補助電源がある場合は、忘れずに電源と接続しよう
さて、前述ではRegulus AR5-Qを例にビデオカードの取り付けを紹介したが、補助電源が必要なさらに高性能なビデオカードを取り付けたい人向けに解説を補足しておきたい。たとえば、冒頭で紹介した「SAPPHIRE PULSE RADEON RX 5600 XT 6G GDDR6」(以下、PULSE RADEON RX 5600 XT)の場合、8ピン×1基の補助電源が必要だ。BTO PCの場合、電源ユニットは電源容量くらいしか記載されておらず、電源コネクター数まではわからないことが多い。そのため、後で増設を考えている場合は、PCを購入する際、事前に店員に確認しておくと安心だ。
また、パソコンショップSEVENであれば、PC購入前のカスタマイズ画面にて、選択している電源だと、どのビデオカードが搭載できるかが、確認できる。ちょっとした目安にはなるので、後々に増設を考えている人は参考にしてみるのもイイだろう。
補助電源が必要なビデオカードの場合は、PCI Express 8(6+2)ピン電源コネクターが、1基または2基必要。PULSE RADEON RX 5600 XTの場合は、PCI Express 8(6+2)ピン電源コネクター1基接続すれば動作する。
Regulus AR5-Qのように電源ユニットにPCI Express補助電源コネクターが6ピン×1基の場合は、電源ユニットも別途購入して取り換える必要がある点は注意。一方で同じドスパラのThunderstorm AH5は、PCI Express 8(6+2)ピン電源コネクターを備えていたため、電源ユニットを変えることなくPULSE RADEON RX 5600 XTに交換できた。
では、実際にRadeon RX 5600 XTはどれぐらい高性能なのだろうか。そこでコスパ重視のドスパラ「Thunderstorm AH5」に搭載されていたNVIDIA「GeForce GTX 1650」とRadeon RX 5600 XTを使い、「バイオハザード RE:3」の発売を控えるカプコンの「バイオハザード RE:2」で比較してみた。解像度はフルHDで、画質は「最高」、Frapsを使いフレームレートを計測した。
フレームレートとは、FPSなどのゲームをプレイする人なら聞いたことはあるかもしれないが、1秒間に表示されるコマ数のことで、Nintendo Switchでは30fps、PlayStation 4(PS4)は60fpsまでしか対応しないが、PCでFPSなどを快適にプレイする場合は120fps以上が必要としている人もいる。
結果、Radeon RX 5600 XTを搭載した「PULSE RADEON RX 5600 XT」では、平均フレームレートが125.6fpsだったが、GeForce GTX 1650では65.4fpsと2分の1くらいの結果となった。バイオハザード RE:2をひとりでプレイする場合は、60fpsでもPS4並みと十分快適に遊べるが、バイオハザード RE:2以上に重いPCゲームだと、フルHDでもやや心許ない。GeForce GTX 1650やそれよりもっと前の安価なビデオカードを使っている人は、今後発売されるAAAタイトルをPCで遊びたいなら交換を検討してみるのもイイ。
このように、ビデオカードだけを変えても、デスクトップPCの性能は、かなり変わる。PCでゲームをプレイする、これからしたいと思っている人で、最初は予算の関係でビデオカード非搭載のPCや性能の低めな安価なビデオカード搭載機を購入した人は、ビデオカードを買い足して増設するところから挑戦してみてはどうだろう。
3万円台のRadeon RX 5600 XT搭載ビデオカードは、フルHD環境化なら高いコストパフォーマンスを誇っていてオススメだ。さらに詳しく性能を知りたい人は、ASCII.jpの「Radeon RX 5600 XT」の過去記事を参考にして購入を検討してみては?
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