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「フリマアプリで収入」が定番化した10代、新しい収益源についても前向き

高校生は「お小遣いが足りなかったらフリマアプリで何か売る」が新常識!?

2020年07月07日 09時00分更新

「フリマアプリで収入」が定番化

 10代の若者たちはどのように収入を得ており、収益を得るための新しい手法についてどのようにとらえているのだろうか。デジタルネイティブ世代は、大人世代とはお金に対する姿勢も少々異なるようだ。

 15~19歳の学生を対象としたSMBCコンシューマーファイナンスの「10代の金銭感覚に関する調査2020」(2020年4月)によると、10代の収入は「お小遣いのみ」が37.0%、「お小遣い以外の収入がある」は42.0%だった。ひと月あたりの収入額の構成比は、「お小遣いによる収入」が17.3%、「アルバイトによる収入」が78.5%、「その他の収入」が4.2%となっている。

 アルバイト以外による収入についてさらに聞いたところ、「フリマアプリ(メルカリなど)で収入を得る」は「している」が18.5%、「していないが、したいと思う」は41.9%で合計60.4%と6割以上が前向きにとらえていた。なお、前向きだったのは男性(52.8%)より女性(68.0%)のほうが多かった。フリマアプリを使ったお小遣い稼ぎが若者の間で定着しつつあることがわかる。

 フリマアプリを利用して収入を得ている人に、アプリによるひと月あたりの収入金額について聞いたところ、「1000円未満」(29.7%)、「1000円~2000円未満」(28.6%)が多かったが、「5000円~1万円未満」も14.6%おり、平均は2942円だった。なお、男女別に見た平均は男性4471円、女性2012円と、男性のほうが2459円高かった。

 「お小遣いが足りなかったら、フリマアプリで何か売る」と多くの大学生が言う。「要らないものでお小遣いがもらえるのもいいし、喜んでもらえるのもうれしい」。ポイントサイトなどで休み時間などにお小遣い稼ぎをする子も少なくなく、スマホでスキマ時間にお小遣い稼ぎが当たり前となっているようだ。

新しい収益方法についても前向きな10代

 一方、「動画配信アプリ(YouTubeなど)で収入を得る」は1.4%、「ライブ配信アプリ(17LiveやSHOWROOMなど)で収入を得る」も1.4%、「SNS(Instagramなど)で収入を得る」は1.5%と実際に収入を得ている人は多くはないが、それぞれの「していないが、したいと思う」と前向きにとらえている割合は2~4割と高い。

 収入を得る方法として興味や関心は高い一方で、不用品を売るだけでいいフリマアプリとは違い、動画配信アプリやライブ配信アプリ、SNSではコンテンツが求められるため、ハードルが高くなっているということだろう。

 なお、10代のキャッシュレス決済事情について聞いたところ、キャッシュレス決済を「している」は29.6%、「していないが、したい」は40.1%で、計69.7%と約7割が前向きだった。若者たちは新しいことに対して全般的に許容度が高く、前向きにとらえているのだ。

 ただし、メルカリは個人間取引になるのでトラブルが発生する可能性もある。心配なことがあったら運営会社や保護者に相談するよう伝えてほしい。また、動画配信アプリやライブ配信アプリ、SNSなどに出した情報は削除などが難しくなるので、顔など個人情報を出す場合はくれぐれも注意して使う必要があるだろう。

 社会の経済状況が上向きではなかったなか、コロナ禍で悪化が進んでいる。若者たちはお小遣いはある程度自分で稼ぐものと考えて工夫しているようだ。大人たちも見習えるところがありそうだ。

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著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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