週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

USBオーディオインターフェース「DS-DAC-10R」のファーストインプレッションをお届け

レコードをずっといい音で、コルグの録音できるDACがスゴイ!

2015年10月25日 11時00分更新

デジタル処理のイコライザーで完璧な補正

 DS-DSC-10Rにもフォノイコライザーの仕組みはあるのですが、イコライジングやカーブの設定はAudioGate 4でやっているところがミソです。DS-DSC-10R本体にはイコライザ回路は載っておらず、DSDの信号をソフトウェア的に処理するという仕掛です。

 アナログ回路のイコライザーは温度の影響を受けやすく、パーツのバラツキもあり、左右チャンネルで特性が揃わない。そこをデジタルで処理しておけば、正確にイコライジングできるでしょ、というのがコルグのみなさんの主張です。なるほど!

 AudioGate 4には、RIAAのほかにも、5種類のイコライザーのカーブがプリセットされています。RIAAに統一される以前の時代には、レーベルごとにさまざまなカーブが存在していたそうですが、どのカーブかはレコードに書かれていない。それで、AudioGate 4には、イコライザーをオフにして録音し、再生時にカーブを選ぶこともできます。これで、どのイコライザーが適切なのか、音の違いを確かめられます。なんともマニアックな機能で、必要とするユーザーも限られると思いますが、ほかにも応用できそうなアイデアです。

レコードをずっといい音で、コルグの録音できるDACがスゴイ!
発表会では、TechnicsのターンテーブルSL-1200MK3Dと、MC型のカートリッジDENON DL-103でデモが行なわれました。DS-DAC-10RのPHONO端子は電圧の低いMC型には対応していないので、別途昇圧トランスが必要です。トランスにはフェーズメンションのT-300が使われていました

 たとえば、現在ティアックが生産しているカセットデッキには、もうドルビーノイズリダクションの設定がありません。理由は部品の調達難だそうです。いずれ昔録音したテープが正常に再生できなくなるのは確実です。でもコルグのエンジニアの方によれば「もし技術的な情報が公開されるなら」カセットテープのイコライザーや、ドルビーなどにも対応できるかもしれない、とのことです。関係各方面のみなさん、ぜひご検討を。

レコードをずっといい音で、コルグの録音できるDACがスゴイ!
各種オーディオフォーマットの録音、変換、DSDの編集が可能なソフト「AudioGate 4」。Direct Sound、WASAPI、ASIO、そしてMacOS XのCore Audioに対応(ただし、まだMacOS X 10.11には対応していないのでご注意を)。コルグのDSD関連製品やAudioGate 3のライセンスを持つユーザーは無償アップデート、単品購入は1万9800円。もちろんDS-DAC-10Rには無料で付いてきます
レコードをずっといい音で、コルグの録音できるDACがスゴイ!
コルグのiOS機器向けアプリ「iAudioGate」もDS-DAC-10Rで利用可能。Lightning-USBカメラアダプターなどを使って接続し、セルフパワー対応のUSBハブなどで電源を供給して使います。ただしフォノイコライザー機能は使えません
この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります