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Ryzen 9 3950X搭載G-Tune対Ryzen 7 3800X搭載30万超えのジサトラハッチ私物の小型PC勝つのはどっち?

2020年02月26日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集● ジサトラハッチ/ASCII
提供: マウスコンピューター

第三勝負「CPU温度」:CPUとクーラーの性能が釣り合っているかをチェック

 3つ目の勝負は、CPU温度の勝負とした。いくら高性能なCPUを搭載しているといっても、CPU温度が高くなり過ぎていれば動作が不安定になるし、長時間利用時の性能低下にもつながってくる。先ほどのCPUと少し被る勝負となるが、元の発熱が少ないぶん、ハッチPCにとって有利な勝負となる。

 なお、基本的にはCPUの温度を重視するものの、性能がしっかりと発揮できているかをチェックするため、動作クロックの変化も参考にした。

 CPUへの負荷は「CPU-Z」のストレステスト機能を使い、約5分ほど負荷をかけてから約1分アイドルとした場合の変化をチェックしている。これは高負荷時の温度と通常時の温度の両方をチェックしたかったためだ。なお、CPUの温度と動作クロックの情報取得には「HWiNFO」を使用している。

「CPU-Z」はCPUの詳細情報をみるツールだが、実はベンチマークやストレステスト機能も装備している

 早速グラフにまとめた結果を見てみよう。まずはCPU温度の変化からだ。

最大温度はどちらも80℃未満だが、ハッチPCでは急激に上昇して早々に上限近くになっているのに対し、G-Tune HP-Aは緩やかに上昇している様子がわかる

 温度はどちらも最大で80℃まで上がらず、しっかりと冷却されているのがよくわかる。CPUクーラーの性能としてはどちらも十分なのだが、温度上昇のしかたが大きく異なっているのが面白い。

 G-Tune HP-Aは70℃を超えるまで一気に上がるものの、そこから緩やかに変動。3分を超えるあたりでようやく80℃に届くくらいの上昇だ。これに対してハッチPCでは温度は急激に上昇。最初から70℃台後半となっており、開始1分くらいでほぼ上限にまで達してしまっていた。

 空冷ということ、そしてケース内が狭く温度が上昇しやすいという点は、やはりCPU温度にとって不利に働いたようだ。

 もうひとつ、CPUの平均動作クロックもチェックしてみよう。

ハッチPCの動作クロックは最初こそ高いものの、スグに4.1GHz以下に。G-Tune HP-Aは4.1GHz以上をしばらく保ったあと、ハッチPCとほぼ同じ数値へと緩やかに落ちていった

 G-Tune HP-Aが搭載している水冷クーラーの冷却性能のおかげか、G-Tune HP-Aでは動作クロックがハッチPCよりも若干高め。後半はほぼ同じとなってしまうが、前半はわずかながらもリードが続いており、これがCINEBENCH R20における約2.0倍の性能を実現している部分だろう。

 なお、ハッチPCではアイドル時の動作クロックがなんだか高くなっているが、これはバックでOSなどの別の処理が動いてしまっていたようだ。

 ハッチPCの温度も動作クロックも特に問題点はなく、及第点となる結果とはいえ、G-Tune HP-Aと見比べてしまうと、温度上昇や動作クロックのどちらともG-Tune HP-Aのほうが優れている。惜しいが、この勝負もG-Tune HP-Aの勝ちだ。

第三勝負:「CPU温度」……勝者「G-Tune HP-A」
「G-Tune HP-A」 ☆☆☆
「ハッチPC」 ★★★

第四勝負「グラフィック性能」:ベンチマークでゲームの向き不向きを判断

 ハッチは編集部内でも無類のAMD党ということもあり、ビデオカードにAMDのRadeon RX 5700 XT搭載モデルを選ぶほど徹底している。これに対し、G-Tune HP-Aは定番の「GeForce RTX 2070 SUPER」を搭載。CPU性能はどちらも十分すぎるだけに、ゲーミング性能ではこのビデオカードの性能が大きく結果に出てくるだろう。

 今回試したのは、定番のベンチマークソフトとなる「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(以下、FF15ベンチ)。デフォルト設定では物足りないかと思い、画質を「高品質」、解像度を「2560×1440ドット」(WQHD)へと上げ、かなり重たいテストとして試してみた。

G-Tune HP-Aでのスコアは7662で、評価は「快適」。ビデオカードの性能の高さもあり、WQHDの解像度でもしっかり遊べる性能がある

ハッチPCでのスコアは4425で、評価は「普通」。何とか遊べるもののシーンによってはカクツキが気になりそうなスコアだ

 結果は見ての通りで、CPU性能の時と同じくG-Tune HP-Aの圧勝。一応ハッチPCでも遊べなくはないが、画質か解像度のどちらかを落とさなければ不満に感じるシーンが出てきてしまうだろう。ちなみに1920×1080ドット(フルHD)へと解像度を落とした場合は、ハッチPCでもスコアは6807に上昇し、評価は「快適」になった。

 AMD党を貫く姿は素晴らしいものがあるが、ゲーミング性能の高さでは、GeForce RTX 2070 SUPERを搭載したのG-Tune HP-Aほうが一枚上手だった。

第四勝負:「グラフィック性能」……勝者「G-Tune HP-A」
「G-Tune HP-A」 ☆☆☆☆
「ハッチPC」 ★★★★

第五勝負「ストレージ性能」:PCIe 4.0の実力はどちらが高いのか!

 拡張性、CPU性能、CPU温度、グラフィック性能と連続して負けているものの、勝負はまだ前半が終わったばかり。まだまだハッチPCが挽回するチャンスはあるはずだ。

 中でも、ハッチが自信ありげにしていたのが、この「ストレージ性能」。ハッチPCが搭載しているSSDはSeagateの「FireCuda 520」(2TB)で、同社初のPCIe 4.0対応SSDでありながら、公式スペックでシーケンシャルリードが5000MB/s、シーケンシャルライトが4400MB/sという高い性能を持つことで注目を集めたモデルだ。PCIe 4.0対応SSDの中でもトップクラスに入るだけに、ハッチが自信を持っていたというのも頷ける。

戦う前から勝利を確信し、余裕の挑発。ハイスペックモデルといっても、SSDまで高速なものを搭載しているとは思っていなかったようだ

 しかし、G-Tune HP-Aも負けてはいない。性能重視のハイスペックモデルだけに、こちらもSSDはしっかりとPCIe 4.0対応のモデルを搭載しているのだ。

 テスト機で採用されていたのは、CFDの「CFD PG3VNF シリーズ」(1TB)。公式スペックを見ると、シーケンシャルリードが5000MB/s、シーケンシャルライトが4400MB/sと全く同じ。ランダム性能では若干遅れをとるようだが、実際の性能はPCによって上下するだけに、結果が楽しみだ。

 ということで、ストレージ性能を測るベンチマークソフトとして定番の「CrystalDiskMark」を使って実際の速度を比べてみよう。

G-Tune HP-AのSSDはシーケンシャルライトが若干低いものの、おおむね公式通りの性能。PCIe3.0対応のSSDでは3000MB/s台がいいとこなので、圧倒的に速い

ハッチPCのSSDは、驚くことにシーケンシャル性能がほぼG-Tune HP-Aと同値。これは引き分けかと思いきや、ランダム性能がわずかに及ばなかった

 結果は見ての通りで、シーケンシャル速度はほぼ互角。しかしよく見比べてみると、ランダム性能でわずかにG-Tune HP-Aがリードしているという結果になっていた。体感できるほどの違いはないとはいえ、僅差ながらもG-Tune HP-Aの勝ちには違いない。

第五勝負:「ストレージ性能」……勝者「G-Tune HP-A」
「G-Tune HP-A」 ☆☆☆☆☆
「ハッチPC」 ★★★★★

調子こいてごめんね?とばかりに手を合わせるハッチ。この勝負には勝てると思っていたようで、ショックが隠しきれていない

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