楽天モバイルは3日、4月8日から正式に開始する自社回線サービスの料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」を発表した。300万名を対象に1年無料で提供するとしており、無料サービスのさらなる1年延長という見方もできる内容となっている。
1年無料で、2年目以降は税抜月2980円
データ使い放題もそれが可能なのは自社回線のみ
まずは、今回発表された料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」の中身について詳しく見ていこう。
プランはこの「Rakuten UN-LIMIT」の1つだけで、前述のように300万名を対象に1年無料、2年目以降は税抜2980円となっている(事務手数料の税抜3000円も楽天ポイントで還元される)。この料金で「完全データ使い放題」「通話かけ放題」とされている。
ただし、「完全データ使い放題」については、現時点では東名阪を中心に構築している「楽天回線」に接続した場合のみとなっている。
現状の楽天モバイルの自社回線サービスは、それ以外のエリア、また東名阪でも地下街や地下鉄などではau網にローミング接続するが、このau網での利用は月2GBまでに限られる(追加チャージは1GBあたり500円)。なお、現在スマホが接続しているのが楽天回線かau回線かどうかは、スマホ向けの「My楽天モバイル」アプリで確認できるようになる予定だが、楽天回線のみに接続を限定することは不可。また、通話かけ放題については「RakutenLink」と呼ばれるアプリの利用が前提となる。
また、上記料金で海外での利用も可能。データ通信は月2GBまで。音声通話は海外→国内は無料で、国内/海外→海外は月980円の有料オプションの追加でかけ放題となる。
なお、6月から開始の5Gサービスについては「まったく決まっていない」(同社代表取締役社長 山田善久氏)とのこと。また、現在楽天モバイルのMVNOのサービスを利用しているユーザーは、4月8日以降に移行が可能になる。MVNOサービスの新規契約は4月7日に終了するが、現行ユーザーは当面の間は継続して利用が可能である。
あと1年でどれだけ自社回線を拡大できるのか?
来春時点でのエリアで真価が問われそう
「完全データ使い放題」をうたっているものの、実際に使い放題になる楽天回線のエリアは限定的であり、au回線では月2GBまでしか利用できないとなると、1年間は無料だとしても東名阪以外のユーザーにとっては、メイン回線で使うにはやや厳しいものがある。
それゆえ今回の発表会でも、順調な基地局の増加とエリア拡大があらためて強調された。今年3月末の時点では、総務省に提出した3432という計画に対し、4400に到達するとアピール。2021年3月末時点では同じく8600という計画を提出していたが、これを大幅に前倒しする。また、楽天グループ全体から社員を動員し、基地局設置エリアの確保を進め、エリアを全国に拡大していく。
1年無料という形で、自社回線の全国展開を進める時間を稼いだという見方も可能な今回の発表。同社がアピールする仮想化技術を用いた低コストなネットワークを全国に構築し、将来的な収益源に成長させることができるか、同社の今後にはさらに注目が集まりそうだ。
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