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平面型ヘッドホン入門、3万円台から買えるハイエンドヘッドホンの近道

2020年04月27日 13時00分更新

SUNDRA

 最近の“平面磁界型ヘッドホン”隆盛の立役者でもある、HIFIMANの普及モデル「SUNDARA」の価格が、4月8日に改定されて3万4800円(税抜)となった。

 古くから平面磁界型ヘッドホンに興味を持ってきたものとしては、この価格で平面磁界型ヘッドホンが購入できる状況には、感嘆を禁じえない。これを読まれている方も“平面磁界型ヘッドホン”“全面駆動型ヘッドホン”という言葉を聞いたことがあると思う。価格の高さからなかなか手が出ないが、興味はあると思っている方も多いと思うので、平面磁界型ヘッドホンについて簡単に説明していきたいと思う。

1. 平面磁界型ヘッドホンとは何か

 平面磁界型とか全面駆動型などのさまざまな名前があるが、形式としては同じものを指している。ヘッドホンは振動板を動かして音を再生するが、その振動板全体で振動するタイプのヘッドホン設計を平面磁界型、または全面駆動型と呼んでいる。海外ではカジュアルにPlanar(プラナー、つまり平面のやつという意)とも呼ぶ。

 平面型には大きく分けて、磁気で振動板を動かす“平面磁界型”と、静電力で振動板を動かす“静電型”に分けられる。後者の代表格は国産のSTAXである。ただしこのタイプは静電力を生むための特別なヘッドホンアンプ(STAXではドライバーと呼ぶ)が必要になる。

 前者のタイプでは、特別なヘッドホンアンプを必要としないため、利便性が高く、いまでは一般に平面型というと、平面磁界型を指すことが多い。平面磁界型はアイソダイナミック(等磁力型)などとも呼ばれる。かつてのヤマハでは、オルソダイナミクス型、フォステクスではRP(レギュラーフェイズ)とも呼んでいる。

フォステクス T60RPのパターン

MEZE Empreanのパターン

 設計としては平たい振動板の大部分にコイルがめぐらされ、それをマグネットでサンドイッチしているものが多い。このコイルのパターン(文様)にも各社の創意工夫があって差別化ポイントになっている。例えばMEZEでは、周波数と耳の位置によって異なるパターンを採用し、フォステクスではジグザクのパターンで効率を高めている。

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