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Pyrenee、AIで歩行者や自動車を認識し、危険を探知する車載デバイス「Pyrenee Drive」をメディアに公開

2020年01月23日 20時30分更新

 Pyreneeは1月23日、ステレオカメラで周囲や運転者の状況を画像認識し、声を通じた警告を出す車載機器(AIドライバーアシスタント)「Pyrenee Drive」の発売に先駆け、メディア関係者に、その機能をデモした。

 Pyreneeは2015年の創業。Pyrenee Driveは、交通事故の約9割を占めるドライバーの見落としや判断ミスなどを減らす機器として、東京・秋葉原にあるDMM.make AKIBAで2016年から開発を続けたものだという。ディープラーニングを活用したリアルタイム物体認識で、道路上の歩行者(緑の枠)や自動車(赤の枠)、自転車、バイクなどを認識し、その動きを0.1秒単位で追跡。飛び出しなど、危険が発生すると予測される場合に、音声や画面表示で警告を出す。また、車内に向けたカメラも持ち、運転者の疲れなども検出できるとする。

 LTE回線を使った常時接続で危険情報などの情報を収集し、追加学習して精度を高める機能も持つ。操作は、タッチパネルのほか、音声でも可能になっており、ドライブレコーダーとしても活用可能。内蔵のAIが事故などを感知した際には、映像や各種データをクラウドに自動アップロードし、ウェブブラウザーやスマートフォンで確認できるという。

 LinuxベースのOSとしたことで、対話型の音声認識に対応させたり、Bluetoothで再生機器と接続し、メディアプレーヤーとして活用するといった将来的な機能拡張も可能になっている。

 発売時期や価格などについては、現時点で未定だが、シャープの量産アクセラレーションプログラムの支援を受け、量産体制を整えている。価格帯については「月々の通信利用料金と合わせても、高級なカーナビ専用機と変わらないレベルになる見込み」(代表取締役CEOの三野龍太氏)とのこと。

 Pyrenee Driveは車のダッシュボードに固定し、シガーソケットから電源を取るだけで設置が完了する一体型設計。ハードとしては、上述した200万画素のステレオカメラとインカメラ、さらにリアルタイムでAI計算を実施するNVIDIA製のGPUボード、タッチパネル液晶ディスプレー、LTE通信モジュールなどを組み合わせたものになっている。

 認識した物体は、乗用車とバスやトラックなどの大型車、さらに静止しているか、どちらの方向に進行しているかなどが分かる。人間の視野は中央部分はハッキリと見えるが、周辺はぼんやりとしか認識していない。一方、カメラは視野の範囲内であればほぼ同じ精度で認識ができるため、周辺から突然自転車や歩行者が視野に入ってくるような状況にも対応しやすいとする。

 交通事故対策としては、自動ブレーキなども用いられるが、実際に車を制御せず、危険予測した結果をもとに、運転者の注意喚起をするという部分に注力。特定の車種だけでなく新旧を問わず様々な車両で有効活用できる点などがメリットとなる。一方で、誤認識による警告の発生を防いだり、音声で警告を出す際、運転者により伝わりやすく情報を伝える文言や速さのチューニングなどにこだわっている。

 デモでは、Pyrenee Driveを装着した車両を使い、実際に秋葉原を走行したが、多数の歩行者や車両が行きかう環境でも高速かつ、正確に物体を認識していることを確認できた。Pyreneeでは、物流大手のSBSロジコムと、運送車両への搭載を想定した試験データの収集、再現試験などを実施しているが、個人だけでなく、ロジスティクなど業務で利用する車両の事故を減らすという観点での応用も期待できそうだ。

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