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カオナビHRテクノロジー総研のリモートワーク実態調査第3弾

リモートワーク継続希望者は51.7% 部下の有無・性別で回答の割合に差異も

2020年06月24日 16時00分更新

 カオナビは6月24日、同社の研究機関「カオナビHRテクノロジー総研」が実施した、「リモートワーク」の実態に関する調査レポート第3弾を発表した。

 本調査は「リモートワークの未来」に焦点を当てたもの。20代~60代の自由業を除く、かつ従業員数10名以上の会社に勤めている「毎日リモートワーク」もしくは「週に2~3日出社し、そのほかはリモートワーク」をしている人300名を対象に、5月1日~5月7日の期間に実施した。ウェブ上でリモートワークについての質問項目に選択・記述式で回答してもらい、回答結果を集計して差異や傾向を抽出した。

 リモートワークの継続希望を調査したところ、「続けたい」が51.7%(「続けたい」28.7%、「やや続けたい」23.0%)となり、半数以上がリモートワークの継続を希望していた。一方、「続けたくない」は16.0%(「やや続けたくない」6.0%、「続けたくない」10.0%)で、2割を下回る結果となった。

 回答者の属性によっては継続を希望する割合に若干のギャップが生じている。リモートワークを続けたくないと回答した割合は、部下をもたない人は10.7%だったのに対し、部下を持つ人は23%(5人に1人)という結果だった。

 部下の有無以外に、性別でも差異が生じた。男性(「続けたい」49.4%)と比較して、女性(「続けたい」63.3%)の方がリモートワークの継続を希望する割合が13.9ポイント高い結果となった。同様に「続けたくない」と回答した割合も男性(17.5%)に比べて、女性(8.2%)の方が9.3ポイント低いことも判明した。

 「リモートワークが継続することになった場合の、組織としての懸念」に関する調査では、39%が「人材育成が難しくなる」、32%が「業務の進捗が遅くなる」、28.3%が「売上や達成率等の成果を維持しづらくなる」と回答。

 本調査はリモートワーカーの主観的な懸念を聞いたものであるため、割合の多い回答だから重要な組織課題である、とは必ずしもいえない。しかし、それらの懸念については従業員に当事者意識が芽生えていることが分かり、これらの組織課題が残り続ければ従業員の不安や不満につながる可能性が伺えるとのこと。また、これらの課題は「マネジメント上の課題」とも言い換えられ、マネージャーはそのプレッシャーを感じてリモートワークをネガティブに評価しているとも考えられるという。

 「リモートワークに役に立った、役に立ちそうな施策」についての調査では、「オンライン会議ツールの導入・活用(40.0%)」がほかの回答を大きく上回った。

 次点は「特になし(24.7%)」という結果。選択肢に挙げたITツールが利用できなかった時代には、携帯電話やノートパソコンなどの最低限の機器でリモートワークをしていた人も存在していた。リモートワークを可能とする条件は、本質的にはツールの整備だけではなく、マネジメントやそれに付随するルール、コミュニケーションの在り方などに潜む「こうするべきだ」「こうするものだ」というこれまでの常識を、改めて問い直すことが求められている状況が伺えるとしている。

 3位の「ワークフローツールの導入・活用(22.3%)」から、6位の「タレントマネジメントツールの導入・活用(21.0%)」までは、「業務アプリケーションツールの導入・活用」に関する回答が並んだ。業務進捗スピードや成果を維持するため、まずは出社していた時の業務遂行を再現できるよう、ツールを整備して欲しいというニーズが明らかになったといえる。

 カオナビHRテクノロジー総研の研究員である齊藤直子氏は、計3回実施してきたリモートワークの実態調査によって明らかになったポイントとして、以下の5点を挙げている。

 1.リモートワーク実施率
 ・リモートワーカーは全国的には少数派で、首都圏 / IT業界 / ホワイトカラー / 大企業に多い

 2.リモートワークの評価
 ・多くの人のリモートワークをしてみた実感は「働きやすいが、生産性が落ちる」
 ・多くの人がリモートワークは「継続したい」

 3.リモートワークのメリットとデメリット
 ・リモートワークの主なメリットは「時間や心身のゆとり」、デメリットは「セルフマネジメントの難しさ」
 ・「社内コミュニケーションの減少」をメリットと捉えるか、デメリットと捉えるかは人それぞれ

 4.リモートワークの課題
 ・リモートワークは生産性が低下し、コミュニケーションも取りにくいため、部下を持つマネージャーにとっては難しい「マネジメント上の課題」である
 ・長期的には「人材育成」「業務進捗スピード」「成果維持・創出」という課題をリモートワーカーは懸念している

 5.リモートワークに必要な施策
 ・オンライン会議ツールの導入は、リモートワークではもはや必須である
 ・業務アプリケーションツールも、最低限整備されている必要があると推測される

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