NUC 9 Extreme / Pro Kitの限界に挑めるカード
DUAL-RTX2070-O8G-MINIの最大の武器は、NUC 9 Extreme / Pro Kitの内部スペースを限界まで使いつつ、性能と冷却力の最適解を実現し、さらに付加価値も高めたという点にある。小型のビデオカードはクーラーの小ささを優先するあまり冷却力が犠牲になったり、ファンノイズが大きくなるなどのデメリットを生みがちだが、DUAL-RTX2070-O8G-MINIはそれらの犠牲を最小限に抑えているのだ。
ROG STRIXシリーズにも採用されている「Axial-Tech Fan」を2基実装して風量を高めるとともに、アイドル時や低温時はファンの回転が止まる「0dB Design」を採用している。小型カードの準ファンレス仕様はわりと珍しい。一見シンプルでコスト重視のカードのように見えるが、細部はASUSの技術をふんだんに組み込んだ上位シリーズにも劣らない製品なのだ。
クーラーは口径88mm(実測)のファン2基を配置しているため、ブラケットよりも若干上側に張り出す格好になっている
補助電源は8ピン1系統。NUC 9 Extreme/Pro Kitなら余裕で養える。Thunderbolt 3接続のVGA Boxに組み込むために買っても良さそうだ。クーラー上部にはRGB LEDのワンポイントイルミネーションも備える
映像出力はDisplayPort、HDMI、DVIというスタンダードな構成
もちろん、RTX 2070だからDXR(リアルタイムレイトレーシング)やDLSS(Deep Learning Super Sampling)、VRS(Variable Rate Shading)といった最新のグラフィック技術もすべて対応。動画エンコード機能(NVEnc)も最新のものが使われているため、ゲームのプレイ動画を高画質で残したい人にもオススメだ。
「GPU-Z」で評価に使用したカードの情報を拾ってみた。ベースクロックやメモリークロックはリファレンス仕様だが、ブーストクロックは30MHzアップの1650MHzとなる
カードのTDPの最大値(Power Limit最大値)は定格の9%アップまでに制限されている。大型カードだと20%程度まで引き上げられるが、クーラーが小さいぶんオーバークロック(以下、OC)の伸びしろは狭く設定されているようだ
NUC 9 Extreme/Pro Kitに組み込んだ時のイメージ。ボディーの奥行きを目一杯使っていることがわかる。ちなみに、CPUはビデオカードの下ではなく、裏側に装着されたモジュール(Compute Element)に実装されている
NUC 9 Extreme/Pro Kitのボディー剛性を確保するサイドバーを装着すると、RGB LEDが隠れてしまうのは残念だが、これは致し方ないところ。この面はほぼ全面メッシュのカバーで覆われるので、ファンの通気性は十分に確保されている