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「恩を返せた」 EVO Japan 2020最大の激戦区スマブラSPはShuton選手が涙の優勝

2020年01月03日 18時10分更新

 第8試合は、ルーザーズブラケットのセミファイナル。順序的にややこしいが、再びBO3(2本先取)の試合になる。

 対戦カードはPaseriman選手とKome選手。ファイターはフォックス対シュルクになる。フォックスがスピードで懐にもぐりこむか、シュルクがリーチを活かして寄せ付けないかという戦い。体重が軽く吹っ飛びやすいフォックスにとって、モナドアーツ 撃の攻撃も大きな脅威だ。

 1本目はほぼ互角の展開で、リーチとモナドアーツを使って的確に相手を追い詰めるKome選手に、ジャストシールドを駆使して上スマッシュを当てるなど、Paseriman選手も負けじと応戦する。そんな中1本目の最後は、シュルクの上必殺ワザ「エアスラッシュ」での復帰阻止が決まり、Kome選手が勝利。

 2本目はKome選手が有利に試合を運ぶ展開で、1本目の勝負を決めたエアスラッシュによる対空・バーストを兼ねた運用が刺さり、2ストック残しでKome選手が勝利した。

 勝利したKome選手は、Shuton選手に敗れたTea選手と対戦。奇しくも本日の初戦と同じ組み合わせになったが、これがルーザーズブラケットのファイナルだ。これに勝ったほうがグランドファイナルに進出し、勝者側で待つShuton選手と戦う。このマッチはBO5。先ほどはTea選手が勝利したが、今回はどうなるか。

 1本目の試合展開としては、お互いに慎重な立ち回りで、相手に攻めさせて刺し返すことを狙ったような動きが多く見られたが、2本目以降はKome選手がギアを上げたように攻め立てる展開に。Tea選手は最初はやりづらそうにしていたが、徐々に対応し最終的には素早い試合展開となった。

 結果としては1本目がTea選手、2本目がKome選手、3本目がKome選手、4本目がTea選手で、フルセットまで到達。5本目では、Tea選手の「相手に圧力をかけて動き出しを狩る」といった行動を、Kome選手がじっくり我慢してから対応する……というような、読み合いが回っている様子も見られた。最終的にはKome選手が勝利し、先ほどのリベンジを果たした形になった。

 こうしてグランドファイナルは、Shuton選手vsKome選手の対戦になった。BO5で、ルーザーズサイドのKome選手が勝利するには6本取る必要がある。対するShuton選手は3本先取すれば優勝だ。

 グランドファイナルではそれぞれメインファイター、Shuton選手がピクミン&オリマー、Kome選手がシュルクを選択。出だしはKome選手が先の試合の勢いを引き継ぐかのように攻めるが、Shuton選手も瞬時にそれに対応し、逆に攻め返してダメージリード。1本目はShuton選手が2ストック残しで勝利した。

 2本目は取っては取り返すといった形で、どちらも一歩も引かない試合展開だったが、最終局面でKome選手が有利状況にあったものの、復帰阻止で自分が落ちてしまい、2本目もShuton選手の勝利に。これには本人もかなり悔し気な表情を浮かべていた。

 3本目はお互い最終ストックまで互角の勝負となったが、一瞬のチャンスをものにしたShuton選手がダメージを稼ぎ大きくリード。最後は崖の展開で、Kome選手の崖上がりにShuton選手の下スマッシュが刺さり、Shuton選手がウィナーズのまま勝ち進み、総合優勝を勝ち取った。

勝利を決めた下スマッシュ

Shuton選手には桜井政博氏から金のスマブラコントローラーが贈呈

 かくして、「EVO Japan 2020」スマブラSP部門で約3000人の頂点に立ったのは、SunSister所属 Shuton選手となった。

 表彰式では、スマブラシリーズの生みの親、桜井政博氏が登壇し、TOP8の選手たちにメダルと記念品を贈呈。さらに優勝者のShuton選手には、トロフィーと“金のスマブラマーク”入りNintendo Switch Proコントローラーが贈呈された。

 優勝者インタビューでは、Shuton選手は「信じられない。最近勝てていなくて、今回の目標がTOP8だったが、まさかここまで勝てるとは」と語り、感極まって涙を流す姿に、普段彼のYouTube配信などを視聴している筆者としても胸を打たれた。

 ファンへのメッセージについては「今まで応援してくれてありがとうございました。やっとS-tier(Panda Globalによるプレイヤーランキングに影響する大会の重要度。Sは最高)の大会で優勝できて、恩を返せたと思います。ありがとうございました。」と語った。

 最後は、桜井政博氏が大会の総括としてコメント。

「スマブラのキャラクターは、みんな何かの作品の主人公。そんなキャラたちが自分の見たことのない動きで戦ったりするというのはすごくおもしろかったです。しかも今回最後に残った8人はみんな違うキャラクターで、あらゆる個性が見られたのは本当に励みになりました。
 でも、我々が作っているキャラクターは80人くらいいて、まだ秘めた潜在能力を持ったキャラクターがいるんじゃないかなと思うので、発掘が進んでくれると嬉しく思います。
 とにかく、この場を借りて、選手の皆様やこの作品を支えてくださった皆様に感謝を申し上げます。どうもありがとうございました。」と語った。

TOP8メンバーの写真

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