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事業拡大を目的に総額2.4億円の資金調達を実施

海洋プラットフォーム「Aisea」自律運航船実用化を視野に新サービス開発目指す

2020年04月13日 09時00分更新

「Aisea」サービス概念図

 アイディア株式会社は4月6日、海洋プラットフォーム「Aisea」(アイシア)の事業拡大を目的に、第三者割当増資による総額2.4億円の資金調達を実施したと発表。

 アイディアは、世界中の船舶を対象に船舶管制システムの開発・運用を手がけている。同社が手掛けるAiseaは、船舶事故の防止や快適な操船を目的としたもので、安全な自律航行が実現できるという。

 インターフェースとして、スマートフォンやタブレットのアプリとして利用可能で、自船と他船のリアルタイムの状況把握や衝突予測&防止アラート、音声コニュニケーションができる「航行支援システム」を搭載。また企業向けの「船舶運航管理システム」では、自社の船舶の目的地やバース(荷役を行う港湾施設)、消費燃料の把握、国籍証書などの書類管理機能を搭載している。

 さらにアドオン機能として、入出港管理機能やドライブレコーダー機能、動静連絡機能を開発中だという。

 現在は内航船(国内を航行する船舶)を中心とした船舶事故防止目的に加えて、業務効率や人材不足の解消も含めて導入を進めており、今後も海事産業全体への拡大を想定されている。

 今回の資金調達は、スパークス・グループ運営の「未来創生2号ファンド」と、みずほキャピタルの「みずほ成長支援第3号投資事業有限責任組合」の協力によるもの。Aiseaの開発体制と営業体制を強化する。また、東京海上日動火災保険と資本業務提携を実施。Aiseaを組み込んだ新たな保険商品・サービスを開発するなど、2025年度の「自動運行船実用化」を視野に入れて、海上プラットフォームの確立を加速するという。

(下段左から)アイディア株式会社 浮田氏、代表 下川部氏、千葉氏(2020年3月時点の所属)

 同社の下川部知洋代表の家業であった港湾事業経営の経験もあり、効率化・システムでの実現性・安全性といった海事に関するニーズをしっかりと確保しつつ、これまでになかったサービスやビジネスをテクノロジー機軸に展開。

 最適航路のシステム実装や将来的には自律航行なども含めた広い目線で、海のクラウド化・IoT化によるプラットフォーム作りを見据えている。

 国内と比べて海外の船舶数は非常に多いため、同社が培ったノウハウに加え、国際特許で技術を確保しつつ、大手パートナーとの提携やコンシューマー面での取り組み(iOSでのアプリリリース済み)で市場や利用者を拡げていく想定だ。

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