全長が短くなったのに
室内は少し広くなったヤリス
ヴィッツに比べて室内幅が最大で4cm広くなったヤリス。たかが4cmと言っても、実際に乗ってみると広くなった実感があります。また、ダッシュボードのキャラクターラインが下がったおかげで解放感もあります。ヤリスのシート幅は運転席と助手席ともに1cmほど幅を広げていますが、この1cmのゆとりはかなり大きく、コンパクトカーにありがちな座面の狭さによる腿のあたりが側面に当たる感じも解消され、それでいて腰のあたりも少し深めになっているのでゆったりと座ることができます。
ヤリスはヴィッツに比べて全長が5cmも短くなっていながら、ホイールベースは4cmも長くなっています。その長くなった分はすべて室内に割り当てられ、ダッシュパネルやグローブボックスの造形もかなり変わっています。特に助手席側ではレッグスペースの拡大につながり膝や脛などの周りに大きな空間が広がることでより一層のゆったり感を出しています。ヴィッツの頃から装着されていた運転席の肘掛けも健在。この肘掛けはロングドライブでは本当にうれしい装備ですが、室内空間が狭いと助手席側に圧迫感を生んでしまうこともあります。ヤリスはヴィッツに比べ前席のシート間の間隔が2cm増えたことで肘掛けの使用にも気を使う場面が減ってくると言えるでしょう。
ヤリスのスタイリッシュなエクステリアを見て少し不安に思ったのが、リアシートのヘッドスペース。しかし実際に乗ってみると、それは杞憂に終わります。中村比菜さんは身長が168cmですが頭上空間にはかなりの余裕があります。足元も決して広くはありませんが、運転席を173cmの筆者のシートポジションに合わせても膝が当たるようなことはありませんし、運転席の下の空間が広めなのでつま先を入れるいわゆる足入れ性もかなりのもの。またヴィッツの頃からの伝統で、リアのタイヤハウスがリアシートに食い込んで来ないので横方向にはかなり広くなっています。
ヤリスのラゲッジスペースは広がった乗員スペースに比べると少し狭い気がします。特に荷室幅はタイヤハウスやサスペンションの空間などが影響し実際に8cmほど狭くなっているようです。それでも72cm級のスーツケースなら横置きで2つ入るほどのスペースは確保されています。リアシートが6:4の分割可倒シートになっていますので、大きい荷物も載せることができます。この分割可倒シートはヤリスでは全車標準装備! 1リッターエンジンの最廉価グレードX “Bパッケージ”も6:4の分割可倒シートが備わります。
全車に標準搭載のディスプレイオーディオは
意外なほどに音がいい
最新のトヨタ車ではお約束のディスプレイオーディオも全車で標準装備。何のオプションも取り付けなくても、スマートフォンに入っている音楽をUSB接続で再生することができます。ちなみに表示曲は中村比菜さんが2018年に参加していたレースクイーンアイドルユニット「D'Station Fresh Angels 2018」の曲です。
試乗したグレードのZと中間グレードのGではオーディオのスピーカーは6個となり、各ドアにフルレンジスピーカーが1つずつと、Aピラーに中高音用のスピーカーがつきます。実はこのオーディオが標準装備品にしてはかなりいい音で、特に低音の響きがかなりのもの。そして大音量で鳴らしてもトリム類からはビビリ音がまったくしないというところもポイントです。よほどのオーディオマニアでもなければ標準装備のオーディオで十分です。大幅にボディー剛性を改善したヤリスならではと言えるでしょう。
ディスプレイオーディオはオプションのテレビキットを装着すればApple CarPlayやAndroid Autoのフル機能を使えます。iPhoneのiOSを最新のものにしておけば、iPhoneでもGoogle Mapが使えます。
「かわいいのにしっかりしてて、小物入れも多くて気が利く感じもあって、乗せてもらえたらうれしいクルマ」と語る中村比菜さん。ヤリスは、実はデートカーにも最適なのかも?
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