週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

冬アニメの暫定傾向もチェック

FGO・アズレン・グラブル~ビッグタイトルの今後を占う2019年10月アニメ

2020年01月23日 18時00分更新

投稿人気推移とpixivの全体の傾向

 投稿数上位はニコ動・pixivともに期間を通じて「Fate/Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニア」「アズールレーン」が独占。

 3位以下は人気タイトルが入れ替わりつつ上位と、あまり動きのない並びでした。

 ニコ動の上位は「GRANBLUE FANTASY The Animation Season2」「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」「ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル」など(PSO2は原作ゲームのプレイ動画が中心)、pixivでは「どるふろ -癒し篇-」「僕のヒーローアカデミア」「GRANBLUE FANTASY The Animation Season2」など。

 劇的ではないものの放送期間中に伸びたタイトルでは、ニコ動で「俺を好きなのはお前だけかよ」、pixivで「スタンドマイヒーローズ PIECE OF TRUTH」「魔入りました!入間くん」「慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~」「本好きの下剋上 司書になるためには手段を選んでいられません」などが挙げられます。

ニコ動における動画投稿数の7日毎順位の推移(10月アニメ作品別)。pixivの傾向より男性人気の高い作品は青、女性人気の高い作品は赤、中間的な作品は黄色に塗った

pixivにおけるイラスト投稿数の7日毎順位の推移(10月アニメ作品別)。pixivの傾向より男性人気の高い作品は青、女性人気の高い作品は赤、中間的な作品は黄色に塗った

 pixivで人気の高かったキャラクターは全体・全年齢・R-18とも「Fate/Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニア」「アズールレーン」が目立ち、FGOの「マシュ・キリエライト」がいずれもトップ。

 ほか全体的に人気が高いのは「ベルファスト」「イシュタル」「ラフィー」など。全年齢イラストでは女性人気の高い「エルキドゥ」「ギルガメッシュ」が人気。また冬コミ前だったこともあり、ヒロアカの「麗日お茶子」「八百万百」はR-18イラストがやや目立ちました。

 全体で投稿数・投稿者が多いのはR-18・男性投稿者・女性投稿者・海外投稿者とも「Fate/Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニア」がトップ

 ほか男性・海外人気では「アズールレーン」「どるふろ -癒し篇-」が強く、女性人気では「僕のヒーローアカデミア」「GRANBLUE FANTASY The Animation Season2」が目立ちました。新規では「慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~」「旗揚!けものみち」は男性投稿が目立つタイトル、「スタンドマイヒーローズ PIECE OF TRUTH」「魔入りました!入間くん」は女性投稿が目立つタイトルです。

 今回人気の高いタイトルのうち、国内IPの「Fate/Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニア」「僕のヒーローアカデミア」「GRANBLUE FANTASY The Animation Season 2」「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」「アイカツオンパレード!」は男女ともに投稿が目立ち、最近では比較的男女が偏らないタイトルが人気となる傾向があるようです

 各国の投稿者では、中国・台湾・アメリカ・インドネシア等ほとんどの国で「Fate/Grand Order 絶対魔獣戦線バビロニア」がトップですが、韓国・カナダ・マレーシアなどでは「どるふろ -癒し篇-」がトップとドルフロ人気の広がりが感じられます。「アズールレーン」は各国でFGOに次ぐ人気、アメリカ合衆国のみ「僕のヒーローアカデミア」が2番手となっています。また中国展開のないグラブルは台湾や東南アジアの投稿が目立ちました。

 今回は人気ソシャゲタイトルのアニメ化が並んだ結果、アニメ自体より、日本と中国でいま勢いのある人気ゲームの比較となった印象があります。そのなかではFGO人気は非常に高く、また中国発のアズレン・ドルフロの人気が日中韓で高まっているのが伺えます。また国内ではFGOやグラブルなどで顕著ですが、投稿者(≒熱心なファン)が男女に偏らない人気タイトルが目立ってきています。こうした作品のイラストが中韓だけでなくアメリカ合衆国や東南アジア各国からも投稿されているのが最近の状況です。

2019年10月アニメのpixivでイラスト投稿数の多い出演キャラ。全体・全年齢(R-18以外)・R-18別。特に比率が高い項目は赤字とした

2019年10月アニメのpixivでのイラスト投稿および投稿者の傾向。特に比率が高い項目は赤字とした。人気国は海外投稿者の在住国でありpixiv上での自己申告による

引き続きソシャゲタイトルが目立つ2020年1月アニメ

 最後に現在放送中の2020年1月アニメの2週目を終えた現在での傾向をみてみます。調査時点で未放送のタイトルもあり暫定的な数字ですので今後を占う程度の意味合いでご覧いただければと思います。

 今期は現状では人気タイトルの続編や関連作品が目立ち、「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」「BanG Dream! 3rd Season」「どるふろ -狂乱篇-」「とある科学の超電磁砲T」などが人気です(「BanG Dream! 3rd Season」は執筆時点で未放送)。新規アニメ化タイトルでは「A3! SEASON SPRING&SUMMER」「恋する小惑星」「異種族レビュアーズ」などが目立ちます。ニコ動では「ネコぱら」、pixivでは「地縛少年花子くん」も人気です。

 「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」は人気アニメ「魔法少女まどか☆マギカ」の外伝的ソーシャルゲームのアニメ化、「BanG Dream! 3rd Season」「どるふろ -狂乱篇-」「A3! SEASON SPRING & SUMMER」もソーシャルゲーム原作。FGOやグラブルと比べると新しいタイトルですが、2019年10月期に引き続きソーシャルゲーム原作タイトルが続きます。

 今回は調査時点ではまだ放送していないタイトルもありますのでまだ様子見程度の結果です。今期はここからどのようになるのでしょうか。注目していきたいと思います。

2020年1月期アニメについて1月1日以降にニコニコ動画・pixivに投稿された各タイトル関連の作品投稿数を両対数軸のグラフにプロットしたもの。それぞれ作品を示す複数のタグを名寄せした作品数。斜めの線は近似曲線で、およそこの線から右下がニコ動寄り、左上がpixiv寄りによく二次作品が投稿されているタイトル。グラフ2と同様

アニメ「マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝」より第1話の公式配信動画
アニメ「BanG Dream! 3rd Season」より第1話の公式配信動画
アニメ「どるふろ -狂乱篇-」より第1話の公式配信動画
アニメ「ハイキュー!! TO THE TOP」より第1話の公式配信動画
アニメ「A3! SEASON SPRING&SUMMER」より第1話の公式配信動画
アニメ「恋する小惑星」より第1話の公式配信動画
アニメ「異種族レビュアーズ」より第1話の公式配信動画
アニメ「ネコぱら」より第1話の公式配信動画
アニメ「地縛少年花子くん」より第1話の公式配信動画
アニメ「とある科学の超電磁砲T」より第1話の公式配信動画

告知
 ニコニコ動画やVTuberについて調査した同人誌を発行しています。新刊・既刊はCOMIC ZINメロンブックスに委託中。ご興味があればどうぞ。

筆者紹介:myrmecoleon
 趣味で同人誌やニコニコ動画関連の研究をしてる人。コミケ・ニコニコ動画・pixiv・deviantARTなどの調査を行ない、『ニコニコ動画統計データハンドブック2019』など同人誌としてコミケで頒布。2014年に自身の企画で「次元の壁をこえて 初音ミク実体化への情熱 展」を開催。元明治大学米沢嘉博記念図書館スタッフで元ニコニコ学会β実行委員。Twitterアカウントは@myrmecoleon

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事