コンパクトな軽規格のスポーツカーであるHondaのS660。その全高は1180mmと、同種のスポーツカーであるダイハツのコペン(1280mm)はおろか、現行NSXの1215mmよりも低いものです。そんなS660の車高をさらに下げられるのか? 下げるとどうなるのか、というのが今回の話です。
車高を下げるとカッコいい!
そもそもの事の発端は、S660を納車し暫く経ってからのこと。横から見た時、全高は低いのに、地面との隙間、つまり最低地上高は思いのほか高いように見えたのです。そこでちょっと調べてみると125mm。実はホンダのセダン、インサイト(130mm)とそう変わらないのです。さらに調べるとトヨタ86GRやスズキのスイフトスポーツの方が5mm低く、前出のNSXやダイハツのコペンより15mmも高いではありませんか。
地上高が高いことは、駐車場やガソリンスタンドなどで苦労することなく「普段使いにピッタリ」なのですが、一方で「低い方がカッコイイ」と思うのも確かにあります。そう考えるうちに「シャコタンにしたい!」という物欲が頭をもたげ……。購入して約1年後、サスペンションの交換と相成りました。
一般的にサスペンションは、クルマの乗り心地や姿勢に大きな役割をはたします。その構造は、おおまかにバネとダンパー(ショックアブソーバー)で構成されています。走行中の車のバネは、路面からの入力を受けて縮み、元に戻ろうとして伸び上がる動きを繰り返します。 ダンパーは、バネの上下運動を収束させる一種の抵抗器のようなもの。サスペンションの中には、ダンパーの抵抗値(減衰力)を自由に変化できる商品もあります。車高を低くする場合、バネを短い物に交換すれば事は足りるのですが、サスペンションまで手に入れてしまえば、調整次第で自分好みの乗り心地を手に入れることができる、というわけです。
交換したサスペンションは、日本を代表するチューニングメーカー「エッチ・ケー・エス」(以下、HKS)のHIPERMAX Ⅳ GTというモデル。S660用には、究極のストリートダンパーと謳うマックスⅣ GTと、その改良モデルであるマックスⅣ GT 20スペック、そしてサーキット走行を視野にいれたマックスⅣ SPという2モデルが用意されています。サーキット向けのモデルは乗り心地が硬くなるそうなので、今回は究極のストリートダンパーという響きを信じ、マックスⅣ GTを選んだ次第です。20スペックは、残念ながら購入した時には設定されていませんでした……。
マックスⅣ GTは、フロント51mm、リア56mmまで車高を下げることができ、デフォルトではフロント22mm、リア28mmのダウン量に設定されています。あまりに下げると普段使いに問題が出てきそうですので、まずはこのままの値で取り付けることにしました。取り付けた後も調整は可能です。
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