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高価格帯へのシフトと海外展開が成功 好業績のシャオミ

2020年04月21日 17時00分更新

 昨年末に日本進出を果たしたシャオミ。2019年の売上高は18%増の2058億人民元(約3兆1000億円)となり、初めて2000億人民元の大台に乗った。主力のスマートフォン事業が半分以上を占めるが、成長率はスマートTVなどのIoTとライフスタイル事業が上回っている。海外からの比率も順調に増加しており、総じて成長戦略が成功していると言えそうだ。

国内参入の発表会の写真。同社は“スマホメーカー”ではないことを繰り返しアピールしている

海外での売上比率が半分弱に
ライフスタイル事業の成長率が高い

 2019年のシャオミの売上高は、2018年の1749億人民元から17.7%の増加となった。営業利益は前年比883%増の117億6020万人民元(約1780億円)となったが、純利益は前年比25%マイナスの101億人民元。調整後の純利益は、34.8%増の115億3230万人民元だった。

 内訳として、スマートフォン事業は同年1221億人民元を売り上げ、全体の売り上げの6割程度を占めた。前年比からは7.3%の増加となる。総出荷台数は前年比30%アップの3260万台に達した。

 背景として、高価なフラッグシップブランドのXiaomiと安価なRedmiのデュアルブランド戦略がうまくいったことを挙げている。シャオミは高価格帯へのシフトを進めており、2019年のASP(平均販売価格)は2.2%増加したという。スマートフォン事業の粗利益も、前年の6.2%から2019年は7.2%に伸びたと報告している。

 2020年は、2019年からのフォーカスである5Gスマートフォンの強化を継続し、高価格帯セグメントにおけるシャオミの存在感を強めたいとしている。

 スマートTV、リストバンドなどのIoTとライフスタイル事業は2019年、621億人民元の売り上げを記録した。2018年から41.7%の増加となり、対前年比の増加率という点ではスマートフォン事業を上回った。リストバンドとスマートウォッチを含むスマートリストバンドカテゴリでは、世界最大の出荷台数を誇るとしている。

 広告、オンラインゲーム、ECなどで構成されるインターネットサービス事業は、前年比24.4%増の198億人民元。特筆すべきは、ここに含まれるMIUI(シャオミが独自開発するスマートフォンとタブレット向けUI)の月間アクティブユーザー数(MAU)だ。2019年は前年比28%増の3億960万人となり、このうち中国の数は1億900万人、残りは中国外となる。

 シャオミは中国からの拡大戦略を進めているが、2019年は912億人民元が国外から発生した。この数字は前年から30%の増加となり、2019年第4四半期は264億人民元(前年同期比40.7%増)、全体の売り上げの46.8%を占めたという。すでにシェア1位となっているインドでの成功に加え、2017年から進めている西欧でも一定の成果が出ていると報告している。

 2020年にはスマートTV、リストバンド、電動スクーターなどのIoT製品についてもプッシュしていきたいとしている。

 なお、新型コロナウイルス感染症(「COVID-19」)の影響については、2月~3月に製造が一時的に影響を受けたものの、その後80~90%のレベルに戻ったとしている。

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