10代の3割は「SNSの返信が面倒」
中学生までに7割がスマホを持つがSNS疲れも10代が最多
動画を見るためにスマホが欲しい10代
今どきの10代はいつごろスマホを持ち始め、どのように利用しているのだろうか。2020年最新の実態を見ていきたい。
「『LINEやTikTokがしたいからスマホがほしい』と言われている」「『無料でゲームができるからスマホを買って』と言われた」などと小中学生にスマホをねだられている保護者の話はよく聞く。実際は、いつからどの程度所持しているのだろうか。
高校生を対象としたLINEリサーチの「高校生のスマホ事情」(2020年4月)によると、自分のスマホを持った時期は、小学生以下が17.2%、中学生以下が52.2%、高校1年生が28.2%だった。中学生までにおよそ7割が自分のスマホを持ち始め、遅くとも高校1年生までに持つのが一般的となっている状態だ。スマホを持ち始める時期が低年齢化していることがわかるだろう。
ふだんスマホでよくしていることは、女子高校生の場合「動画を見る(YouTubeやTikTokなど)」が69.3%でトップ。続いて「友だちやフォロワーのSNSをみる」(47.9%)、「友だちとメッセージをやり取りする」(45.0%)、「ゲームをする」(38.0%)などとなった。
一方、男子高校生は「動画を見る」(74.6%)がトップなのは同じだが、続いて「ゲームをする」(67.7%)、「友だちやフォロワーのSNSをみる」(37.5%)、「友だちとメッセージをやり取りする」(36.1%)となった。
女子高校生はSNS、男子高校生はゲームにはまる傾向があり、それが一番の違いとなっている。ただし最近のゲームは友だちと交流しながらプレイできるものも多いため、交流目的で利用しているユーザーもいそうだ。
スマホ疲れの原因は「SNS」
携帯市場の「平成最後の“スマホ疲れ”アンケート調査」(2019年2月)によると、「脱スマホやスマホ断食をしたくなるときがありますか?」という質問に対して、10代は「ある」が48%だった。これは、年代別で最多であり、続いて20代が44%となった。
スマホ疲れにつながる原因は、全年代で「SNSの返信が面倒」が最多に。続いて「バッテリーの消耗」「インターネットやゲームのしすぎ」「個人情報漏洩への不安」となった。
年代別で見ると、「SNSの返信が面倒」は10代、20代で約3割を占め、特にSNSが10代20代の若者を悩ませていることがわかる。けれどもスマホがない生活は考えられないという10代は多く、スマホが必要だが同時に悩みのタネにもなっている。
世界が狭い10代にとって、友だちの存在はとても重要だ。SNSのやり取りひとつでトラブルやいじめにつながることもある。人間関係を保つためにSNSを利用しなければならないことも多く、負担となっているようだ。
SNSはあくまで楽しみのために利用するものだ。疲れを感じたらたまにはSNSを休むことも必要だ。友だちとは、SNS以外でのコミュニケーションを心がけるといいだろう。周囲の子どもたちにスマホやSNSとのうまい付き合い方をアドバイスしてあげてほしい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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