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スペックは控え目だがオシャレなデザインで支持された「Xperia U」

2020年04月14日 10時00分更新

 日本でAndroidスマホといったらXperia! というくらい、スマートフォンのブランドとして認知されている「Xperia」。常に最新の技術とスマホのトレンドを取り入れて業界の最先端を走るXperiaシリーズですが、その歴史は決して順風満帆ではありませんでした。これからのXperia、ひいてはスマートフォンの来し方行く末を、ソニー大好きライターの君国氏に写真とともに紐解いてもらう連載です(Xperia 1以降は番外編としてグローバルモデルを紹介しています)。

Xperia NXT seriesの末っ子
「Xperia U」の魅力はスペックではない!

 2012年に登場した、Androidスマートフォン「Xperia U」。「Xperia NXT series」として発表されたフラッグシップモデルの「Xperia S」(日本では「Xperia NX」)の兄弟機として、アルミボディーを採用した「Xperia P」そして小型軽量の「Xperia U」として3つのモデルをラインナップしました。Xperia Uのコードネームは「Kumquat」、モデル番号は「ST25i/ST25a」です。カラーバリエーションは、ブラックとホワイトの2色をラインナップ。

左からXperia S、Xperia P、Xperia U

 スペックを見ると、ディスプレーは3.5型(480×854ドット)のマルチタッチ対応。SoCは「Xperia P」と同じくST-Ericsson製「NovaThor U8500」(1GHz デュアルコア)を採用しているものの、メモリーは512MB、ストレージは8GBとかなり控え目でした。バッテリーはBA600(1290mA)を採用し、背面のカバーをはずすことで簡単にバッテリー交換ができ、SIMカードはスロット式でmicroSDカードスロットは非搭載です。

 本体サイズは、約54×112×12mm、重さは110g。手のひらにおさまる最小サイズながら、3モデル共通のフローティングプリズムデザインを採用しています。ただし、「Xperia P」にあったWhite MagicやmicroHDMI端子、NFCといった機能は搭載されませんでした。OSはAndroid 2.3を採用、発売後にAndroid 4.0へとアップデートしています。

 メインカメラは約500万画素、フロントカメラには約30万画素のCMOSセンサーを搭載。LEDライトや、物理キーとしてのシャッターボタンも備え、スタンバイから2秒以内ですぐに撮影できる機能がありました。また、「Xperia U」のみ、写真や音楽ジャケットの色に合わせてクリアパーツの色が7色に変化するというギミックがあったのです。

 デザイン面で最大の特徴であるフローティングプリズムは、下側にあるパーツの取り外しきせかえが可能で、ブラックの本体にはブラックとピンクのパーツ、ホワイトの本体にはホワイトとイエローのパーツが同梱されており、1台で2パターンのカラーコーディネートを楽しめました。

 3機種の中では、スペックや機能は控えめではありましたが、そのコンパクトさとデザイン性の高さを兼ね備えたオシャレなモデルとして注目を浴びたモデルだったのです。

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