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他の自治体が活用できるよう、サービスのオープンソース化も検討

新型コロナ/定額給付金、神戸市はたったひとりの職員が1週間で、申請状況確認サイトを構築

2020年06月11日 09時00分更新

縦割りの対応をAIが変える可能性も

 神戸市では、2018年度~2020年度まで、働き方改革に取り組んでいる。また、デジタルを行政サービスに利用する動きも加速しようとしている。だが、久元市長は、「行政サービスの取り組みや利用者本位のサービスの実現が、民間企業に比べて遅れているのは間違いない」とし、「日本マイクロソフトとの今回の協定を通じて、生産性向上やサービス向上を図りたい」とする。

 例えば、問い合わせ対応へのAI活用がそのひとつだ。

 「市民からの問い合わせや照会に対して、電話を取った職員が必ずしも100%的確に答えられるわけではない。民間企業が提供しているサービスは限られているため、その範囲において、適切な対応が可能だが、行政の難しいところは、幅広い業務を担当していること、それらが相互に関連している点である。ここに、AIを使ってもっと高度化できる可能性がある。AIを活用することで、複数の行政分野に渡る質問にも、チャットボットで対応できるようにしたい」と期待を寄せる。

 日本マイクソロフトとの連携では、データ連携基盤に関する項目が盛り込まれているが、これを活用することで、問い合わせに対するサービスの高度化も図ることができるだろう。

 神戸市の久元市長は、「複数の行政サービスでデータを連携させることで、それぞれの業務やサービスの生産性向上と、行政サービス全体の生産性向上、市民の満足度の向上につなげることができる」とする。

 そして、「令和の時代は間違いなくテクノロジーが進化する。神戸市の目標は、テクノロジーの進化に人間が支配されるのではなく、テクノロジーの進化を市民が享受し、人間らしい、人間スケールの街を作ることである。その点で、世界的なテック企業である日本マイクロソフトと包括連携協定を結べることはありがたい。日本マイクロソフトと神戸市は共通した方向性を持っている。協定を通じて、市民サービスの高度化、行政サービスの生産性の向上につなげたい」と語る。

 自治体とIT企業との新たな連携体位性が、緊急時における迅速な対応の実現と、平時における市民の満足度向上へとつながることになる。

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