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iFi-Audio「AURORA」が、普通の一体型オーディオと異なる理由

2020年04月20日 13時00分更新

 トップウイングサイバーサウンドグループはiFi-Audioの新製品「Aurora」を国内投入すると発表した。アンプとスピーカーを一体型にしたオーディオシステムで、各種デジタル入力に加え、Bluetoothやネットワーク再生、USBストレージに保存した音源の再生など、豊富な入力を持つ。

 すでにASCIIでもニュース記事が載っているが、本機はiFi-Audioらしい先進的でユニークな機能を搭載している。市場によくある一体型のオーディオ機器とは一線を画した音質重視の設計がなされているので、本稿ではもう少し詳しく紹介していきたいと思う。

あえて複雑な回路構成を選択している

 その違いは下の構成図を見るとわかりやすい。上が「AURORA」で、下が「一般的な一体型オーディオ機器」だ。

AURORAの構成図

 まず、下の一般的な一体型オーディオ機器では、入力部や出力部がワンチップ化(SoC化)されることが多く、量産に向いた簡易化がなされているのが分かると思う。普通の一体型機ではワンチップ化されている部分が、AURORAではより専門化されたモジュールに分かれている。例えばデジタルアナログ変換には、独立したESSの高性能DACが加わり、ボリュームコントロールもビット落ちで音質劣化しやすいSoC内部のデジタルボリュームではなく、独立したアナログボリュームコントロールが採用されている。

古くからある真空管と最先端の技術が同居

 また、アンプ部も前段の真空管と後段のクラスDアンプに分かれている。真空管アンプには暖かさや滑らかさがあり、クラスDアンプには小型で高出力が出せるというメリットがある。真空管アンプは音が美しいが出力は低く、クラスDは高出力化しやすいが音は今ひとつというトレードオフを補い合う設計と言える。iFi-Audioでは「AURORA」のこの古式な真空管と先端のクラスDアンプが共存するハイブリッド構成を「Pure Emotion」と呼んでいる。

 クラスDアンプは音が良くないと言われがちだが、iFi-Audioでは普通のチップでは300kHz程度のスイッチング周波数を1.5MHzという非常に高い周波数にする(非常に短い間隔で制御する)ことで、低ノイズ化と高効率な電流増幅(大出力化)を果たしているという。

音場補正機能もアナログ処理で実現

 本機でもうひとつ特徴的なのは「ART」(Automatic Room Tailoring)という機能である。これは環境音の反射をマイクで拾って、部屋ごとの音響特性を測定し、それを基に設置場所に応じたスピーカーの音に調整するという一体型ならではの機能だ。

 しかし、面白いのはここからだ。こうした機能はスマートスピーカーなどにも見られるが、普通こうした機能はDSPでデジタルのイコライジング処理などを施すものだ。しかし、iFi-Audioはそれをアナログ処理で実装してしまったのだ。これはあくまで自然な音作りをしたいというiFi-Audioのこだわりであり、普通は同様にDSPを使用するような、同社の立体音場補正「SoundSpace」もアナログ領域で処理している(これにはアナログ回路の“Mid-Sideステレオ処理技術”が応用されている)。そして、同じアナログ回路内で、ARTとSoundSpaceも有機的にリンクしているというわけだ。

 このようにAURORAは、スマートスピーカーのような利便性ではなく、音質を第一に考えた一体型のホームオーディオ機器であり、デザインとして印象的な竹組みでさえもスピーカーの音響効果を考えて採用されている。AURORAはiFi-Audioの音に対するこだわりが貫かれている一体型オーディオ製品なのである。

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