10~30代の約4割が「注意していれば事故につながることはない」と回答
歩きスマホの10~30代「注意してるから大丈夫」と油断すべからず
10~30代で多い「歩きスマホ」
皆さんは、歩いたり運転などをしながらスマホを使う「歩きスマホ」や「ながらスマホ」の経験はあるだろうか。警察庁によると、平成30年中の携帯電話使用等にかかわる交通事故件数は、2790件と過去5年間で約1.4倍に増加している。
2019年12月1日からはスマホによる「ながら運転」は罰則が強化されるなど、歩きスマホやながらスマホは社会問題化している。今回は、歩きスマホの実態について見ていきたい。
IPA(情報処理推進機構)の2018年度「情報セキュリティの脅威に対する意識調査」「情報セキュリティの倫理に対する意識調査」(2018年12月)によると、「歩きスマホ」経験の割合は、10代が57.1%、20代が60.3%、30代が61.6%で、これはその上の世代と比べて高い。スマホの利用率が高いことも影響しているだろうが、それだけではなさそうだ。
「慣れてるから大丈夫」はNG
先ほどの調査結果によると、歩きスマホの理由として、「注意していれば事故につながることはない」からと答えた10~30代が約4割を占める。これは他の世代よりも10%以上高く、歩きスマホに慣れており、油断していることがわかる。なかでも歩きスマホ率が最も高かった30代は、ここでも39.5%と最多となっている。
また、電気通信事業者協会の「『やめましょう、歩きスマホ。』に関する調査」(2018年3月)によると、歩きスマホをしてしまう理由は、「移動しながら時刻表や地図アプリを使用するのが便利だから」が最多に。続いて「スマートフォンをみることが癖になっているから」(関東圏2位、関西圏3位)、「SNSやLINE、メールなどのやりとりをタイムリーにしたいから」(関東圏3位、関西圏2位)となった。
すでに歩きスマホが習慣になってしまっているのだ。つまり、油断が大きな原因となっているわけで、かなり危険な状態と言えるだろう。
早期に改めたい「歩きスマホ」の癖
「スマホを忘れたら遅刻しても家に戻る」とある高校生は言う。「気づいたらついスマホを触っている。少しでも時間ができたら見るし、チェックしてる。トイレでも風呂でも歩きながらも見ている」。彼にとっては、一番なくなっては困るものはスマホだそうだ。ただし、最近は自分でも「少し使いすぎかもしれないと感じている」という。
「ポケモンGO」をプレイしながらの自動車運転や、SNSを見ながらの自転車運転が招いた死亡事故の例を見るまでもなく、「気をつけていれば大丈夫」と思っていても、事故は起き続けている。取り返しのつかないことが起きる前にそのような習慣は改めて、安全な利用を心がけるようにしてほしい。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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