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シャープに聞く、141gのスマホ「AQUOS zero2」がゲームに最適な理由

2020年01月29日 10時00分更新

ゲーマー仕様の240Hz黒挿入ディスプレー搭載

──ゲーミング向けに開発した機能はありますか?

篠宮 AQUOS zero2の有機ELディスプレーは、通常の4倍速の240Hz表示に対応しました。通常のスマホだと、60Hzの60fps表示です。具体的には、120fps表示のあいだに一瞬だけ黒画面を挿入して240回表示しています。これにより、120fps表示対応のゲームなどは、人の目では動画がぼやけて見える現象がリセットされ、映像をより滑らかに見やすくなります。黒画面の挿入は“網膜残像を除去する”ものです。

左がAQUOS zero2。黒画面が差し込まれているのがわかる

 また、タッチパネルも240Hzスキャンに対応しました。ゲームが60fpsでも120fps表示対応でも、タッチパネルの反応と内部処理が速くなったことで、ユーザーの操作が従来モデルよりも速く反映されます。これにより、ギリギリの勝負を分ける操作の快適さを実現しています。

──では、画面表示はいかがでしょう。

篠宮 画面の表示ですが、輝度が1.5倍にアップしています。また、絵作りもゲームでは演色性を持たせないほうが美しい、または快適にプレーできる場合があります。そこで、コンテンツ制作者の意図を正確に反映できる設定を用意しました。「ゲーミングメニュー」で指定したゲームアプリで利用できます。

ゲーム向け設定メニューを搭載

──「ゲーミングメニュー」とは、ゲーム向けの専用設定でしょうか?

篠宮 今回、新たに「ゲーミングメニュー」という専用の設定を用意しました。AQUOSメニューから設定します。

 また、指定したゲームアプリを起動した状態で画面を上からスワイプすると、通知と一緒にゲーミングメニューが表示されます。ここから、先ほどの240Hzの表示やタッチパネルを利用する「ハイレスポンスモード」や「通知ブロック」、実況的な音声録音も可能な「録画」、「ゲーム情報の検索」など、ゲーミング向けの設定を利用できます。

新たに「ゲーミングメニュー」を搭載

ゲーム中は、通知からゲーミングメニューを操作できる

──CPUやGPUの処理性能で工夫はありますか?

田邊弘樹氏(以下敬称略)AQUOS zero2ではCPUとGPUを含むSoCにハイエンドのSnapdragon 855、ストレージも高速なUFS3.0のものを搭載しています。これは他社製品のハイエンドにも搭載されていますが、AQUOS zero2では、どんなゲームの最高画質でもワンプレーを最高フレームレートで安定して動くことを想定してチューニングしています。

田邊 また、フレームレートを落とさず軽快な動作でプレーし続けたい場合のために、「ゲーミングメニュー」の「パフォーマンス」の設定からAQUOS zero2の解像度をフルHDからHDに落としてプレーできる設定も用意しています。

──実際の動作テストはどのようにされていますか?

田邊 業務として社員が集まって多くのゲームタイトルで評価しています。ふだん複数のゲームを同時にプレーすることはないので、外部に接続可能なWi-Fiのある部屋に集まって、とにかく数をこなしています。社内からは「あいつら業務中にゲームで遊んでるぞ」みたいな目で見られますけど(笑)。

──ゲームプレーの快適さについて工夫はありますか?

田邊 ゲームのプレー中は、放熱しつつもスマホを持つ背面の指に熱が伝わらない設計にしています。側面のマグネシウムフレームを溝のある形状にすることで、指で触れても熱を感じにくいよう工夫しています。また、充電中も発熱を分散させるパラレル充電を採用しています。

──ゲーマーにとって曲面ディスプレーの操作性や、ヘッドホン端子が非搭載という点は気になります。どういった対応でしょうか。

篠宮 ゲーミングということで、ディスプレーの形状についても検討しました。AQUOS zero2のディスプレーは全体がなだらかな曲面で、指で操作しやすい形状になっています。画面を指の腹でしっかりと押さえやすいぶん、より正確にタップを検知できます。ヘッドホン端子は薄さと軽さを優先したため非搭載ですが、同梱のUSB Type-C端子に装着するアダプターを利用していただければ。

スマホ業界が盛り上がる端末を開発したい

──改めて、シャープとして初めてゲーミングに力を入れた理由を教えてください。

篠宮 料金分離プランの影響は大きく、ハイエンドモデルが売れづらい状況になっているのは確かです。弊社のAQUOS senseシリーズは好調ですが、こういった一昔前のフラッグシップに近いスペックで、普段の利用に十分なスマホが登場すると、ユーザーもそういった安い端末に流れます。

 ただ、スマホメーカーとしては、スマホ業界が盛り上がるような明確な価値のある製品を提供したい。そこで、ゲームが一番わかりやすい価値なのかなと。AQUOS zero2はハイエンドですが、必要な機能に絞って開発したモデルです。若い方など、ハマる方に購入していただきたいですね。

──eスポーツへの取り組みは今後も続けられるのでしょうか。

篠宮 eスポーツはRAGEやDetonatioN Gamingなどのスポンサーを実施しております。もちろん、これらの取り組みで製品を広く知ってもらうのも重要なのですが、開発側にとってはeスポーツに参加する方から実際の生の声を聞けることが重要です。DetonatioNさんにも開発中のモデルを使っていただいて、意見などを製品にフィードバックしています。ブランドは積み重ねなので、これらの取り組みは今後とも続けていきたいと考えています。

──eスポーツも期待しています! ありがとうございました。

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