テレワークでの会議やZoom飲みなど、新型コロナ発生前と比べてZoomを使うことが飛躍的に増えた。もちろんZoomだけではなく、「Google Meet」「Microsoft Terms」「REMO」「Spatial.chat」、はてはオンライン飲み会専用だという「たくのむ」といったオンライン会議サービスが隆盛だ。
そんな中、あることに気づくだろう。
「良い音質の人と悪い音質の人がいる」ということに。
オンライン会議をしたとき、相手の声がガビガビだったり妙に反響していたりすると聞き取りづらく、大事な話を聞き逃すまいと神経を集中させるのでちょっと疲れてしまう。だからといって相手に「音が悪いから改善して下さい」と言ってもすぐに解決するものでもない。そもそも、自分の音質は自分ではよく分からないのだ。
はたして自分は音質が悪い側に入っていないだろうか? まずは音質が悪い原因について説明する。そして、音質を向上させるための施策を、録音時の環境とZoomでの録画後の処理、この2つの観点から提案しよう。
うわっ! 私の音質、悪すぎ……?
声の音質が悪い原因は、大きくふたつ
- 周囲の雑音や反響音が大きすぎる
- マイクの性能が低すぎる
それでは、順番に解説してみよう。
雑音や反響音の正体とは
これは相手にとって必要な音である「声」に対して、不必要な音である「雑音」や「反響音」がどれだけ大きいかで、音質の善し悪しが決まる。
たとえば道路工事の現場からZoomするとか、反響しまくる風呂場の中でZoomすることを想像してみるとお分かりだろう。
それは図にするとこのようなものになる。
今時のオンライン会議システムは、微少な雑音ならカットしてくれる。そのため普通の部屋レベルの環境だと雑音を気にする必要はない。
気をつけるべきはむしろ「残響音」のほうだ。たとえば、以下のような声があったとする。
スタジオのような残響音の少ない環境だと、綺麗な波形になる。しかし、Zoomの会議に使うような場所の大半は、何かしらの残響音がマイクに入る。
上の図はだいぶ誇張した波形だが、ピンクの部分が残響の成分だ。実際、鉄筋コンクリート住宅で硬い壁があったり、フローリングの床があるような環境だと、残響音は大きめになる。
ここで、マイクが拾った声と残響音の音量バランスが問題になる。残響音が多めの部屋でも声が大きく録れていれば残響音は目立たなくなるが、声が小さいと残響音は目立つ。
声を大きく録るにはマイクに口を近づけることだ。しかし、ウェブカメラやノートPC、スマホなど、カメラとマイクが一体になっている環境だとどうしてもマイクが遠くなる。そうすると声の音量が稼げず、どうしても残響音を拾ってしまう。
残響音の問題を解決するには、残響の少ない環境に移るか、マイクを別途用意して音量を稼ぐかのどちらかとなるが、日本の住宅事情もある中で残響の少ない環境に移ることはあまり現実的ではないため、マイクを別途用意することを考えたい。
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