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GWに発売されたばかりの富士フイルム「X-T4」で黒猫を撮る

2020年05月18日 12時00分更新

バリアングルモニタを開いて腕を伸ばして塀の上でねそべってるクロネコを。逆光だったので+1の補正で。こういうときのために猫瞳AFをつけてください、富士フイルムさま。2020年5月 富士フイルム X-T4

物欲は自粛不可能!
富士フイルムの新型ミラーレス一眼「X-T4」を買っちゃった!

 今年のGWはみなさまいかがお過ごしで……って聞くまでもないわけだけど、そんなGWに発売されたカメラが1台だけあるのである。それが富士フイルムの「X-T4」だ。

 てなわけで久々の新製品デジカメで猫を撮る特集、いきます。

ずんぐりしたファインダー部のでっぱりと上面にずらり並んだダイヤルがたまらないX-T4。シリーズ初のボディー内手ブレ補正搭載

 X-T4は富士フイルムの主力ハイエンドミラーレス一眼で、メカダイヤルを多用した昔ながらの操作性と、バリバリの高性能デジタルと富士フイルムならではの画作りが合体したカメラなのだが、今まで足りなかった「ボディー内手ブレ補正」が搭載されたのである。

 カメラを手にして撮りに出かけたのは、最近お気に入りのご近所黒猫。地元の人しか通らないような狭くて古い道沿いで、仲良く散歩してる老夫婦が「クロちゃん」と読んで眺めてたるくらいこのあたりの人なじみの猫である。

 これが人なつっこいのだけど媚びないというなかなかの強者。いつもはこんな感じで人から離れたとこで寝てる。

道路より一段低くなったところに誰も住んでないっぽい(けど夜になると玄関灯がつく)家の庭があり、そこで寝てることが多い。2020年4月 富士フイルム X-T4

 道路からしつこく呼んでるとしょうがないなあって感じでとことこと歩き出し、もう何年も開けられてないじゃないかという錆びた門戸の向こうにひょっこり登場。ちゃんと猫にピントが合うよう、スキマから両目が見えるよう微妙にアングルを調整して撮るのである。不用意にシャッターを押すと門戸の方にピントが来ちゃうからね。

錆びた門を挟んでクロネコと見つめあうの図。身体を見るとちょっと茶がまじってる。2020年4月 富士フイルム X-T4

 良い猫だ。いつもの場所にいないなあと思ってキョロキョロしてると、遠くから歩いてきてくれることもある。でもこの日はちょっと様子が違って、道路の向こう側へ行ったきり戻ってこないのだ。

道路の向こう側は広大な敷地を持つ旧家。この辺の地主さんというか、昔からの農家なんだと思う。その前で舌だし黒猫。2020年5月 富士フイルム X-T4

 そのうちくるだろうとカメラを構えていると、視界の外から犬登場。ファインダーを覗いてたので気づかなかったー。

猫が気になる犬。まったく無視してる猫。犬の方にピントを合わせてみた。2020年5月 富士フイルム X-T4

 面白いことに犬が鳴いてもまったく意に介さず。逃げるでもなく睨むでもなく。でも犬の方は猫にご執心。黒猫は「しつこいなあ」という目でじろっと睨んだのであった。

今度は犬をじろりと睨んだ猫にピントを持っていってみた。フォーカスポイントをさっと動かせる機能は猫撮りに欠かせない。2020年5月 富士フイルム X-T4

 どうやらこれはいつものことで、飼い主もこの黒猫をよく知ってる様子。犬の方はといえば、吠えるでもなく威嚇するでもなく、どうも猫にちょっかいをかけたくてしょうがないといった風。でも飼い主にリードを引っ張られていやいや去っていったのであった。いやあ、面白かった。

名残惜しそうに後ずさりしていくの図。こうしてみると、猫の方が上に立ってる感ありますな。2020年5月 富士フイルム X-T4

 道行く人にも散歩する犬にも愛される黒猫。ちゃんと耳がカットされてるので去勢もされ、近所の人に世話してもらってるのだろう。

 そして犬がいなくなったあと、旧家の塀に器用に飛び上がり、高所でくつろぐのであった(冒頭写真)。あ、X-T4の話してないや。まあ、ダイヤルを回せば瞬時にセッティング変えられるし(猫が動き出したと思ったらシャッタースピードを咄嗟にぐっとあげるとか)、AFも速くて正確だし、あとは猫認識AFだ。ファームアップで追加してもらえないだろうか、と思いつつ、新しいカメラは楽しいですな。

 それまで使ってたX-T2とデザインや操作感は変わらないのだけど、レスポンスの良さやファインダー像の安定感(これはボディ内手ぶれ補正のおかげ)が全然違う。背面モニターがチルト式からバリアングル式になったのが猫撮りには残念だけど(チルト式の方が瞬時にモニターを跳ね上げられるので地面の猫を猫目線で撮るときチャンスを逃さないのだ)、それ以外は素晴らしいデキ。

 買って良かった(つまり、買ったらしい)。

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筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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