冷却効率が高く、ブーストクロックも安定している
最後に、気になる発熱まわりをチェックしておこう。室温約25℃の環境において、アイドル状態からMONSTER HUNTER: WORLDを起動してゲームをスタート、その状態で約30分放置した後、再びアイドル状態に戻す。この時のGPU温度とGPUのクロックを「HWiNFO」で追跡した。
RTX 20シリーズを小型カードに押し込めて高負荷なゲームを動かすと、オープンエア組みでもGPU温度が83℃まで一気に上がることが多いが、DUAL-RTX2070-O8G-MINIは73℃で温度上昇が停止した。トリプルファンを搭載したハイエンドモデルよりも冷却力が劣ることは否めないが、デュアルファン搭載モデルとしてはサイズの割に極めて高い冷却効率になっているようだ。
グラフではGPU温度が急落しているのがゲームを終了してアイドルに戻ったタイミングだが、一旦45℃あたりに落ち込んだ後で再び50℃あたりまで戻っている。これはGPU負荷が止まったためファンが停止したためだ。もちろん同梱のツールを使えば、常時ファン稼働も可能だ。
そして、GPUクロックもほぼ1860MHzで安定しており、ブレも非常に少ない。GPU温度が低めで維持できているため、GPUのブーストクロックが低めながらも維持できているということだ。冷却が間に合っていないとスペック上のブーストクロック(1850MHz)すら割り込み始めるため、少なくともオープンエア組みの状態では冷却力は十分に確保されていると言える。
さらに、MONSTER HUNTER: WORLD開始25分時点で騒音計「AR814」のマイクをカードの補助電源側30cm地点に設置し、ファンノイズも計測してみた(暗騒音は約36dBA)ところ、高負荷時でも45~46dBAあたりで安定していた。ファンの回る音は聞こえるものの、それほど大きくないことを付け加えておきたい。もちろん、NUC 9 Extreme / Pro Kitに入れた時のファンノイズは未知数だ。
まとめ:NUC 9に最適だが、普通のビデオカードとしても優秀
以上でDUAL-RTX2070-O8G-MINIの検証は終了だ。NUC 9 Extreme/Pro Kitがあれば究極の小型ゲーミングPCとして検証できたのだが、残念ながらそれは叶わなかった。だが普通のビデオカードとして使っても性能と冷却のバランスが良く、小型カードの割にはファンノイズが静かということがわかった。カード自体も小さいので、旧世代の小型PCを強化したい人にもオススメできる。
2020年はレイトレーシングに対応したWindows 10版「Minecraft」を筆頭に、9月に延期になってしまったが「Cyberpunk 2077」など、RTX 20シリーズならではの映像体験を楽しめるタイトルが多く控えている。コンパクトでもゲーミング性能に妥協したくないPCゲーマーなら、DUAL-RTX2070-O8G-MINIは要注目だ。
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