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UHS-I U3って本当に速いの?超高速をうたうマイクロSDカードでRAW+JPEGを連写テスト

2016年05月22日 10時00分更新

 マイクロSDカードといえば、あくまでスマホやタブレットのストレージ容量を増強するためのもので、速度はそれほど気にしないという人が多いかもしれない。数年前までは筆者もそうした用途でマイクロSDカードを買い、使っている場合がほとんどだった。

 しかしここ最近、マイクロSDカードにも高速なアクセス速度を実現する高性能モデルが続々登場してきている。日本サムスンが販売する『Samsung microSDカードPRO Plus』シリーズも、そういった超高速マイクロSDカードのひとつだ。容量は32GB、64GB、128GBをラインアップしている。

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日本サムスンの超高速マイクロSDカード『Samsung microSDカードPRO Plus』の128GBモデル。

 Samsung microSDカードPRO Plusは、UHS-I スピードクラス3(U3)対応で、リード最大毎秒95MB、ライト最大毎秒90MBの速度を誇る、日本サムスンのマイクロSDカード製品の中で最上位に位置づけられる製品だ。UHS-I U3といえば、4K動画対応デジカメなどで利用するSDカードとして推奨されているもの。つまり、現在市販されているマイクロSDカードの中でも、トップクラスの速度を誇る製品というわけだ。

 性能だけでなく、マイナス25℃から85℃の範囲内での問題ない動作、X線や強力な磁気への耐久性、海水中でも最大72時間耐えるなど、防水性や耐久性に優れるのも大きな特徴だ。ここまでタフな仕様をうたうなら、過酷な環境下でも安心して利用できるだろう。

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マイクロSDカードでも、GoProのようなアクションカメラで4K動画を撮影をする場合など、大きなデータを素早くやり取りするために高速なアクセス速度が要求される場面が増えてきている。

 これまでマイクロSDカードは、アクセス速度よりも容量を重視されることが多かった。冒頭でも紹介したように、速度がそこまで要求されないスマホやタブレットでのストレージ利用が中心だったからだ。しかし、マイクロSDカードに対応するウェアラブルカメラなどで4K動画の撮影が可能になってきたことで、マイクロSDカードにも高速なアクセス速度を要求する場面が増えてきた。それに応えるように、高速なアクセス速度を誇るマイクロSDカードが続々登場しているわけだ。

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付属のSDカードアダプターを利用すれば、超高速SDカードとしても利用可能。アダプター利用時も最大限の性能で利用できる。

 しかも、マイクロSDカードだからといって、マイクロSDカード対応機器でしか使えないわけではない。Samsung microSDカードPRO Plusも同様だが、一般的にマイクロSDカードにはSDカード変換アダプターが付属しており、SDカードとしても利用できるものも多い。しかも、アダプターに装着したからといって性能が落ちることはなく、本来の性能をフルに発揮できる。つまり、超高速マイクロSDカードとしてだけでなく、超高速SDカードとしても利用できるため、ハイエンドデジカメでも問題なく利用できるのだ。2種類のメモリーカードとして活用できるので、さながら”小は大を兼ねる”と言ったところだ。
 

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カードをアダプターに差し込むだけで、SDカードとして利用可能になる。
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アダプターの裏面はSDカードとまったく変わらないデザインとなっている。

 そうは言っても、アダプター経由となると接触点が増えるため不安、と感じる人もいるかもしれない。そこで、実際にSDカード対応デジカメを利用して、問題なく利用できるのか、またハイエンドSDカードと比べて速度の面で見劣りしないか、検証してみた。

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変換アダプターでSDカードとしてデジカメに挿入し、高速連射モードで記録が終了するまでの時間を計測した。

 利用したデジカメは、パナソニックの『LUMIX GX7 Mark II』。最高画質JPEGとRAWデータの同時記録の設定で、高速連写モードで50枚の写真を連写し、撮影開始からメモリーカードへの記録が終了するまでの時間を計測してみた。計測はストップウォッチを利用し、3回計測した平均となる。また、比較のためUHS-I U3対応でリード最大毎秒95MB、ライト最大毎秒90MBの速度を誇るハイエンドSDカード(容量64GB)と、リード最大毎秒30MB対応の低価格SDカード(容量8GB)を用意し、同様のテストを行なった。

 結果は下にまとめたとおりで、低価格SDカードに比べて2倍以上高速だったと共に、ハイエンドSDカードと比べてもほぼ同等(わずかな差はあるが、手動計測のため誤差と言える)だった。その後、SDカードアダプターを利用し、数日デジカメで写真を撮影してみたが、撮影データの保存エラーなどのトラブルは一切発生しなかった。

●撮影データの保存にかかった時間 *1

Samsung microSDカードPRO Plus 約48.0秒
UHS-I U3対応SDカード 約48.3秒
低価格SDカード 約1分43秒

*1:最高画質JPEGとRAWデータの同時記録の設定で、高速連写モードで50枚の写真を連写し、撮影開始からメモリーカードへの記録が終了するまでの時間を計測。ストップウォッチを利用した3回計測の平均。

  最近ではタブレットや2in1 PCを使う人も増えているが、そういった製品はメモリーカードスロットとしてマイクロSDカードスロットしか備えていない場合も多い。そうした環境で撮影した写真を扱うには、USB接続のSDカードリーダーを使うなどの工夫が必要だったが、はじめからマイクロSDカードを利用して写真を撮影すればそんな面倒な作業も不要となる。

 価格は、普及価格帯のモデルに比べるとさすがに高価だ。とはいえ、32GBモデルで3700円前後、64GBモデルで7000円前後、128GBモデルで1万4000円前後と、ハイエンドSDカードとして考えると特別高価なわけではなく、十分にお買い得だ。スマホやタブレットの容量増強用としてなら安価な製品をチョイスすべきだが、ハイエンドデジカメや4K動画の撮影用機材での利用を想定しているなら、断然こちらがオススメだ。

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より安価なモデル『Samsung microSDカードEVO Plus』も販売されており、スマホやタブレットのストレージ補強用としてはこちらもオススメ。

 ちなみに、「速度はもう少し遅くていいから、もっと安価なモデルが欲しい」という人向けのやや速度を落としたモデル『Samsung microSDカードEVO Plus』も別途販売されている。こちらはリードが毎秒80MBと、PRO Plusシリーズに迫る速度をキープしており、スマホやタブレットで撮った写真・動画の保存など、データ読み出し頻度の高いデバイスのストレージ容量増強にぴったりだ。一方で、ライトは最大毎秒20MBとグッと落ちこむため、前述したような4K動画の撮影には向かないと言える。

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こちらもアダプターが付属しており、SDカードとして問題なく利用できる。

 価格は32GBモデルで1300円前後、64GBモデルで2500円前後、128GBモデルで6300円前後と、PRO Plusシリーズに比べればずっとリーズナブルとなっている。マイクロSDカードやSDカードの出番はまだまだ多いので、自分の用途に合った製品を購入しておくのがオススメだ。

■関連サイト
『Samsung microSDカード』製品ページ

 

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