GREX」も、そんなメッシュWi-Fiの1つ。しかも、買ってすぐにメッシュWi-Fi環境を構築できるよう、親機「WN-DX1167GR」と子機「WN-DX1300EXP」がセットになったお買い得モデルだ。単体でも販売されているが、その場合は親機と子機との設定が必要になってくるため初期導入としてはめんどう。セットで購入することで、ペアリングの初期設定の手間を省けるのだ。
本製品は、あらかじめペアリング済みになっているため、すでに設定が完了しているところが最大のポイント。買ってきてすぐに親機をモデム(ルーター機能付き含む)へ接続し、子機をコンセントへ差し込むだけで設置が完了する。
ただし、アクセスポイントとして接続したりIPv6 IPoE接続方式の場合は、本製品が自動で判断してくれるので、設定画面を表示すら必要なく利用できるが、PPPoE接続方式の場合は、親機の設定画面でIDとパスワードを入れる必要がある。
Wi-Fiルーターというと、設定画面を覗いて色々設定するという習慣になっている筆者だが、本製品は画面を表示することなく本体や同梱されている紙にSSIDと初期パスワードが書かれているので、それを見ながらiPhone 11 ProのWi-Fi設定をしただけ。WindowsなどでWPSに対応している場合は、WPSボタンを押すことで自動的に設定してくれる。
ルーターとしての機能も紹介すると、Wi-Fi 5(IEEE802.11ac/n/a/g/b)に対応し、親機「WN-DX1167GR」はギガビットLANポートを4つ、WANポートを1つ搭載。サイズはスタンド込みで約150(W)×83(D)×157(H)mmと、ルーターとしてはとてもコンパクトな設計になっている。
2.4GHz帯と5GHz帯の送受信用アンテナが2本内蔵されていて、アイ・オー・データ機器おなじみの「360コネクト」技術により、あらゆる方向へまんべんなく電波が届くため、本体の向きなどは考えなくてもよい。
最大2台の端末と同時接続が可能なMU-MIMO機能にも対応。各アンテナの電波の位相を調整することでより安定した通信を可能にする「ビームフォーミングW」機能も搭載。ビームフォーミングに対応していない端末でも、同様の効果が得られる仕様となっている。
また、バンドステアリング機能も搭載しているので、2.4GHz帯が混んでいる場合は、5GHz帯へ誘導してより快適に使えるようになっている。
さらに、ネットを安全に利用できるよう、ネットフィルタリング機能やペアレンタルコントロールも可能。アクセスポイントでの利用でもフィルタリングを適用できるので、どんな接続環境でも安心だ。端末ごとに、利用できる時間帯やサイトアクセス制限を指定できるので、端末側にアプリを入れて設定する必要がない。
子機「WN-DX1300EXP」は、サイズが約130(W)×54(D)×114(H)mmで、コンセントへ直接差して利用するタイプ。2.4GHz帯と5GHz帯の送受信用アンテナが2本内蔵されて、「360コネクト」技術によりムラなく電波が届くのは親機と同様だ。
子機は単体でも販売されており、親機に対して最大2台接続できる。もし本製品でも電波が弱い部屋が発生する場合は、単体商品(WN-DX1300EXP)を1台追加導入することで、より電波の範囲を広げられる。
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