ほんの数年前までは、ビジネス文書の作成や編集と言えばPCで作業するのが一般的だったが、最近はスマートフォンやタブレットで作業する人も増えてきた。モバイルPCを持ち運ばずに済むのは結構助かるのだが、メッセンジャーレベルならまだしも、ちょっとした文書を作成しなければならないときはキーボードが欲しくなるだろう。そんなときに役立つのが、コンパクトなモバイルキーボードだ。というわけで、今回はiPhoneやiPadで利用できるロジクールの「ウルトラポータブルキーボード」を紹介しよう。
↑ロジクールの「ウルトラポータブルキーボード」。実売価格は9500円前後。 |
本製品はとにかく持ち運びを重視した仕様だ。サイズは242(W)×6(D)×137(H)mm、重量は180gと、非常に薄くて軽量なつくり。ともすれば打鍵感が犠牲になりそうだが、キーピッチは17mm、キーストロークは1.2mmとタイピングするのに必要最低限なレベルは十分クリアーしている。キートップ部分は凹凸が付いており、1枚のラバーのような素材で作られているのが特徴だ。キーごとに分離はしていないものの、キー構造はパンダグラフを採用していて、押しにくいこともなくしっかり反応してくれる。
↑ラバーのような素材のキーボード。 |
↑キートップは凹凸が付いているので位置の認識ができる。とにかく薄い。 |
キーボード面が1枚のラバーで覆われている都合上、ある程度なら水に濡れても大丈夫な仕様になっている。飲み物をこぼしたときでもサッと拭き取れば問題なく使えるし、ホコリが入り込むこともないので、清潔に保てるのは嬉しいポイントだろう。
↑多少水で濡れても、拭けば問題ない。 |
キー配列は78キーの英語レイアウト。日本語キー配列ではないため、returnキーが1段分しかない、記号の配置が違うといった問題があり、慣れるまでは押し間違いがあるかもしれない。ちなみに筆者は「かな入力」派なので、どちらにしろタイピングしづらいのだが、そもそもiOSはかな入力がないので致し方ない。
↑キー配列は78キー英語レイアウト。alt表記もあるので、Windows系でも使えそう。 |
iPhoneやiPadとの接続にはBluetoothを利用する。ペアリングを行なうには、iPhone側は「設定」の「Bluetooth」画面を表示しておき、本製品側は電源を入れるだけ。電源が入ればスマホ画面には「KEYS-TO-GO」の名前でキーボードが表示されるので、選択すればペアリング完了だ。1度ペアリングしたあとで他のスマホやタブレットともペアリングさせたいときは、本製品の「Bluetooth」ボタンを長押しするとLEDが青く点滅して再度ペアリング待ち状態に移行する。
↑「設定」の「Bluetooth」で「KEYS-TO-GO」を選択。 |
↑「Bluetooth」キー長押しで、再ペアリングが可能。 |
バッテリーを内蔵し、マイクロUSB端子経由で充電ができる。満充電までの必要時間は2時間30分で、最大約3ヵ月の長期間駆動を実現しているのはありがたい。2時間使用していないと自動的にスリープ状態になるが、利用しないときは電源をオフにしたほうがバッテリーを消費せずにすむだろう。
↑側面に電源スイッチとマイクロUSB端子がある。 |
iPhone用のスタンドが付属しており、キーボードに差し込むようにして利用することで、iPhoneをバランスよく斜めに立てられる。ただし、iPhoneケースの厚みによってはうまく溝にはまらないので注意が必要だ。また、ホームボタンが溝にかかるため、多少押しづらくなり、指紋認証によるロック解除がちょっとやりにくい。キーボードにあるホームキーを使い、pinコードなどを入力して解除するほうがラクだ。
↑付属のスタンドはキーボードにはめて利用。iPhoneはOKだが、iPadは重量があるためうまく立たなかった。 |
もともとホームボタンのないiPhone Xの場合だと、キーボードのホームキーを押して顔認証でロック解除したあと、もう一度ホームキーを押せばホーム画面へ移行できた。下からスワイプして解除する必要がないため、画面が溝ギリギリの位置になるが操作上は問題なさそうだ。
↑iPhone 8 PlusとiPhone Xをスタンドに置いた場合。 |
↑iPhone 8 Plusはホームボタンに少しかかるため、指紋認証はしづらい。 |
キーボードにはホームボタンのほか、アプリケーション切り替え、検索、言語切り替え、オンスクリーンキーボード、スクリーンショットなどのキーがあり、さらに音楽再生関係やボリュームキーも用意されている。また、fnキーと左右のカーソルキーを押すと単語単位での文字選択機能が利用できて便利。もちろんコピーやカット、ペーストもfnキーやcmdキーと組み合わせて利用可能だ。
ただし、スクリーンショットキーはiPhone 8やiPadなどホームボタンのあるタイプでは大丈夫だが、iPhone Xでは動作しなかった。これはスクリーンショットの割当キーが違うためだろう。
日本語と英語の切り替えは、言語切り替えキーのほか、capslockキーやctrl+Spaceキーでも可能。言語切り替えキーはちょっと上のほうにあるので、capslockキーを利用したほうがラクそうだ。
↑切り替えキーを押すたびに、利用できる言語が切り替わる。 |
キータッチは先述のとおり、しっかり押した感があるので意外とスラスラとタイピングできる。音もしないので、静かな場所でも安心して利用できる。
実売価格は9500円前後。とにかくペラペラに薄いので、カバンの中に忍ばせておいてもじゃまにならない。バッテリーもかなりもつ上に、充電容量が20%を切るとLEDランプが赤く点滅して知らせてくれる。iPadで利用する場合は、別途スタンドを用意したほうが良さそうだが、机にそのまま置いて使っても問題ないだろう。オンスクリーンキーボードでタイピングするよりは格段にやりやすいので、作業効率は上がるはず。iPhoneやiPadで作業することが多い人にオススメだ。
■関連サイト
ロジクール「ウルトラポータブルキーボード」製品ページ
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