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21:9の湾曲ゲーミング液晶はゲーム以外でも便利に使えるの?

2016年11月20日 09時00分更新

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↑LGエレクトロニクス『34UC79G-B』。実売価格は8万6000円前後。

 10月14日に発売されたLGエレクトロニクスの『34UC79G-B』は、アスペクト比21:9の湾曲ディスプレーで、高速応答やAMD FreeSyncテクノロジーに対応するなど、ゲームに特化した機能満載の注目製品だ。最近の湾曲ディスプレーはゲーマー向け製品が多いが、ゲームをしない人でも気になっていたりするのではないだろうか。普段それほどゲームをプレイしない筆者でも便利に使えるかどうか、実際に試してみる。

 液晶のサイズは34インチ(2560×1080ドット)。インチ数だけ聞くとかなり大きい印象があるが、21:9という画面比率のため、幅は831mmと長いものの、高さが500mm程度(スタンドは450~570mmに高さ調整可能)なので、机においても圧迫感が少ない。筆者はもともと2画面体制で作業をしていたのだが、置き換えたときに高さも横幅もほとんど一緒だったので、抵抗なく使用できた。

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↑横になが~いディスプレー『34UC79G-B』。ベゼルの厚さは1.5mmだが、表示されない部分を含めると、いちばん小さいところで11.8mm。
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↑背面から見ると赤がポイントになっていてかっこいいデザイン。
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↑高さ調整は可能で、上下移動はスムーズ。

 IPS液晶を採用し、応答速度は5ms。リフレッシュレートは144MHzに対応している。視野角は水平/垂直とも178度で輝度は250cd/m2。コントラスト比は最大500万:1(通常は1000:1)と、ISPならではの特性を示している。つまり、どこから見ても色変化が少なく美しい。

 機能としては、1msごとに黒を挿入する“1ms Motion Blur Reduction”を搭載し、残像感を低減。AMDのAPUやGPUを搭載したPCで利用できる“FreeSyncテクノロジー”にも対応し、コンテンツのフレームレートとディスプレーのリフレッシュレートを同期させ、ティアリングやスタッタリングを抑えてくれる。

 また、“DAS (Dynamic Action Sync)モード”を搭載しているので、グラフィックボードからの映像信号をフレームバッファーの処理を通すことなくダイレクトに出力可能。タイムラグが抑えられるので、FPSや格闘ゲーム、レースゲームといった瞬時の判断を要するゲームには有効だ。 さらに、FPSなどのゲームで暗い部分の視認性を高められる“ブラックスタビライザー”といった機能もある。

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↑ピクチャーモードのゲーム設定の違い。

 ディスプレーにはあらかじめFPSやRTSといった画質設定が用意され、ユーザーのカスタム設定もゲーム用と一般用の2つ用意されているなど、ゲーミングディスプレーと謳うだけあり、使い勝手の面まで徹底している。筆者としては、ブルーライト低減モードや目に優しいフリッカーセーフ機能など、長時間ディスプレーに向かってゲーム以外の作業をする人に対してもキチンと配慮されている点が好評価だ。

 ということで、早速使ってみた。筆者は普段先述の通り22.8インチと16インチの2画面環境で作業をしている。16インチの方は、もう十数年使っていて、そろそろ限界かなと思う時期になってきたので、こうしたウルトラワイド液晶はかなり気になっていたのだ。

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↑筆者の元の環境。サイズが違う2つのディスプレーを並べて使っている。

 まず箱から出してスタンドを取り付ける。工具は不要で、脚の部分は手でネジを回し、スタンドとディスプレーはワンタッチで脱着できる仕組み。ひとりで作業を行なったのだが、あっという間に組み立て・設置が完了した。ディスプレーの幅があるので、転倒を防止するためにスタンド部分は意外と大きいが、少し画面の位置が手前になった程度で済んだ。

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↑工具いらずに組み立て可能。組立作業は苦労せずひとりでできた。
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 電源はちょっと大きめのアダプターを介しての接続。入力は、HDMI×2、DisplayPort×1、USB3.0がUP×1/DOWN×2を備える。またヘッドホン用とラインアウト用のステレオミニジャックがあり、ヘッドホンやスピーカーをつなげて音を出力することも可能。スピーカーは内蔵していないので、その点だけは注意しよう。

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↑コネクター類は背面にあり、スタンドにはケーブルサポートが用意されている。USB端子は急速充電にも対応。
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↑34UC79G-Bを設置してみたところ。実にスッキリして気持ちいい。

 最大の特徴である左右端が手前に大きく湾曲した画面は、使う前こそどうなのかと思っていたものの、意外と見やすい感じ。正面に座っていると、湾曲している感じはあまりしない。電源はベゼル中央のロゴの下にスティックタイプのボタンがあるので、それを押す。ディスプレーメニューの操作もこれで行なう。

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↑電源は隠れたところにある。LEDランプはオン/オフの設定が可能で、このボタンはメニュー操作も兼ねているスティックタイプ。
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 明るさ、コントラストともに100%にすると眩しいぐらいで、通常作業だとどちらも50%以下程度で十分。ゲームの場合は、ブラックスタビライザーを活用すれば、黒い部分を明るくしてくれるので、それほど明るくせずともプレーできるだろう。

 ディスプレーの設定は、付属のソフト『OnScreen Control』でもコントロールできる。明るさやコントラスト、サウンドのボリューム、ブラックスタビライザーの設定は、ソフトでやったほうがラクだ。また、あらかじめ設定されているピクチャーモードも選択できるので、ゲームや通常作業でパッと切り替えたいときに利用しよう。

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↑OnScreen Control。特にUSBケーブルで接続することもなく動作する。

 アプリケーションごとにピクチャーモードを変える機能も備わっている。アプリケーションは自由に登録でき、たとえば、Wordを使うときはブルーライト低減で、Photoshopでレタッチするときは明るいフォトモードで、といった具合に設定しておけば、ウィンドウをアクティブにするたびに自動的に切り替わってくれる。これは最高に便利で、積極的に利用することをオススメしたい。

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↑文章を書くときは目に優しくしないと疲れるけど、写真加工時は、色味が大切だからしっかり発色させたい。アプリごとに指定でき、ウィンドウをアクティブにするだけで切り替わるので超便利。

 ちなみに筆者の環境だと2画面から1画面となった結果、横のサイズは400ドットほど少なくなり、縦は30ドット増えたが、作業領域の広さ的には十分だと感じた。いちばんの違いは全画面表示で、これまではどちらか一方の画面全体に広がったのが、1画面全体に広がるのにはちょっと戸惑った。ただし、見開きページを表示しても、まだ余白があるという利点もある。Wordだと一気に3ページ分も表示されるのは面白い。

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↑Wordだと3ページ分を一気に表示。画面が広いと見やすいこともある。

 なお、こうした状況を回避するために、エッジにウィンドウをドラッグして表示するスナップ機能が大いに役立っている。Wordでもブラウザーでも基本半分のサイズで十分なので、2つ並べて作業するときは非常に便利だ。

 ちなみに、OnScreen Controlには画面を分割して整列する機能も備わっており、これを使うのも有効だ。中でも一番気に入ったのが、PinP(ピクチャー・イン・ピクチャー)機能。画面の四隅にウィンドウをワイプ表示できる枠があり、ウィンドウをその枠へドロップするだけで簡単なマルチウィンドウ表示ができてしまう。PinP状態のウィンドウは、エッジ側以外は自由にサイズを変更でき、邪魔にならないサイズにしておくこともできる。

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↑このPinP機能がなにげに超便利。枠にウィンドウをドラッグ&ドロップするだけで設定可能。枠から外せば設定解除される。
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↑Photoshopを全画面で使いつつ、ファイルをドラッグ&ドロップで開きたいとき、常に全面にあるのでウィンドウを切り替えずに済む。

 1ms Motion Blur Reduction機能は、OnScreen Controlから設定できず、ディスプレーのメニューから指定する。オンにすると、画面の明るさが若干落ちるが、動画などを見ていても、映像が左右にパンする場合は明らかに違いがわかる。ただDASモードとの併用はできないので、どちらを優先するか考える必要はある。

 この『34UC79G-B』の実売価格は8万6000円前後。ゲームをやる人にはもちろん、意外と通常作業する人にも使い勝手がいいのでオススメだ。21:9ディスプレーを選ぶ場合は、20インチ台だとサイズが小さいので細さが際立つので、この34インチ程度がピッタシだと思う。筆者もやはり21:9なディスプレーは便利だったと痛感し、もう元の環境には戻りたくなくなってしまった。これはポチるしかないかも。

■関連サイト
『34UC79G-B』製品ページ

 

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