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日本のお家芸「超軽量モバイル」への挑戦状なのだ

ExpertBook B9 実機レビュー = 駆動時間もキーボードも大満足の世界最軽量ノートPCだった

2020年05月07日 11時00分更新

 ASUS JAPANは5月7日、14型フルHD液晶搭載モバイルノートPC「ExpertBook B9」を発売した。最大の特徴は軽さで、14型ノートPCとして世界最軽量クラスの870gボディーを実現している。

 しかも軽いだけかと思いきや、33WHrバッテリー搭載だと870gで15.1~16.0時間、66WHrなら995gで29.8~31.5時間のバッテリー駆動時間を達成し、かつMIL-STD 810Gのミリタリーグレードの耐久性を備えているという。

 フルHD液晶ディスプレーしか選べないこと以外は、お世辞抜きで、スキのないマシンに仕上げられている。実機を借用したので、モバイルノートPCとしての使い勝手にスポットを当ててレビューをお届けするぞ!

ASUS JAPAN「ExpertBook B9」税込み13万9800円~

33WHrバッテリー搭載モデルの実測重量は861.5g。カタログスペックの約870gを軽々クリアーしている

このスペックのPCが
13万9800円で購入できるなんて!
 

 一般販売向けに用意されているのは6モデルである。第10世代(Comet Lake)のCore i5-10210UにRAM8GB/SSD512GBで33WHrバッテリーを搭載する下位モデルのお値段はなんと税込みで13万9800円だ。RAMが16GBになると19万4800円となる。

 Core i7-10510UにRAM16GB、SSD 1TB、33WHrバッテリーでは21万9800円。すべてで66WHrバッテリーを搭載するモデルがあるが、お値段は変わらずで、合計6モデルだ。

 OSは「Windows 10 Home 64bit」で、「Microsoft Office Home and Business 2019」が全モデルに付属する。このスペックのマシンが、税込み13万9800円から購入できるのだからコスパは非常に高い。

 ディスプレーは14型フルHD液晶(1920×1080ドット)で輝度300cd、sRGBカバー率100%、NTSCカバー率72%、ノングレアで、画面占有率94%の4辺ナノエッジ仕様となっている。なお外部ディスプレー接続時は最大3840×2160ドットで表示可能だ。

 ワイヤレス通信機能はWi-Fi 6(IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax)、Bluetooth 5.0に対応。有線LANネットワークには、同梱の「microHDMIイーサネットアダプター」で接続する。

 生体認証システムとしては、Windows Hello対応の顔認証と指紋認証をサポート。また盗難防止用のケンジントンロックスロットも装備されているので安心だ。

今回は、Core i7-10510U/RAM 16GB/SSD 1TB/33WHrバッテリー/Win 10 Proという構成のモデルを試用した

軽量性と堅牢性を両立する
マグネシウムリチウム合金を採用

 ExpertBook B9の本体サイズは320×203×14.9mm、重量は33WHrモデルが870gで66WHrモデルが995gだ。

 堅牢性と軽量性を両立するために本製品に使われた素材が、マグネシウムアルミニウム合金より38%強く、16%軽いというマグネシウムリチウム合金。天板と底面パネルにこのマグネシウムリチウム合金、キーボード面にマグネシウム合金を採用することで、MIL-STD 810G準拠の落下、耐震、高温、低温、高度テストをクリアーするタフネス性と、14型で世界最軽量のボディーを実現しているわけだ。

 インターフェースは、Thunderbolt 3×2、USB 3.1 Type-A Gen2、HDMI、microHDMI(microHDMIイーサネットアダプター用)、3.5mmヘッドセットジャック、ケンジントンロックスロットを用意。Thunderbolt 3端子は、充電、映像出力、最大40Gbpsの高速データ通信に対応している。

 ACアダプターはThunderbolt 3端子に接続する専用品「ADP-65SD B」が同梱されており、33WHrモデルは60%まで39分、100%まで約2.2時間、66WHrモデルは60%まで49分、100%まで約2.8時間で急速充電可能だ。

本体天面。天面と底面はマグネシウムリチウム合金が採用されている

本体底面。吸気口は比較的小さめ。プロセッサーは吸気口の下に配置されている

本体前面(上)と本体背面(下)。ディスプレーは机に置いたまま指一本で開閉可能だ

本体右側面に3.5mmヘッドセットジャック×1、USB 3.1 Type-A Gen2×1、ケンジントンロックスロット×1、本体左側面にThunderbolt 3×2、HDMI、microHDMI(microHDMIイーサネットアダプター用)×1が配置されている

4mm狭額ベゼル仕様により、画面占有率は94%を実現。ディスプレー上部には92万画素Webカメラ、IR(赤外線)カメラ、ノイズキャンセリング機能を備えたクアッドアレイマイクが内蔵されている

14型フルHD液晶の輝度は300cd/平方m、sRGBカバー率は100%、NTSCカバー率は72%。モバイルノートPCとしては標準以上の色域が確保されている

キーボードのキーピッチは18.75mm、キーストロークは1.5mm、キートップ中央部くぼみは0.15mm

天板は20工程、底面パネルは21工程の加工を経てようやく完成する

本体以外に、ACアダプター、電源ケーブル、microHDMIイーサネットアダプター、専用スリーブ、説明書類が同梱される

ACアダプターの長さは実測約180cm、電源ケーブルの長さは実測約90cm

ACアダプターの型番は「ADP-65SD B」。仕様は入力100-240V~1.5A、出力20V/3.25A、15V/3A、9V/3A、5V/3A、容量65W

ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測約311g

microHDMIイーサネットアダプターの重量は実測約15.1g

スリーブケースは専用だけにぴったりサイズ。スリーブケースの重量は実測約201.4gだ

細かな使い勝手にもこだわりあり
キーボードの打鍵感も良好だ

 ExpertBook B9は細かな使い勝手にもこだわって設計されている。ディスプレーを開くとキーボード面に適度な傾斜が付くエルゴリフトヒンジを採用したうえで、最大展開角度を180度に設定。0~180度の間でディスプレーの角度を自由に調整可能だ。

 キーボードは防滴対応で、1000万回の打鍵テストをクリアーしているとのことだが、なにより打鍵感自体が非常に良い。軽量ボディーながらしっかり剛性が確保されており、強めに打鍵してもたわみはほとんど感じない。

 今回試用して気に入ったのが「NumberPad2.0」。タッチパッドにテンキーが浮かび上がる機能だが、左上のマークから右下にスワイプすると電卓を起動できる。ちょっとした計算をしたいときに一瞬で呼び出せるので非常に便利だ。

 システム管理ポリシーが厳しいオフィスで歓迎されそうなのが「microHDMIイーサネットアダプター」の仕様。MACアドレスはExpertBook B9本体内のチップに記録されているので、万が一アダプターをなくして買い換えた場合でも、新たにMACアドレスを登録する必要はない。

 BIOS設定画面は初心者向け、上級者向けにモードを分けたグラフィカルなユーザーインターフェースが採用されている。ASUSのマザーボードを使ったことがある方なら、マニュアルを参照しなくても自分好みに設定を変更できるはずだ。

開くとヒンジ側が持ち上がるエルゴリフトヒンジを採用。145度開いたときにキーボード面の傾斜が5度になるように設計されている

ディスプレーは最大180度まで開けるので、対面に座っている人が画面を見ながら打ち合わせなどができる

キーボードは防滴性能を備えており、また、1000万回の打鍵テストをクリアーしている

キーボードバックライトは3段階で調整可能

ダイビングボード構造を採用した「NumberPad 2.0」を搭載。右上のマークをタップするとテンキーが出現して、左上のマークをタップすると明るさを2段階で調節できる。また左上のマークから右斜め下にスワイプすると電卓を起動可能だ

有線LANケーブルを接続する際にはmicroHDMIイーサネットアダプターを使用するが、MACアドレスは本体内のチップに割り当てられている。システム管理者はあくまでもExpertBook B9自体を管理すればいいわけだ

Webカメラ横のスイッチをスライドすれば物理的に映像を遮断可能だ

起動時にF2キーを連打すると、グラフィカルなBIOS設定画面を呼び出せる。これは初心者向けの「EZ Mode」で、Main、Advanced、Boot、Security、Save & Exitとグループ分けされた上級者向けの「Advanced Mode」も用意されている

ベンチマークテスト
33WHrモデルで実際に測定したら
バッテリー駆動時間は余裕で11時間越え

 薄型、軽量、長時間駆動を追求した ExpertBook B9だがパフォーマンスもいい。CPUベンチマーク「CINEBENCH R20」のCPUスコアは1762 pts、CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15」のCPUスコアは724 cbをマーク。

 3Dベンチマーク「3DMark」のTime Spyは497、Fire Strikeは1244と、Uプロセッサー搭載ノートPCとしては良好なスコアだった。

 ただし、Core i7-10510Uの内蔵グラフィックスは「インテルUHDグラフィックス」だ。内蔵グラフィックスが格上の「インテルIris Plusグラフィックス」の「Core i7-1065G7」を搭載するノートPCと比べると、特に3Dグラフィックス性能が見劣りする点には留意しておこう。

 一方、PCI Express 3.0 x4接続のSSDを搭載しているだけに、ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(Q8T1)は3505.43MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)は2386.48MB/sというトップレベルのスコアを叩き出している。OS、アプリの起動、大容量データの読み書き速度に大いに貢献してくれるはずだ。

 さて最後に驚かされたのがバッテリー駆動時間。バッテリーベンチマーク「BBench」で、ディスプレー輝度50%、バッテリー残量2%までという条件でテストを実施したが、33WHr搭載モデルでも11時間14分動作したのだ。つまり、66WHrモデルであれば計算上約22時間28分動作することになる。

 ExpertBook B9には利用するアプリによってリフレッシュレートを可変させる「Panel Self Refresh Technology」が導入されている。一般的な用途であれば33WHrモデルで約半日利用可能だが、もし66WHrモデルを購入したなら1泊2日の出張でACアダプターがなくても困ることはなさそうだ。もちろん寝ないなら話はべつだが……。

ベンチマークはファンモードを「Turbo」に設定して実施している

CPUベンチマーク「CINEBENCH R20」のCPUスコアは1762 pts

CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15」のCPUスコアは724 cb

3Dベンチマーク「3DMark」のTime Spyは497

Fire Strikeは1244

ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 7.0.0」のシーケンシャルリード(Q8T1)は3505.43MB/s、シーケンシャルライト(Q8T1)は2386.48MB/s

物欲で選ぶZenBook Duo
理性で選ぶExpertBook B9
 

 今回、2画面ノートPC「ZenBook Duo」と ExpertBook B9を同時に借用したのだが、どちらを購入するか非常に悩ましい。斬新なスタイルという点ではZenBook Duoに軍配が上がるが、ExpertBook B9にはモバイルノートPCに必要な要素が高い次元で組み合わされている。

 本記事冒頭で唯一の欠点として挙げたフルHDディスプレーも、バッテリー駆動時間を長くするためのあえての選択として納得できる。

 物欲で選ぶZenBook Duo、理性で選ぶ ExpertBook B9というのが筆者の結論で、どちらを買っても失敗ない逸品なのである。

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