ロート製薬とウェザーニューズは6月29日、ウェザーニューズが提供する業界一の高解像度過去気象データ及び独自の体感指数とロート製薬が保有するヘルスケアに関するデータ(商品データ)を掛け合わせたところ、消費・購買行動の傾向に一定の方向性を見出したと発表した。
ロート製薬とウェザーニューズは、気象を軸に両社の強みを活かしてきめ細かいヘルスケアを提供していくことを目的に、2020年3月より協業を行なっている。今回の実証研究では、ウェザーニューズ提供する1kmメッシュの高解像度過去気象データ(気温・降水量・天気・湿度・気圧・風速・風向・日射量)および独自の体感指数と、ロート製薬の3商品(①基礎化粧品、②皮膚薬、③漢方薬)の店舗ごとの出荷データを掛け合わせ、気象条件が購買に及ぼす影響を分析。
気温等の気象要素に加えて使用した独自の「体感指数」では、ウェザーニューズに寄せられるユーザーの体感報告と天気・気温・湿度・風速などの過去の気象データの分析結果から「暑い」「寒い」「ちょうどよい」などの10段階で人の体感を指数化している。例えば、同じ気温でも、北海道と沖縄では暑さや寒さの感じ方が異なり、このような地域特性も反映したデータとなっている。
店舗ごとに存在する出荷データに対し、従来よりも細かい1kmメッシュの気象データおよび消費行動に直結する「体感指数」を掛け合わせることによって、1kmメッシュや店舗ごとの購買傾向の特徴がより明瞭に確認できたという。
基礎化粧品の出荷データについて、気象データとの相関を分析したところ、東京都においては気温が下がると購買が上昇する、気温と購買の負の相関が見られた。1kmメッシュで詳細に分析すると、東京都の中でも、メッシュごとに気温が商品の購買に及ぼす影響が大きく異なることがわかったという。また、1kmメッシュ内において店舗ごとの相関を見てみると、同じ1kmメッシュ内においても、店舗によって気温による購買傾向が異なることが確認できたとする。
皮膚薬の出荷データについて、体感指数との相関を1kmメッシュで詳細に分析することで、体感が購買に及ぼす影響がより明瞭に確認できたという。同じ東京都の中でも、あるエリアでは体感指数が上がると購買も上昇する正の相関が見られる一方で、体感指数が上がると購買が減少する負の相関が見られたエリアがある。また、正の相関が見られる1kmメッシュ内においても、店舗ごとに相関の強さが異なることが確認できた。
漢方薬の出荷データについて、体感指数との相関を分析したところ、1kmメッシュのエリアごとに体感が購買に及ぼす影響に大きな違いが見られた。体感指数が上がると購買が上昇する正の相関が見られるエリアと、負の相関が見られるエリアが隣接していたり、隣接するエリアでも相関の強さが異なるなど、1kmメッシュの高解像度で分析することで、エリアごとの特性がより明瞭に確認できたという。
今後は、新型コロナウイルスの影響も加味し、他の商品データや対象エリアの拡大、リアルタイムの気象データも取り入れながら、気象要因で発生する心身の変調に関する実証研究を継続していくとしている。
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