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電話もメールも苦手な新入社員が大発生する理由

10代は会って話さない? 「対面・電話よりSNS」の実態

2020年03月24日 09時00分更新

「会わず通話せずLINE」な10代

 「子どもが電話を嫌がる」という話は非常に多く聞く。若者世代は電話が苦手なことが多く、特に固定電話は「誰が出るかわからないから」と極端に嫌がることが多い。若者世代のコミュニケーション実態と大人がとるべき対処法について見ていこう。

 NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションの「消費者のネット環境を基礎としたコミュニケーション手段と羞恥心に関する調査」(2019年10月)によると、日常的に利用するコミュニケーション手段の利用率について聞いたところ、世代による違いが非常にはっきりと出た。

 10代男女ともに「LINE」の利用率が90%以上と非常に高く、「Twitter」も40~50%と他の世代と比べてかなり高い傾向にある。「YouTube」も30%弱でやはり他の世代より高く、「Instagram」に至っては10代女子の利用率が50%以上と圧倒的に高くなる。

 一方、「電話などでの通話」は、他の世代が60%以上利用するのに対して10代20代は30%前後と極端に低い。また、「対面での会話」も他の世代は60%以上なのに対して10代20代は40%弱と低くなっているのだ。なお、「メール」の利用率も、30代以上が70%以上なのに対して、10代はわずか30%に留まっている。

 大人世代と10代20代のコミュニケーション手段が大きく異なっていることがよくわかるだろう。

LINE相談ができるアカウントの例

SNSネイティブはSNSが一番ラク

 日本でmixiが誕生したのが2004年であり、それから16年経つ。つまり、10代20代は、物心ついたときにはSNSがあったSNSネイティブ世代なのだ。SNSは時間や場所を問わずに連絡でき、直接本題を送ることができるため、電話などより気楽に使えるのだ。

 逆に、冒頭でご紹介したように、電話や対面でのコミュニケーションを苦手と感じる子どもは多い。これまでいじめなどの悩みの相談室は電話やメールのみの対応が多かったが、最近はLINEなどでも相談を受け付けるようになった。SNSに対応したことで、若者たちからの相談は一気に増えたそうだ。

 また、若者世代がメールを上手く使えず、LINEのような書き方をしていたり、電話をかけたり受けたりがうまくできないという例をよく見かける。普段から利用しておらず、経験が乏しいために、苦手だったり、上手く使えなかったりするのだ。

 大人世代は、まず若者の実態を知ろう。そして、シチュエーションごとにSNSを使って歩み寄ったり、電話やメールの使い方指導などをするといいだろう。

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著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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