ついに本命登場の予感だ。
なぜiPhoneには「スクリーンショットを動画で撮れるサービス」がないのかと前から疑問に感じていた。人気アプリを使っているところを動画のスクリーンショットとして保存しておけたら便利なのにな、と。
シリコンバレー企業スプラッシュトップが開発したリモートスクリーンサービス「GetHelp360」は、コアな期待にこたえるだけの技術を備えている。
ゲーム実況も意識して開発中
GetHelp360は、iPhoneやiPadの画面をインターネット経由でパソコンに映すサービスだ。使うときは、iOSアプリ「GetHelp360」を立ち上げてサーバーにつなぎ、AirPlayで映しだす先を選ぶだけ。これだけで画面が転送される。
パソコンで画面の録画も簡単だ。いままではAirPlayでミラーリングできる先に限りがあったが、GetHelp360の場合はWindowsパソコンでも表示できる。
ただしGetHelp360は、最初は法人向けでスタートしている。
たとえば会社で使っているiPadアプリが営業先でエラーを起こしたとする。今までは営業マンが本社の情報システム部に電話をかけ、画面についてあれこれ説明していた。しかし画面さえ転送できれば、電話の必要はなくなるというわけ。
一方、消費者向けに需要があればぜひ製品開発につなげていきたいと、同社は強い意欲を見せている。話を聞いてみると、Amazon.comのゲーム実況向けライブ配信プラットフォーム「Twitch」を意識しているようだ。
現在、同じ技術を使ってiPhoneの画面をAndroidにインターネット経由で転送する技術についても研究を進めているらしい。iPhoneからAndroidへの画面転送が実現できたとすれば、ライブ配信の枠組みそのものが大きく変わってくるはずだ。
「PC→iPhone」を応用した
スプラッシュトップは「パソコンの画面をスマホやタブレットで見る」という、リモートデスクトップサービスの世界大手。タブレットでの営業が増えているという保険・金融業界を中心に、世界2000万人超のユーザーを抱えている。
GetHelp360は本家リモートデスクトップの逆バージョンというわけ。
スプラッシュトップの強みは、動画の差分を検出して配信する技術。とくに3G、LTE環境下での転送が得意分野。動画の輪郭が少しぼやけることがあっても、動きがカクカクしたり、途中で止まってしまうことが少ないのが特徴だ。
おなじ技術がGetHelp360に組み込まれているため、パソコンはほとんど遅れなくiPhoneの画面を表示できる。
ともあれ、まずは法人向けサービスとしてのGetHelp360が普及しないと、同社も消費者向けを開発するふんぎりがつかないはず。なんとなくやきもきしながら、来たるべき鉄板サービスの登場を待ちたいところ。
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