週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

5G時代の小型高性能カメラスマホ「HUAWEI P40」海外版を香港で使い倒す

2020年06月04日 10時00分更新

5Gの高速通信対応
LINEが使える利便性向上の今後に期待

 HUAWEI P40は5Gに対応しており4Gを超える高速なデータ通信が利用できる。NR方式のバンドは n1/n3/n28/n38/n41/n77/n78/n79と各国で展開されているSub6の周波数はほぼカバー。ミリ波には対応しないものの、ミリ波のサービスがまだ先のことからしばらく困ることはないだろう。香港で実際に5Gの速度を試したところ、平均で400Mbps、最大で600Mpbsを超えた。また上りも100Mpbs前後と高速で、ライブ配信を行なう際にも5Gは有用だ。

香港キャリア、中国移動香港の5Gテスト。下りは600Mpbsを超える

 SIMカードは2枚利用可能で、片側にはSIMカードと同じ形となるファーウェイ開発のメモリカード「NMカード」が利用できる。microSDカードは年々高容量化と価格引き下げが続いているが、NMカードは今となっては割高感が強く、最大サイズも256GBしかない。後から本体のストレージ容量を増やそうと考えている人は、microSDカードが使えないことを理解しておいたほうが良い。

コンパクトなSIMカードスロットは上下にカードを装着する方法

 なおNMカードを装着するとSIMカードは1枚しか使えないが、P40シリーズはeSIMにも対応しているため、1枚目を物理SIMカード、2枚目をeSIMカード、そしてNMカードをストレージ拡張用に装着する、ということもできる。物理SIMカードとeSIMカードの切り替えは設定メニューで、さらにQRコードを読めばeSIMカードをセットできる。

eSIMにも標準対応している

【まとめ】ハードの性能は申し分ナシ!
最大のネックはGMS非対応な点

 このようにハードウェア性能は申し分の無いHUAWEI P40だが、気になるのはGoogle純正アプリが利用できないことである。ファーウェイ独自のスマートフォンサービス「HMS」(Huawei Mobile Services)を採用しているため、標準のアプリ一覧を見ても見慣れたアイコンは見当たらない。ブラウザーもChromeではなくファーウェイ独自のものが搭載されている。

HUAWEI P40標準のアプリ

 アプリケーションも独自のストア「AppGallery」が搭載されており、ツールやゲームなど多数のものが用意されている。しかし海外でメジャーなアプリの対応はまだ少なく、日本人にとっては「LINE」にようやく対応してくれたことでHMS対応スマートフォンを購入する希望の光が見えたところだろう。

AppGalleryにLINEが登場したのが日本人にとっては救い

 ブラウザー経由でGoogleマップやFacebook、Twitterなども利用できるが、アプリではないためアプリ間連携もできず、使い勝手は今ひとつ。特に地図アプリの搭載が早急に求められる。ファーウェイは「Here」と提携し、Hereの地図アプリを搭載する予定とのこと。

ブラウザーからFacebookなどが利用できるものの、使い勝手は悪い

 業界をリードする高性能なカメラやSoCを搭載しているファーウェイのP40シリーズ。Googleアプリが搭載されていないことから、日常的にメインのスマートフォンとしては使いにくいところが最大の欠点となる。メジャーアプリのAppGallery対応をとにかく急いでほしいものだ。

 なお価格はヨーロッパで799ユーロ(約9万5000円)だが、筆者の購入した香港では4998香港ドル(約6万9000円)、またシンガポールでは1048シンガポールドル(約8万円)となっている。5000万画素カメラと5Gに対応するKirin 990を搭載するモデルと考えれば、10万円を切る価格は破格と言えるだろう。

 Pシリーズに限らず、ファーウェイ製端末はアプリをどこまで拡充できるかが今後各国で販売する上での大きな鍵となるだろう。

「HUAWEI P40」の主なスペック
メーカー ファーウェイ
ディスプレー 約6.1型有機EL
画面解像度 1080×2340ドット
サイズ 約71.1×148.9×8.5mm
重量 約175g
CPU HUAWEI Kirin 990
(オクタコア)
内蔵メモリー 6/8GB
内蔵ストレージ 128/256GB
外部ストレージ HUAWEI NMカード(最大256GB)
OS Android 10(EMUI 10.1)
無線LAN IEEE802.11a/b/g/n/ac(2.4/5GHz対応)
カメラ アウトカメラ:約5000万画素(広角/F1.9)
+約800万画素(望遠/F2.4)
+約1600万画素(超広角/F2.2)
+ToFカメラ
/インカメラ:約3200万画素(F値2.0)
バッテリー容量 約3800mAh
FeliCa/NFC ×/○
防水/防塵 ○/○(IP53)
生体認証 ○(画面内指紋、顔)
USB端子 Type-C
カラバリ Silver Frost、Blush Gold、Deep Sea Blue、Ice White、Black
 

山根博士のオフィシャルサイト

「スマホ好き」を名乗るなら絶対に読むべき
山根博士の新連載がASCII倶楽部で好評連載中!

 長年、自らの足で携帯業界を取材しつづけている山根博士が、栄枯盛衰を解説。アスキーの連載「山根博士の海外モバイル通信」が世界のモバイルの「いま」と「未来」に関するものならば、ASCII倶楽部の「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」は、モバイルの「過去」を知るための新連載!

 「アップルも最初は試行錯誤していた」「ノキアはなぜ、モバイルの王者の座を降りたのか」──熟練のガジェットマニアならなつかしく、若いモバイラーなら逆に新鮮。「スマホ」を語る上で絶対に必要な業界の歴史を山根博士と振り返りましょう!

→ASCII倶楽部「スマホメーカー栄枯盛衰~山根博士の携帯大辞典」を読む

ASCII倶楽部は、ASCIIが提供する会員サービスです。有料会員に登録すると、 会員限定の連載記事、特集企画が読めるようになるほか、過去の映像企画のアーカイブ閲覧、編集部員の生の声を掲載する会員限定メルマガの受信もできるようになります。さらに、電子雑誌「週刊アスキー」がバックナンバーを含めてブラウザー上で読み放題になるサービスも展開中です。

→ASCII倶楽部の詳細はこちらから!

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事