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“スマホで授業を受けた経験あり”が半数超え

コロナ禍休校で6割が教育格差意識、ポイントは「オンライン授業」

2020年06月23日 09時00分更新

臨時休校中の関心はオンライン授業

 全国で小中高校が再開され、学校生活が戻ってきた。休校中によく話題にのぼったオンライン授業の意義と問題点について見ていきたい。

 全国の17~19歳男女を対象とした公益財団法人 日本財団の18歳意識調査「学校教育と9月入学」(2020年5月)によると、休校で最も困ったことは、「学業」が37.4%でトップに。続いて「友達とのコミュニケーション」(20.3%)、「受験や進学・就職」(17.8%)となった。

 休校中の対応としてオンライン授業を実施した学校があったが、これに関して困ったことは多かったようだ。「初のオンライン授業に戸惑った」「ネット環境が悪く授業が受けにくい」「実技科目が多くオンラインではなかなか授業ができない」などの声があった。

 「休校措置で教育格差を感じることがあるか」という質問に対しては、58.6%と約6割が「はい」と回答。格差を感じる理由は、オンライン授業がある学校とない学校があること、休校の学校と再開されている学校があること、ネット環境や学校以外での学習機会の差などが挙げられていた。

 なお、休校による学習遅れの打開策について聞いたところ、トップは「オンライン授業を増やす」(52.5%)。続いて、「夏休みなど長期休暇を減らす」(38.8%)、「9月入学導入で卒業時期を延期する」(25.9%)などだった。

 今回の臨時休校での不満も改善点も、ポイントは「オンライン授業」ということになりそうだ。

メリットもデメリットもあるオンライン授業

 そもそもオンライン授業がないところも多いが、受けられても教員側が慣れていないため質が保たれていないとか、生徒側の環境が整っていないなどの問題もあった。

 LINEリサーチの調査でも、大学のオンライン授業・学習で利用するデバイスは、「ノートパソコン」が75%でトップだったが、「スマートフォン」も57%いるなど、スマホの小さな画面で授業を受けた経験のある子が半数以上にのぼった。Wi-Fiなどのネット環境が整っていない学生も多かったという。

 オンライン授業は、講義を生で配信するライブ形式、撮影された講義を視聴する録画形式、資料が配布される自習形式の3パターンが多かったようだ。ZoomやLINE、Google Meet、Microsoft Teamsなど、色々なサービスが利用されたという。

9月まで無料で使えるGoogle Meet

Office 365連携が強力なMicrosoft Teams

 オンライン授業を受けた学生によると、メリットとデメリットの両方を感じたようだ。メリットには、「録画なら後で見返して復習などに使える」「チャットで質問しやすかった」「ながら見ができるので時間が効率的に使えた」などの声があがった。

 一方、デメリットとしては、「集中力が続かない」「ネット環境が悪いとかサーバーの混雑具合などで見られないことがあった」「実技教科がやりづらく、他の学生の作品を見たり、刺激を受けたりできない」などがあった。

 課題も多く残したオンライン授業だが、今後も休校になる可能性はあり、学びを止めないためには対応できるようにしておく必要があるだろう。学校側はオンライン授業ができる準備を整え、学生側も受講できる環境を整えておきたい。塾などオンライン授業に対応したところは多く、オンライン化が進むことは間違いないので、家庭でもぜひ環境を整えてあげてほしい。

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著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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