週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

オリンパス「OM-D E-M1 Mark II」を持って半径500mのひとり猫散歩に出る

2020年04月29日 12時00分更新

黒猫が目の前を横切ろうとしたので咄嗟にiPhoneで撮影。予想外に完璧なタイミングで撮れたので冒頭に持ってきたのであった。うにょんと伸びている姿も目付きも最高。2020年4月 アップル iPhone 11 Pro

灯台もと暗し! 近所にこんな猫がいたなんて!

 新型コロナ禍で前代未聞の外出できないGWに突入しようという今日この頃。ふらふらと遠くに猫撮影に行くことはできず(この1ヵ月で1度しか電車乗ってないし)、何ができるかと考えたとき、昔の写真を整理する、飼い猫を撮る、健康維持ついでの散歩にカメラを持っていく、の3つが思い浮かんだのである。

 そこでここ3回ほど昔の写真を出してきたのだけど、そればっかでも飽きるので、近所の人と出会わない裏道をひとりで歩きながら猫に出会う話でもしようかと思う。我が家から半径500m圏内の話。買い物ついでにカメラを持ち、普段は使わない道を使ってゆっくり遠回りしてみると、今まで気づかなかった猫と会えたのだ。

 この猫なんてまさにそう。近所にこんなハチワレがいるとは知らなかった。周辺視野を意識して歩くのは大切である。

歩いてたら目の端に不自然な白さを発見。ちょこんと座ってるハチワレだった。たぶん、外気を吸いに来た飼い猫だ。2020年4月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 灯台もと暗しとはよく言ったもので、歩き慣れたはずの近所はいつも同じ道を通りがち。こういうときこそ普段のルーティンをはずしてみるべし。ひとりでゆっくり周囲を感じながら周辺視野を使いつつ、人通りが少ない裏道を散歩すると思わぬ発見があるものである。

 歩いていると大きな駐車場がある。こういうところに猫がいたりするんだよなとチラリと見ると、ちょっと奥にちょこんと猫。こっそり撮影しようと手前に止まっていた車の下から狙ってみた。なんか盗撮っぽいけど、というか盗撮だよな。猫盗撮。許せ。おかげで、ちょっとサスペンスっぽい感じに。

車の下からこっそり猫。可動式モニターならではのアングルだ。猫にはばれてるっぽいけど。2020年4月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 いつもとは違う道といっても、ただランダムに歩いても面白くない。わたしはiPhoneに明治時代の地図を表示して当時から残る道を辿るのが趣味である。昔の道沿いにはデカい旧家のお屋敷があったり、保存樹木の札が下がった大木が残ってたり、地図にも載ってないような小さな神社があったり、路傍にお地蔵様が残ってたりする。そしてそういう古い場所には猫が似合うのである。

 実はそこに猫がいるのを知ったのは今月のこと。写真の通り、道路より1段下がったところであり、塀の影に隠れて死角になってて気づきづらいのだ。

廃屋に見える雨戸が閉まった家の庭は猫に取って安全な場所。道路から死角になりやすい場所で黒猫がくつろいでた。2020年4月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 以降、少し遠回りしてそちらの道を歩くようにしてる。でも今日はいつもの場所にいない。おかしいなと立ち止まってあたりを見ていると「にゃあ」と声がする。振り返るとこちらへとことこと歩いてくるではないか。よかったよかった。

鳴きながらやってくる黒猫。とっさにしゃがんで撮影。左耳がカットされているのがわかる。どうやら鍵しっぽっぽい。2020年4月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 こうして道行く人におねだりしてるのかも。そして塀に飛び乗り、わたしが這いつくばらなくてもいいようこちらの目の高さに来てくれる。プロの街猫だね。だがしかし、なぜかこっちを見てくれない。ずっと右手の方を気にしてる。

塀の上の黒猫。後ろの家はいつも雨戸が閉まっており、使われてはいないが維持はされているという感じ。猫にはありがたい。2020年4月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 そして、急に道路に飛び降りると、たたたっと渡り、向かいにある旧家の塀に逃げたのだ。

咄嗟にシャッターを切ったらこんなカットが撮れてた。垂直の壁を走ってるみたい。さすが猫。2020年4月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 なぜ急に? 気になって彼が見ていた方に目をやると……いた。めちゃボスっぽい顔の猫。もう見るからにジャイアンな猫が黒猫にじっと睨みを効かせてるではないか。

こっちを睨んでるチャシロ発見。かなりの迫力でした。2020年4月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 ああ、あの人なつこい黒猫はこのボス猫に嫌われているのだ。「あの黒猫め、人間に媚びやがって」とか思われてるのだ。人間界も怖いけど猫界もおそろしや。

 逃げた黒猫は塀の上を伝ってさらに離れ、塀から飛び降り、わたしの前を横切ってボス猫から見えないところへ向かったのである(冒頭写真)。そして、安心してしばし休憩したので、わたしも這いつくばって撮影。ペロッと出した舌を取りたいなと超高速連写したら、予想以上の巻き舌が撮れたので満足。めちゃ巻いてます。猫の舌は器用だ。

黒猫の超巻き舌。黒い毛にクルンと巻かれたピンクの舌が映える。2020年4月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 やがてボス猫の姿も消え、黒猫は安心してトコトコと、ボス猫が居た場所とは反対方向に歩いてどこぞの家のガレージに入っていったので、わたしも道草ばかり食ってないで買い物に向かわねばと立ち上がると、ぷぎゃあと響き渡る叫び声。

 驚いてかけつけると影から黒猫が全力で飛び出して逃げていくではないか。何があったのかとそっと覗き込むと、怖い顔をしたさっきのボス猫がいたのである。ひぃぃ。まさかそこにいるとは思わず、うかうかと近づいちゃったのね。

 そしてよく見ると、そのボスの口元から黒い毛の固まりが顔を出し、左目の上にはさっきはなかった傷がついている。瞬時の大喧嘩だ。

顔が日陰になっててわかりづらいけど、口元から黒い毛が覗いており、目の上には小さな傷が。そしてボス猫の顔が迫力ありすぎ。2020年4月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 いやあびっくりした。猫社会も大変だなあと思いつつ、気を取り直してスーパーへ買い物にいったのであった。

■Amazon.co.jpで購入
 

筆者紹介─荻窪圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事