2年前の高性能ノートPCよりも
クリエイティブ作業が約1.7倍も高速!
さて、ではお待ちかね気になる性能を各ベンチマークソフトなどを使ってチェックしていきたい。まずは定番のCPUベンチマークソフトであるCINEBENCH R20とPCの総合性能を計測するPCMark 10でCPU性能をチェック。参考値として、インテル第10世代の最新CPU「Core i7-10710U」(6コア/12スレッド)を搭載した某社のノートPCの数値と比較。使用している場所や検証時期も異なるため、あくまで参考値として欲しい。
マルチスレッドのスコアーは2451ptsと、デスクトップCPUの第3世代Ryzen 5 3500(6コア/6スレッド)に匹敵するスコアー。ライバルの6コア/12スレッドとスレッド数では勝るはずのインテル「Core i7-10710U」が2200~2300pts台(もちろんPCによっても異なる)といったところだったので、それよりも勝っている。シングルスコアーも同様で、Ryzen=シングルスレッドのスコアーが低いというのは、もはや定説になり得ない。
PCMark 10の総合スコアーは4710。よりハイエンドなHシリーズのRyzen 4000シリーズのスコアーには劣るが、それでもかなり高いスコアー。画像・動画製作などクリエイティブ系の性能である「Digital Content Creation」のスコアーが4339と、やや低めだったが、アプリ起動やブラウジングの性能を計測する「Essentials」が9028、オフィスアプリ作業などを計測する「Productivity」が7262とモバイルノートPCとしては、かなり高いスコアーをマーク。ビジネス用途でも快適に使えそうだ。
ストレージは、M.2接続でNVMe対応の高速なSSDを備えている。そのため、同じSSDでもSATA接続のSSDや、HDDなどよりも何倍も高速で、その分PCの起動やアプリの起動速度に関わる。そこで、これまた定番のベンチマークソフト「CrystalDiskMark 7.0.0」にてストレージの速度を計測した。
計測結果はシーケンシャルリード毎秒3566MB、シーケンシャルライト毎秒2985MBとまずまず。PCIe4.0のSSDほどではないが、2.5インチのSATA接続のSSDなどよりも何倍も速いので、そうしたSATA接続のSSD、HDDのPCから乗り換えた場合、PCやアプリの起動時間がとても早く感じるはずだ。
次に写真編集では定番の「Adobe Lightroom」にて、解像度6000×4000ドットの132枚のRAWデータを写真を追加して全て読み込まれるまでの読み出し時間と、品質100%のフルサイズJPEGファイルに書き出した際の時間を計測。今回は、筆者がメインで使っている2018年4月にマイクロソフトが発売した15インチの「Surface Book 2」と比較。
Surface Book 2はCPUにインテル第8世代「Core i7-8650U」(4コア/8スレッド、1.9~4.2GHz)、GPUにGeForce GTX 1060、16GBメモリーを搭載する。感度の高い「Surface Pen」やデジタル作業に向く「Surface Dial」といった付属品も用意され、当時は多くのクリエイターが購入したクリエイティブ用途に優れた製品だ。
結果はHP ENVY x360 13の方が読み込み速度で2倍以上、書き出し速度で約1.7倍という圧倒的な差が生まれた。Surface Book 2の方は、発売日に購入し、今まで酷使してきたので、そうした購入時よりも動作が重くなった差もあるだろうが、それでも早い。
次によくAMDの発表会でも使われる定番の無料動画変換アプリ「HandBrake」を使い、動画の変換速度を比較。4Kで録画した約5分のゲームプレイ動画をプリセット「YouTube HQ 1080p60」を使い、H.264とH.265の両方で出力した際の処理時間をそれぞれ計測した。
結果は図版のとおり。こちらも約1.7倍くらいの差が生まれた。そのため、数年前に購入したPCの動作が遅い、今のPCはローエンドなCPUを搭載し、写真や動画の編集作業がとてつもなく遅い、と不満を覚えている人にもオススメできる。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう