農業機械メーカーのクボタは、1月15と16日に京都市内で開催した製品展示会で、完全無人で自律走行できるトラクター「X tractor」を公開した。
クボタが初めてコンセプトトラクターを展示したのは、1970年に大阪で開催された日本万国博覧会だ。それから半世紀が経過し、2020年はクボタが創業して130周年という節目でもある。新たに発表されたX tractorは、これに合わせて発表したもの。
クボタによると、日本は農業従事者の高齢化や担い手不足などが増加している。また、労働力不足や経営効率の低下など、農家が直面している課題を対処する必要があると説明した。こうした危機に直面している日本では、ロボットや情報通信技術(ICT)を活用した「スマート農業」が注目を集めている。クボタは近い将来、スマート農業が本格的に導入されることを見越して、多数の先進技術を備えたトラクターを開発したという。
X tractorは、気象データや成長率などのさまざまなデータに基づいて、AIが適切な操作を選択し、完全無人で自律走行する。また、農作業時にトラクターが獲得した農地の環境データなどをほかの機械とも共有できる。
電力は、リチウム電池と太陽電池を使ってまかなうため、環境への負担を軽減する。タイヤの代わりに四輪クローラーを備え、湿った水田や不整地でも安定した走行が可能だという。
四輪クローラーは、トラクターの高さを最適なレベルに維持するために形状を変えられるほか、高い牽引力を必要とする作業では、トラクターの高さを下げることで、地面との接触面積を増やすなど、さまざまな作業に向くとしている。
なお、X tractorの具体的な生産時期については残念ながら未定としている。
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