ビジュアル重視の流れに引きずり込まれないよう、親は注視を
SNSでやせたい願望を刺激される少女たち
女児の23%が「やせたい」
SNSの利用で、10代はやせたい願望を刺激されるようだ。東京都医学総合研究所や東京大などのチームが2012~15年に東京都世田谷区・三鷹市・調布市に住む10歳男女に調査した結果が興味深い(https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/eat.23202)。
やせ願望があったのは、女児全体の23%にあたる467人、男児全体の17%の381人。そのうち女児の92人、男児の119人はSNSの利用経験があった。
SNSを使っている10歳女児は使ったことがない女児に比べてやせ願望を抱く確率が1.9倍高かった。交流目的で画像や動画を発信するSNSの影響が大きく、宿題の調べごとや友だちとの連絡に使う場合はやせ願望に影響しなかった。なお、男児ではこの傾向はなかったそうだ。
流行するビジュアル中心のSNS
10代のSNS利用は、YouTubeとLINEからスタートすることが多い。それ以降、TikTokやTwitter、Instagramなどを利用し始める。つまり、ビジュアル中心のSNSで自撮り写真や動画を投稿することが増えていくのだ。
画像や動画のSNSでは、外見の良い女性ユーザーが人気を集めやすく、他人の容姿とも比較しやすくなる。自撮り写真を投稿するうちに、もっと「いいね」をもらうためにやせたいと考えるようになるというわけだ。
SNS自体が悪いわけではないが、過度なSNS利用は10代の心に大きな影響を与えそうだ。SNS以外にも目を向けたり、実生活で認められる体験なども必要となるだろう。10代の周囲にいる大人は、子どもの利用を見守っていただけると幸いだ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう