限界テレワーク家庭に「Archer A10」を導入してみた
在宅勤務で「ネットが妙に遅い」のは古いWi-Fiルーターのせいかも
夜間も1Mbpsから70Mbpsに! カギはIPv4 over IPv6対応
そして今回「Archer A10」導入後、筆者が最も恩恵を受けているのが「IPv4 over IPv6」サポートである。筆者のマンションは冒頭で触れたとおり、フレッツ光マンションタイプ(VDSL)。結局のところどう頑張っても100Mbps以上の速度は出ないのであるから、それなりの通信速度を享受できればいいと思っていた。実際のところ、日中に筆者が仕事をするような時間帯はまあ快適で常時20~30Mbpsは出ている。
しかし夜20時を過ぎるぐらいから速度低下が甚だしい。日によっては1Mbpsにも達せず、かつてのテレホタイムを彷彿とさせるような惨状だった。フレッツ網のせいなのかマンションの回線のせいなのか、もはや原因を突き詰めても仕方ない。一戸建てに住んでいれば回線ごと引き直すこともできようが、それも敵わない。なので、通信速度が遅すぎる時間帯はもはや諦めの境地に達し、ネット作業ではなくリアル作業に徹するような日々を過ごしていた。が、その速度低下を改善してくれる救世主が「IPv4 over IPv6」なのである。
地域にもよるだろうが、フレッツ光などほとんどの接続サービスで利用されている「IPv4対応PPPoE」は利用者が多すぎて通信の渋滞が起こるのが日常。IPv4ネットワークはIPアドレスが枯渇しかかっているのと同時に常に混雑していて、ピーク時には筆者のように本格的な速度低下に見舞われることが少なくない。
それを回避する手段が「IPv4 over IPv6」。IPv4もPPPoEも使わず、IPv6ネットワークの経路を使いながら通信できる技術だ。IPv6ネットワークは通信経路に余裕があって高速な通信が可能だが、IPv4サイトにアクセスできなくなるというデメリットもある。しかしIPv4 over IPv6なら、高速なIPv6ネットワークを利用しながらIPv4サイトへもアクセス可能となる。
ほとんどのプロバイダーがIPv4 over IPv6に対応したサービスを提供していて(名称はさまざま)、しかも設備を変更することなくほとんどは無料で利用できる。ただ1つの条件は、IPv4 over IPv6に対応するルーターを自前で用意する必要がある、ということ。そう、「Archer A10」はIPv4 over IPv6に対応しているのだ。
筆者はNTT東日本の提供する「v6プラス」サービスを利用しているが、これはプロバイダーへ設定変更をメールで依頼さえすれば、概ね即日対応してくれるありがたいサービスだ。これを利用して「Archer A10」でIPv4 over IPv6の設定を済ませたところ、日中はもちろん、ネット利用をあきらめていたピークタイムですら下り70Mbps・上り45Mbpsという激しく快適なスピードで利用できるようになった。
一方、旧式のWi-Fiルーターは残念ながらIPv4 over IPv6に対応していないことが多い。「数年前と比べて全体的に速度が落ちている……?」と感じるなら、ぜひIPv4 over IPv6を利用できる環境に移行していただきたいもの。TP-Link製のルーターでは「Archer A10」「Archer A2600」がIPv4 over IPv6およびv6プラスに対応済み(A10とA2600は型番違いの同機種)。また「Archer C2300」はIPv4 over IPv6にのみ対応している。
IPv4 over IPv6は、筆者のようなマンション住まいで「自由に高速回線が選べない!」という人にとって、ほぼ唯一の速度向上手段となる。契約プロバイダーがサービス提供しているならばぜひ考慮すべきである。
さらに「Archer A10」は、スマートスピーカーへの対応も謳っている。専用のスキルをAmazon Alexaにてセットアップすれば、現在の回線速度を音声で知ることができたり、音声コマンドでゲストWi-Fiの利用許可を出したりすることが可能だ。
家にこもりがちな昨今だからこそ「Archer A10」導入で脱イライラ
ということで家にこもりがちにならざるを得ないこのご時世。自宅の限られた環境で仕事をこなさなければならないのはもちろんだが、自宅学習の子どものサポートまでしなければならず、ストレスが溜まりがちになる。
だからこそ、インフラとして重要なネット環境は快適な状態にしておきたいもの。「Archer A10」を導入することで、遅すぎるネット通信、不足しがちなギガ、コンテンツに飢える子ども……などなどネットにまつわるイライラから脱することができるだろう。そういえばうちのWi-Fiルーターって結構古いかも……というなら、ぜひ導入を検討していただきたいものだ。
(提供:ティーピーリンクジャパン株式会社)
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