FRONTEOは6月12日、独自開発の自然言語処理AIエンジン「KIBIT(キビット)」を活用し、児童虐待の兆候を早期に検知するためのソリューションの提供を開始した。
KIBITは、過去の例や経験者の勘・感覚といった「暗黙知」をもとに選んだ文書を“教師データ”として与え、文書の特徴を学習させることで、その判断軸に沿って見つけたい文書を効率よく抽出するというAIエンジン。教師データが少量であっても、大量のデータを軽量な動作で短時間のうちに解析し、仕分けることを特徴としている。
昨今、児童虐待の問題は急増する相談件数への対応も大きな課題の一つとなっているという。同社は、AIによって大量のテキストを解析し、企業の業務の高度化を進めてきた実績を生かし、急増する児童虐待の相談対応件数の課題に対応するソリューションを、AIを活用して実現できると考えた。
KIBITを活用した児童虐待の予兆を早期に検知するソリューションでは、数ある相談記録や面談記録などから実際に児童虐待と認定された相談内容や重篤化したケースの相談内容を教師データとし、ベテランの児童福祉司や相談対応者の判断軸を学ぶ。そして、自治体や児童相談所で受け付けた虐待に関係する可能性がある相談記録や家庭訪問での面談記録のテキストを解析。KIBITは教師データの文章に類似度が高い文章から順番に並べ替えることができるため、相談対応者は早期に対応が必要な可能性のある重要な記録から順に確認していくことが可能。これにより、児童虐待の可能性があるケースを見逃すことなく、早期対応を支援することで、相談対応業務のAIによる高度化を実現するという。
また、本ソリューションは各自治体や児童相談所のニーズに合わせた設計が可能で、抽出したい判断軸を調整することで、児童虐待に関する相談内容を受け付ける、さまざまな段階に応じた設計ができる。
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