週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

もう最強?ガラケーでもスマートロックを実現するAkerun Remoteが登場!アプリも不要

2015年07月23日 10時00分更新

Akerun Remote
今回発表された「Akerun Remote」(右)とAkerun(左)。この2製品により、最強のスマートロック環境が実現します。

 みなさん、おはようございます。いまは週刊アスキーの吉田でございます。さて、ワタクシがだいぶ前から勝手に追いかけているスマートロックロボット「Akerun」でおなじみの(株)フォトシンスが、またまた新製品と新サービスを発表しましたよ。

Akerun Remote
「Akerun」の開発元である(株)フォトシンスの河瀨航大社長。

 週アス読者の皆さんであれば、スマートロックという言葉も聞き慣れていると思いますが、簡単にいうとスマホを鍵として使えるシステムのことです。Akerunだけでなく、すでにさまざまな企業がスマートロック製品を発表していますが、日本で実際に買えるのはいまのところAkerunぐらいです。

Akerun Remote
国内で今すぐ手に入るスマートロック(スマートロックロボット)は「Akerun」だけです。

 Akerunの仕組みは、Akerun本体に搭載されたBluetooth Low Energy(BLE)モジュールとiPhoneなどのBluetooth 4.0以上に対応したスマホを組み合わせることで、スマホ上の専用アプリからドアの施錠や解錠ができるというものでした。BLEの通信範囲は20m程度なので、これまでは自宅近くに居るときにアプリ上で施錠や解錠ができるだけでした。詳しくは、過去記事「LINEで合い鍵を受け渡せるスマートロックロボAkerunの一般販売が決定!」を参照してください。

Akerun Remote
これまではAkerunが設置されたドアの近辺でスマホの専用アプリを使ってロックを解除するという使い方でした(Akerunの製品紹介動画をキャプチャー)。

 そのAkerunがなんとガラケーに対応するほか、アプリなしでの施錠、解錠にも対応するんです。そして、なんと遠隔操作での施錠・解錠も可能になります。これらの機能は、ホテルでのフロントスルーのチェックイン、不動産会社での管理物件の鍵の受け渡しを不要にするスマート内覧などの実証実験を通してフィードバックされた意見を基に実装されたそうです。すでに製品を市場に出しているというのは、やはりかなりの強みですね。こらちも詳しくは、過去記事「LINEで合い鍵を受け渡せるスマートロックロボAkerunの一般販売が決定!」を参照してください。

Akerun Remote
Akerunは、ホテルのチェックインや不動産の内覧、貸しオフィスなどで実証実験が進められてきました。

 これらの機能を実現するための開発されたのが「Akerun Remote」という新製品。AkerunとはBLEで通信しつつ、Akerun Remote自体は内蔵するSIMを利用してモバイル回線、つまりインターネットにつながるというシロモノです。ざっくりいうと、Akerun専用の無線ルーターみたいなもんです。

Akerun Remote
3G通信が可能なSIMを内蔵し、Akerunをネット越しに遠隔操作できる「Akerun Remote 」。

 これにより、ウェブブラウザー上からAkerunに対して解錠、施錠の操作を実行できるようになります。飲食店などでは仕入れ先業者が来たときに解錠して品物を中に置いてもらう、個人では家族や恋人、友人を自分が不在のときに自宅に招き入れるという用途に使えます。お子さんがいる家庭では、鍵を持たせなくてもいつでも施錠や解錠が可能になるというわけです。

Akerun Remote
AkerunとAkerun RemoteはBLE通信、Akerun Remoteはモバイル回線を経由してインターネット上のデータベースサーバーに接続します。

 これは「オンライン鍵管理システム」と呼ばれるサービス。ウェブブラウザー上で解錠や施錠ができるだけでなく、このシステムから鍵を発行することも可能です。「オンライン鍵管理システム」で発行される鍵はURL形式になっています。

Akerun Remote
Akerun Remote
Akerun Remote
「オンライン鍵管理システム」の操作画面。ウェブブラウザー上の遠隔操作で、Akerunの施錠や解錠が可能です。もちろん、現在の鍵の状態もチェックできます。

 管理者がシステムに事前に登録しておいたユーザーに対して、メールやLINEなどで鍵のURLを送り、ユーザー側がこのURLを開くことで、アプリを利用することなくウェブブラウザー上で解錠や施錠が可能なります。従来同様、鍵の共有時に有効期限などを設定できるほか、鍵を共有したユーザーが実際に鍵を使って施錠、解錠したかという情報もログとして残せます。

Akerun Remote
Akerun Remote
ユーザー登録や鍵の有効期限なども細かく設定できます。ユーザー別の解錠、施錠などの操作をログとして残すことも可能です。

 これまでは専用アプリを持っている人に鍵を受け渡すのは簡単でしたが、アプリを持っていない人に鍵を送る場合はアプリのダウンロードからさせなければならいないというハードルの高さがありました。また、鍵を受け渡せるのがBLEに対応しているスマホだけという制限がありましたが、URL形式の鍵を発行できることで、BLE非対応の古いスマホやPC、そしてガラケー(フューチャーフォン)でも鍵が使えるようになります。なお、もちろん専用アプリでの解錠、施錠も従来どおり行えます。

Akerun Remote
Akerun Remoteの登場により、専用アプリのダウンロードを必要とせずに、ガラケーやPCからの操作も可能になります。

 河瀨社長によると、特にガラケー対応はホテルのフロントスルーのチェックインを実現するためには不可欠な機能だったそうです。お金を払ってくれるお客様に対してスマホの持参は強要しづらいですし、たった1泊のチェックインのためだけにアプリをその場でダウンロードさせる手間というのは、おもてなしの観点からは外れていますしね。

Akerun Remote
Akerun Remote
ガラケーでの解錠イメージ。社会人でもガラケーはまだまだ所有者も多いですし、もともとガラケー比率の高いシニア層もスマートロックが使えるようになります。ホテルなどさまざまな人が利用する施設では、道具を選ばすスマートロックを実現するというのは重要ですね。

 Akerun RemoteもAkerunと同様にまずは法人での導入を考えており、セットでの価格は6万円超とのこと。なお、Akerun Remoteは実はAndroid OSが稼働しており、データ通信用として利用できるSIMは、NTTドコモとソフトバンクの2キャリアとのこと。もともとドコモのグループ会社と一部の実証実験を進めていたとことでドコモSIMが使えるのは自然な流れですが、ソフトバンクについてはAkerunのコンセプトに共感して協力体制を築いたそうです。

 Akerun RemoteのOSにAndroidを採用した理由としては、これまでAndroid端末向けの専用アプリなどで培って生きたセキュリティーの仕組みを流用できる点だったそうです。また。Akerun RemoteがAkerunを操作しているわけでなく、あくまでも鍵を持っている端末とAkerunをネット経由で結ぶルーターのような役割に限定されているほか、鍵情報自体は暗号化されているので、Akerun Remoteをハッキングされたとしても施錠や解錠はできないとのことでした。

 国内では後発となる製品の初期ロットがそろそろ出荷される時期ですが、なんだかAkerunはその先に行ってしまった感じです。3月に開催されたAkerunの発表会で河瀨社長は将来構想についても語っていましたので、今後も新しい機能がどんどん加わることに期待したいところです。また各社のスマート製品が出揃うこれからの時期、スマートロック市場が盛り上がることは間違いないですね。

 Akerunのコンセプト動画や製品紹介動画はYouTubeで公開されていますよ。

■関連サイト
Akerun(製品紹介
Akerun(購入
フォトシンス
39ホテルプロジェクト(NTTドコモ・ベンチャーズ)
HOME’S(ネクスト)
三井不動産

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります