週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

気温マイナス5度! なぜか稚内で開催されたPS4版「Frostpunk」体験会、本当に人は来たのか

2020年01月27日 19時40分更新

あれ、人が……いる! しかも多い!

 実際に会場に着いてみると、すでに試遊台の付近にそこそこ人が集まっているのが分かった。その時点でも「あれ? ぜんぜん人いるな……」と思ったのだが、実際にイベントがスタートした途端、試遊台横に設置されていたテント内の待機スペースからも来場者が加わり、あっという間に20~30人規模の人だかりが発生。おそらく誰も予想していなかったが、大盛況の状態でのイベント開始となった。

 イベントがスタートすると、あっという間に人が集結。集客0人想定とは思えないほどの盛況ぶりだった

「稚内市内在住の方はいますか?」という呼びかけでは半分以上の人が挙手。道内の遠方から来た人もいたという

 ウェブ記事やSNSでの事前告知はあったものの、さらに地元のウェブメディアや紙面などにも掲載されたことが集客につながったようだ。実際、普段からゲームをプレイしている人はもちろん、あまりゲームをプレイしないが来てみたという人や、子供連れの親子まで、幅広い客層が集まって試遊を楽しんでいた。

DMM GAMES プロデューサーの早稲田誠氏(左)、ディレクターの小守寛章氏(右)

イベントでMCを務めた荒木美鈴さん

イベント開始時には、DMM GAMES プロデューサーの早稲田誠氏、ディレクターの小守寛章氏に加え、この日のために来日した11 bit studios マーケティングディレクターのPatryk Grzeszczuk氏がそれぞれコメントを述べた。早稲田氏は、「まさか、こんなに集まっていただけるとは思っていませんでした。2時間半なので試遊時間が限られるかもしれないが、楽しんでいってください」とコメント。

 稚内での体験会を実施した経緯については、このゲームの重要な要素である“寒さ”が決め手になったとし、「『寒い倉庫とかでやろうか』なんて話も出たが、それじゃあ人工的だから、やるなら本当に寒いところがいい、ということで稚内にした。(DMM GAMESは)変な会社なんです」と述べ、来場者からは笑いが起きていた。

 小森氏は「Frostpunk」のゲーム概要について、「いちばん温かい状態でマイナス20度からゲームがスタートします。プレイヤーは建物を建設し、研究して都市を大きくしていきつつ、氷河期が訪れた世界で失われた文明や文化を取り戻し、新たな社会を構成していくのが主な目的です。食料の確保や、法律を制定、住民の要求に応えなければいけないこともあり、時々で街を維持していくための重要な決断や選択が重要になります」と語った。

11 bit studios マーケティングディレクターのPatryk Grzeszczuk氏。「日本のゲームが大好き」とのことで、好きなゲームとして「ストリートファイター」「メトロイド」「キャッスルヴァニア」などを挙げていた。体にはゲーム関連のタトゥーを多く入れており、ゲームキャラクターのほか、右手の指に昇竜拳のコマンド、左手の指に竜巻旋風脚のコマンドが入っているなど、重度のゲーマーであることが伺える

 開発スタジオのディレクターであるPatryk氏は、ゲームのコンセプトについて「そもそも『Frostpunk』は、“ポスト・アポカリプス”や“極寒の世界”というコンセプトから始まったわけではありません。“世界をどのように構築していくか”ということを考え、サバイバルゲームというジャンル自体を再構築したいという思いから本作を制作しました」と述べた。新しい挑戦だったのではないか、という問いについては、「11 bit Studios自体、サバイバルゲームは初めての挑戦でしたし、辛いだけではないエンターテイメント性を盛り込んでいく、ということも大きなチャレンジになりました」と語った。

試遊台の前で列を形成する来場者

試遊台には2台のPS4が

寒さが厳しいこともあって、PS4には申し訳程度の防寒対策(?)が施されている。幸い、途中で不調になるような事態は起きなかったようだ

 その後は、一般来場者による体験会がスタート。2台のPS4が用意された試遊台は長い列が形成され、約2時30分の間、早稲田氏や小守氏のレクチャーを受けながら熱心にプレイする来場者の姿が見られた。

熱心にプレイするユーザーの姿。早稲田氏や小守氏が実際にアドバイスを行いつつ、プレイを見守った

体験会の最中、来場者のプレイを眺めるPatryk氏。心なしかソワソワしているようにも見えた

ドームの柱の陰に置かれた発電機。屋外での体験会なので、こういった設備は欠かせない

控室や待機所となっていたテント内。寒さが厳しくなる日の入り後は駆け込む人の姿が多く見られた。また、希望者には2種類のスープが提供されている

来場者にプレゼントされた「Frosupunk」ロゴ入りランタンと瞬間冷却パック。用意していた数がなくなるほどの来場者だった

日が落ちて冷え込みが強くなってくる体験会終盤でも、試遊台の列が途切れなかった。最初から最後まで会場にいて、何度かプレイを楽しむ人の姿も

ゲームパッド向けに最適化された新UIの「Frostpunk: Console Edition」

PC版と変わらないように見えるが、ゲームパッド向けの新たなUIを採用するのが「Frostpunk: Console Edition」だ

リング状のUIを採用することで、コントローラーでもアクセスが容易に。ボタンの振り分けも違和感がなかった

 先に述べた通り、体験会で試遊できた「Frostpunk: Console Edition」は、もともとPC版の「Frostpunk」を移植したものだ。こういったゲームは多くの場合キーボード・マウスを使った操作が想定されているため、コンソールエディションではまったく新しいUIを導入する必要があったとのこと。これについてPatryk氏は「キーボード・マウス操作でも、ゲームパッドの操作でも、同じように満足のいく操作ができなくてはいけないと考えました。ゲームパッドでの快適な操作を実現しようと思ったため、コンソール版をリリースするために、約1年間を要しています」とコメントしている。

 実際に体験してみたところ、筆者はPC版をすでにプレイしたこともあり、難なく操作に慣れることができた。本作には建築、技術ツリー、制度ツリーなど、アクセスできる多様なコマンドがあるが、頻繁に使用する操作だけでなく、すべての手順をなるべく少ない操作でこなせるように練られており、ボタンの配置にも大きなストレスがないよう配慮されていると感じる。来場者のプレイを見る限りでも、レクチャーを受けながらの試遊では序盤の街づくりを問題なく行えていたようだ。そもそもアクセスできる要素が多く混乱しやすいゲームではあるのだが、トライ&エラーが前提のゲームということもあり、システムに慣れてしまえば大きな問題は起きないだろう。

 「Frostpunk: Console Edition」の発売日は2月27日で、価格は4378円。体験会が予想を覆す大成功に終わったことで勢いがついたのか、最後のあいさつでは早稲田氏が「『Frostpunk: Console Edition』が50万本売れたら、来年2月の『わっかない氷雪の広場』にFrostpunkの雪像を出します!」とリリースへの意気込み(?)を述べている。本当に雪像を作れるかどうか、Frostpunkの今後に注目したい。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう