週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

深夜でも使える?小音量と迫力を両立した2.1chゲーミングスピーカーの実力とは

2016年01月30日 10時00分更新

 ゲームを最大限楽しむなら“音”にこだわることは重要だ。環境音や銃撃戦、爆発音など、迫力あるサウンドはそれだけでゲームへの没入感をぐっと高めてくれる。

 ただし、ゲーマー向けの音にこだわった製品はほとんどがヘッドフォン、あるいはヘッドセット。大型のヘッドフォンは長時間の装着に向かないこともあり、気軽にゲームを楽しむためのスピーカーが欲しいという人は少なくないのではないだろうか。そんな人にオススメなのが、2.1chスピーカー『Ballista GS315』だ。

ばりすた
『Ballista GS315』。実売価格は2万2000円前後。

 Ballista GS315は、“ゲーミングスピーカー”のうたい文句通り、ゲーム向けのサウンド調整を施した製品。2基のサテライトスピーカーとサブウーファーを組み合わせ、特に戦闘場面でのリアルな銃声や斬撃音、迫力のある爆発音を再現し、FPSにPG、アクションゲームなどの没入感を高めるとしている。開発はゲームキャプチャーなどの製品で有名なAVerMediaだ。

ばりすた
Ballista GS315と他社製の同クラススピーカーを比較した周波数特性のグラフ。赤線で示したBallista GS315の音は、低音・高音域の特定周波数の再生に特徴があるという。

  まず目につくのは、バリスタ(大型の矢や弾丸、石などを打ち出す兵器)の名にふさわしい、攻撃的でド派手な外観。ブラック・レッドカラーを採用した「これぞゲーミングデバイス!」という感じのディティール多めなデザインで、ゲーミングPCなどによくマッチしそうだ。2基のスピーカーとウーファーを使用することもあり、実際に設置したときの存在感はかなりのもの。こうしたシステムは得てして設置場所に困りがちだが、サテライトスピーカーは背面に壁掛け用の穴が空いており、スペース的に厳しい場所でも利用できるよう配慮されているのが好印象だ。とはいえ、サブウーファーはほぼ25cm四方とかなりの大きさなので、足元に設置するなど、自宅のスペースに合わせて置き場を考えたい。

ばりすた
外箱はこのぐらいのサイズ。かなりでかい。
ばりすた
サテライトスピーカー。外観では1Wayスピーカーに見えるが、3つのユニットを備える3Wayスピーカーだ。
ばりすた
中央部に見えているのが中音域を担うミッドレンジユニット。上下に高音域を担うツイーター、超高音域を担うスーパーツイーターを備える3ユニット構成となっている。
ばりすた
背面に壁掛け用のフック穴があり、別途フックを用意すれば壁に掛けられる。

 2つのサテライトスピーカーは、内部に3つのスピーカーユニットを搭載するのが大きな特徴。中音域を担うミッドレンジユニットのほか、高音域を担うツイーター、超高音域を担うスーパーツイーターの3ユニット構成とし、金属音などの高音に対応している。

ばりすた
サブウーファー。ほぼ25cm四方で、机の上に置くのは難しそうだ。ウーファーが担う低音は指向性が弱いので、机の下などに置いても使える。
ばりすた
背面にはオーディオ機器らしいバスレフダクトが。

 サブウーファーはほぼ25cm四方のキャビネットを採用、最大出力48Wという巨大さで、迫力ある低音再生が可能となっている。ゲームで重視される高音・低音域の再生へのこだわりが見える仕様だ。

ばりすた
コントロールボックス。音量調整やアサシンモードのオン/オフが可能。こちらもなかなかの大きさで、縦置きにも対応する。
ばりすた
上から、電源スイッチ、アサシンモード切り替えスイッチ、入力切り替えスイッチ。
ばりすた
ひときわ大きなツマミが総合ボリューム。下の2つのツマミはTREBLE(高音)、BASS(低音)を個別に調整できる。
ばりすた
コントロールボックス背面。スピーカーを接続する出力端子のほか、RCA入力とAUX入力を用意。デジタル入力がないのはやや残念。

 また、手元でスピーカーを操作できるコントロールボックスが付属する。机に置いておけばツマミから全体の音量やBass(低音域)・Treble(高音域)のみの音量を調節できるほか、後述するアサシンモードのオン/オフも1ボタンで変更可能。わりと便利だが、コントロールボックス本体もかなりの大きさなのはやや気になるポイント。ただでさえ大がかりなシステムなので、個人的にはもう少しスマートになればいいなと感じた。

ばりすた
設置イメージ。かなり大げさな感じになるが、「豪華な機材でゲームやってる」気分に浸れるので個人的には○。

 実際にFPSタイトルのゲームをプレイし、どういった音が出るのかをチェックしてみた。ゲームを開始してすぐに分かるのは、このスピーカーが一般的な製品とはまったく味付けの異なるものであるということだ。低音域・高音域が非常に強調されており、銃撃やリロード・排莢などの高音は鋭く突き刺さるように、爆発などの衝撃音はずしりと腹に響くように、抜群の存在感で前に出てくる。まさに「目の覚めるような音」という感じで、リアルな戦場の雰囲気を存分に味わえた。中音域も出てはいるものの、低音・高音に押されてやや窮屈そうに聴こえるシーンもあるのは致し方ないところだろう。標準状態でも十分に迫力はあるが、コントロールボックスで低音域と高音域を強調すれば、さらに激しい音を出すこともできる。

 特性上、どうしてもSEのインパクトが強くなるため、ゲーム中のBGMをじっくり聴いたり、単に音楽鑑賞に使うには向いていないと言っていい。FPSなど戦場の迫力が重視されるゲーム全般や、爆発多めのアクション映画鑑賞などに使えば、いつも以上の緊迫感を味わえることは間違いナシだ。

 一方でスピーカーによる再生につきものなのが、音量の問題。もともと人間の耳は音量の大きさによって低音・高音の聴こえ方が変わるようになっており、音量を小さく絞った場合、中音域は強く、低音・高音は弱く聴こえてしまう。要するに住宅の都合や深夜などに音量を絞らざるを得ない場合、そのままの状態では低音・高音は楽しみにくくなるわけである。
 

ばりすた
小音量時の低音・高音を補正するアサシンモードの起動時。コントロールボックスのスイッチが点灯する。

 こうした問題を避けるため、Ballista GS315に搭載されているのが“アサシンモード”だ。これは音量バランスを補正してくれるモードで、使用すると中音域の音がぐっと下がり、ボリュームを絞っても低音・高音域を比較的損なわずに再生できる。いわゆるラウドネス機能なのだが、小音量でのゲームプレイ時にはかなり役立つと言える。アクションゲームは音により状況判断を行なう場面も多く、どのような音量でもバランスの取れた音を出してくれるのはユーザーにとって非常にありがたい。筆者も夜遅くに帰宅してPCゲームをプレイすることが多いが、アサシンモードを使えば小音量でも臨場感を維持してプレイを楽しめると感じた。

 入力端子はRCA入力とAUX入力の2系統で、PCのほか、コンシューマーのゲーム機などを接続できる。光デジタルや同軸デジタルなどの端子はなく、そこは惜しいなと思う。実売価格は2万2000円前後とそこそこのお値段だが、競合ゲーミングスピーカーと比べても特別高いわけではなく、迫力あるゲームプレイを楽しみたいなら悪くない選択肢だ。より一層ゲームにのめりこみたい人はもちろん、騒音は気になるが長時間のヘッドフォンやヘッドセット装着は避けたい人などにもオススメしたい。

■関連サイト
『Ballista GS315 』製品ページ

 

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります