↑『SLIM COMBO iK1092』。実売価格は1万7000円前後。 |
10.5インチのiPad Proが販売開始となって以降、純正の『Smart Keyboard』をはじめ、いくつかのキーボードカバーが登場している。大抵はキーボード及びスタンドとしての機能しか有していないが、バックライトが付いた本格的なキーボードケースがあるのをご存じだろうか? 今回はロジクールのiPad Pro 10.5インチ専用ケース『SLIM COMBO iK1092』を使ってみた。
『iK1092』はキーボード部とiPad Proケース部が分かれており、ケース部分はiPad Proをガッチリはめ込むプラスチック製。背面にはキックスタンドが備わっている。ケースの厚さは実測で15mmほどあり、装着すると厚さ6.1mmのiPadがやたらとゴツく感じられるようになる。iPad Proのディスプレー面からケースのエッジ部分までの高さは実測で4mmほど。ここがよりゴツさを演出しているのだが、この空間はディスプレー面を保護するために必要なのだろう。キーボードを装着した際も、キーボード部分がディスプレーに接しないので、画面にキーの痕が付くようなこともない。iPad Proをしっかり守ってくれるという安心感は絶大だ。
↑プラスチック製のカバーは、電源と音量ボタンはカバーされるが、Lightningコネクター部分はカバーされていない。 |
すぐにケーブルを挿せる。 |
↑カチッとiPad Proをはめ込む感じで装着する。そんなに力を入れずにはめ込める。 |
↑エッジ部分がiPad Proのディスプレー表面より4mmほど高くなっている。これによりキーボードのキーとディスプレー面が接触することはない。 |
一方、キーボード部はSmart Connectorを備えており、iPad Proから直接給電で動作するため、ペアリングは不要。電源のオン/オフも必要なく、接続するだけですぐに使えるようになるのは便利だ。消費電力は極力抑えられているようで、1時間のタイピングで、iPad Proのバッテリー消費は0.3%~1.6%ほど増加するだけだという。
↑Smart Connectorにカチッと磁石で吸着するので、簡単に着脱できる。ただし、こちらは磁石なので持ち運ぶ際は落下させてしまわぬよう注意しよう。 |
キーボードはUS配列でパンダグラフ構造を採用。キーピッチは19mm、キーストロークは1.5mm確保されており、やや剛性は弱いもののしっかりとした打鍵感はある。バックライトは強弱及びオフの3段階で明るさが選択できる。バックライトがあることで、暗い場所でのキー入力が容易になるのはありがたい。
↑キーはパンタグラフ構造で、キーストロークも確保されているので打鍵感はある。 |
↑キーボードバックライトを備えていて、暗い場所での操作時に便利。 |
ノートPCのようにキーボードを使って作業したいときはキーボードを装着し、タブレットとしてアプリを操作したいときは、取り外して使えばいい。キーボードを装着したままiPad Pro側へ折り曲げて閉じれば、見た目がノートPCのようになり、そのまま持ち運べる。閉じると、iPad Proは自動的にスリープ状態になり、開くとスリープが解除される。
↑キーボードを外して、タブレットとして利用するのもいい。 |
重量はケースが約236g、キーボードが約301g(いずれも実測)。iPad ProがWi-Fiモデルで469gだから、合計すると1006gと1kgをオーバーし、ちょっとしたモバイルノートPC並の重さになる。そのぶん、スタンドなどはしっかり作られていて、カバー側が任意の位置で固定できる。使いやすいディスプレー角度に調整して利用しよう。また、立てて利用することもでき、FaceTimeのようなフロントカメラを利用するアプリを使うなら、テーブルにおいて利用できるのが便利なところ。
↑スタンドは自由に角度を調整できるタイプ。使いやすい位置に合わせて利用できる。 |
↑スタンドを直角に立てて利用することも可能。 |
カバーにはApple Pencilを差しておくホルダーが用意されていて、いつでも抜き差しできる。Apple Pencilは、iPad Proと一緒に持ち運ぶ際、収納するところがないと失くしそうで不安になるが、その不安を払拭してくれる。ケースのスタンドを調整していちばん低い傾斜角にすれば、テーブルにおいて描くときにちょうどいい感じ。キーボードが外せるので、テーブルの手前の方に置けるのも描きやすい要因だ。
↑カバーの側面にApple Pencil用のホルダーがあり、抜き差しが可能。「ペンどこいった?」 ということがなくなる。 |
↑スタンドの角度を最大限に広くと、かなり浅い角度で利用できる。Apple Pencilを使って文字や絵を描く際に丁度いい。 |
キーボードに関しては、そもそもUS配列なので好みが分かれるだろう。筆者はJIS配列に慣れているため、Enterキーを押したつもりがバックスラッシュになることが度々発生した。それでも、文章を書く際はiPadのソフトウェアキーボードより断然入力しやすく、commandキーやカーソルキーが利用できるので、コピペやカット&ペースト、取り消しがキー操作でできるのはとてもありがたい。ちょっと原稿書きもしてみたが、Enterキーさえ間違わなければ問題なかった。
左下にある地球儀キーを押すとキー入力モードを切り替えられるのだが、ここでちょっとした問題が発生した。あまり一般的なケースではないが、実を言うと筆者は普段、かな入力を使っていて、ローマ字入力は苦手だ。そこで、キーボード部分を外したソフトウェアキーボードの設定で、「日本語-かな」を登録してみたところ、50音に並んだキーが表示されたのである。いやいやいや、ローマ字入力できない=ひらがな入力するのは超初心者とでも思っているのだろうか? iPhoneだとフリック入力になるが、これならいっそiPadでもフリック入力にしてほしいぐらいだ。ここはせめて選択式にしてほしかった。
↑左下の地球儀キーを押せば入力切り替えができる。ただ、かな入力はそのままの設定ではできない。 |
↑『日本語-かな』のソフトウェアキーボードは50音配列で、ここは残念極まりない。せめて選択式にしてほしい。 |
ハードウェアキーボードを接続した場合はちゃんとかな入力が可能になるのだが、ハードウェアキーボードの設定で(キーボードが接続された状態でないと表示されない)で「日本語-かな」を「自動」から「かな入力」に変更しなければならない。US配列であることに加え、かなの印字がないので、どこにどの文字が割り当ててられているのかタッチ&トライする必要がある。とはいえ右端側のキー配置が違う程度なので、タッチタイピングできる人なら慣れていなくても問題なく使えるかもしれない。
↑ハードウェアキーボードの設定で、「日本語-かな」の設定を「かな入力」にすると、US配列でもかな入力が可能に。 |
実売価格は1万7000円前後。iPad Proをしっかりガードし、モバイルPCのような感覚で使いたい人、Apple Pencilを快適に使いたい人などにはオススメ。Bluetooth接続のキーボードと違って充電の必要もないし、接続したらすぐ利用できるのは断然扱いやすい。キータッチを気にする人なら、純正のキーボードカバーよりは本製品のほうが上だ。JIS配列にこだわらず、むしろUS配列派なら本製品をチョイスしたい。
↑こうしてみると、ちょっとしたノートPCのよう。 |
■関連サイト
『SLIM COMBO iK1092』製品ページ
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15,589円
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