月間の平均歩数が激減していた
iPhoneの「ヘルスケア」アプリを知っているだろうか。Apple Watchを使っている人は、連携するので意識しているかもしれないが、iPhoneだけ使っていると、存在を気にしていない人も多いかもしれない。
というか私がそうで、基本的な機能は知っているものの、ほとんど活用していない。普段は忘れている状態に近い。
しかしふと思い立って開いてみた。なぜ開いてみたのかは分からない。気まぐれだ。そうしたところ驚きの事実が発覚した。
今年に入ってから、平均歩数がまさしく右肩下がりなのである。1月の歩数は1万142歩。2月は6597歩。3月になると3920歩。そして4月は2762歩である。
1月は1週間以上CES 2020の取材へ行っていたため、信じられなくらい歩き回った。1万142歩という数字は、去年の平均をも上回っている。健康的だ。
ところが2月になると、なかばあたりから、ウイルスの影響で、外に出かけるタイプの仕事がなくなった。3月も外での取材はなし。そして4月になると、緊急事態宣言により、必要なことがなければ外には出ないというスタイルになってしまった。
こうした事情で、私の月間平均歩数は信じられないくらいに落ち込んでしまったのだ。
仕事は完全に家でしているので業務上は歩く必要がない。2762歩というのは、私の生活スタイルでは、家から遠めのスーパーマーケットまで時間をかけて歩いて帰ってくる歩数の半分くらいである。つまり、この歩数によって、2日に1回くらい出かけて行くスーパーマーケットが、私の生活のすべてであるということが証明されてしまっている。
街の様子は様変わりしていた
以前であれば運動不足を感じたら、電車に乗り、二駅、三駅離れたところで降りて、当てもなく歩き回るという遊びをしたものだが、いまの社会情勢では、そういうこともしない方がよさそうだ。
悩んだ結果、その日の0時頃、私は薄いコートを着て、iPhoneだけを持って外へ出た。駅のメイン通りへつながる国道の近所に住んでいるので、以前は時間帯を問わず、常に車の走る音が聞こえたものだが、この頃は車の通りもまばらである。
15分程度歩くと繁華街がある。このあたりは以前なら、夜中でも酔った人や、若干ワルの入っている10代などが時折うろついていて、あまり夜は歩きたくなかったのだが、いまは彼らもいなくなってしまった。ステイホームなのかもしれない。
そんなこんなを考えながら、ひたすらに歩いていくと、いつの間にか歩くことに夢中になって歩いていて、最寄駅より、隣駅から歩いた方が近いエリアに差し掛かっていた。「そろそろ引き返すか」と家に戻る方向に歩き始めたところ、パトカーがゆっくりとした動作で後ろから近づいてくるのがわかった。
私の脇を通り過ぎるときに一瞬スピードを緩めたので、「うわ、話しかけられたら嫌だな」と思ったが、そのままスピードを上げて去っていったので安心した。
なんで話しかけられたら嫌なのかというと、悪いことをしているからというわけじゃなくて、集中して歩いているときに話しかけられると、散歩のクオリティーが下がるからなのである。
7〜8分に1回くらいは、私と同じように散歩をしているらしき人や、ジョギングをしている人とすれ違うのだが、向こうも明らかに、「あ、あの人も俺と同じ感じで、夜中にフラフラ散歩してるっぽいな」と思っているのが伝わってくる。お互いの目線の具合で伝わるのだ。そのくらい人がいない。
iPhoneのヘルスケアアプリは便利だ!
街灯や集合住宅の明かりは結構あるから、真っ暗というわけではないのだが、静まりかえった夜の街を歩いていると、スーパーマーケットへ行くときには気づかなかったことに気づいた。自粛で引きこもっているあいだに、すっかり季節が春になっているのである。
空き家が潰されて売地になっているところに、雑草が死ぬほど生い茂って真緑になっている。小さな虫が飛んでいる。風が生暖かく、夜でもシャツ1枚で過ごせそうな気温になっている。
春といえば過ごしやすく、楽しみなイベントも多く、春の訪れを楽しみにしている人は多いものだ。厳しい冬の寒さが緩んで春になる季節ことが一番好きだと言う人も多いだろう。しかし今年は悲惨な春になってしまった。夜の散歩をするくらいしか、外に出かけられないなんて。とも思うものの、それぞれがそれぞれの事情で困っていると思うし、励まし合いながら最善を尽くすしかないのである。
などと考えている内に、帰宅した私は、iPhoneのヘルスケアアプリを開いてみた。なんと、8648歩もの歩数を稼ぐことに成功していたのである。時刻は1時20分を過ぎていた。
Apple Watchは持っていなくても、iPhoneのヘルスケアアプリを日頃から見ていると、日々の歩数が把握できるので、運動不足の解消に役立つ。
このアプリのすごいところは、iPhoneに内蔵されているコプロセッサーによって、iPhoneをポケットに入れているだけでも、かなり正確な歩数が記録されるところだ。使ったことがない人は、ぜひ使ってみよう! もちろん、新型の発売で話題のiPhone SEでも利用可能だ。また夜の街を歩くときは、可能な限り明るい道を選び、周りの様子に注意し、少しでも危ないと思ったらやめておこう。
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